【きのうのオレンジ】著・藤岡陽子
胃がん宣告を受けた30代の主人公と、彼を取り巻く人々との物語。
たまたま、そんな物語を選んでしまっているのか,
主人公を「助けてください」って、祈りながら読むことが続いてる。
さて。
時々、心に刺さる言葉が織り込まれてて、それがまた、切ない。
登場人物がみんな正しく生きている、お手本の人たち。
だから、この状況が余計に切なくなるのかも。
うるうるしながら読み終えました。
正確には、ボロボロ涙がこぼれてしまう結末。
家の中や病院・病室、登山の様子とか、闘病中の本人や家族の気持ちとか。
状況の描写が、いちいちリアルなんだよな~。
著者の作品はこちらが初めてですが、文章がとても読みやすい。
そして、経歴にも驚く。
大学の文学部を終わって、留学もして、その後、看護専門学校卒と。
現在はクリニック勤務とあるから、看護師さんをしていらっしゃるのかな。
他の作品も読んでみたくなりました。
ところで、医療の方って、文才がスゴイ方が多いですね。
古くは森鴎外、斉藤茂吉、北杜夫、渡辺淳一。
最近では、南杏子さんも話題。
ジャンルは違うけど、さーたりのコミックも好き。
@ふると