オベロン会ブログ

英米文学の研究会、オベロン会の専用ブログです。

11月のオベロン会例会報告

2011-12-03 | のどぼとけ
急に寒くなってきましたが、
相変わらず会場となった国際文化会館からの
東京タワーの眺めが美しい日でした。


2011年11月28日の発表は、
羽矢謙一さんで、最初、Muldoonの詩について、
という予告でしたが、取り上げられたのは、
W.B.Yeats,の死の直前、すなわち1939年1月の
作品'The Black Tower'でした。

アイルランドの大詩人の最晩年の作だけに
羽矢さんもアイルランドの古代からの歴史を辿り、
大きな展望の下にこの複雑な詩人の心境を
なんとか我々一般聴衆にも分かるように
説明を工夫されての発表でした。

当時のイギリスとの対立的な関係を踏まえ、
かつての戦士たちと重ねるように、
現代のアイルランドの人々を鼓舞し、
かつての戦士たちが持っていた
不屈の精神が現れることを望む詩人の想いを
読み取る、実にスリリングなひとときとなりました。

発表の後は、絶え間なく質疑応答があり、
いつしか三時間が過ぎておりました。

もしかして、羽矢さんは、
わざわざマルドゥーンを取りやめにしてまで、
こうした形でイエイツがしたように、我々を、
つまり、オベロン会を、
鼓舞して下さっているのではないか、
そんな気にもさせられる想いでした。

司会の川井さんが今回限りで司会をお辞めになり、
次回は根岸さん、そして来年からは
今少し若い人に代わるという方針になりました。
他の方からは、場所の変更や、開始時間の変更などが
提案されましたが、これらはゆっくり
対応していくことになりました。

いつものように、軽くビールなどで歓談し、
快い気分の中で解散しました。



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