今年は暖冬と言われていますが、
昼間の暖かさも、会が終わる時刻になると
冬の風が吹きとばしてしまったような気がします。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_fuku.gif)
会場の国際文化会館を出て
鳥居坂を下る足元もすっかり暗くなる季節になりました。
このような頃合いになると、学事も忙しくなる「繁忙期」ですが
その合間をぬって伊達恵理さんが
「探求の変容:'The Seeker' から At the Hawk's Well へ」
のタイトルでご発表してくださいました。
予告より踏み込んだテーマとなっております。
あまり知られていない初期の作品 'The Seeker' は
一人の老騎士が、魅惑的な「声」にとりつかれ
その主を求めて遍歴するという劇詩です。
その後のイェイツの作品に通じる象徴性や、
Femme fatale である魔女のモチーフが見られることを、
原文を読みながら解説してくださいました。
これらのモチーフは、At the Hawk's Well に受け継がれつつも、
'The Seeker' の老騎士が体現していた役割は
At the Hawk's Well の二人の登場人物、騎士クーハランと老人に
それぞれ描き分けられ、「探求」の意味も変容していることが読み解かれました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/pen.gif)
この二つの作品に見られる登場人物の役割の変容には、
イェイツがアイルランド文芸復興運動を強く意識し、
詩人の在り方や、詩作に対する態度の変化が作用しているようです。
能の影響が強く反映された作品として知られている
At the Hawk's Well ですが、劇詩人イェイツという観点から
'The Seeker' と併せて考えることで新たな視座を提供してくださいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/book2.gif)
イェイツの作家としての成熟を見るのみならず、
ロマン派的特徴や、同時代の作家が描くモチーフとの関連、
牧歌の伝統(前回のご発表ではイェイツのパストラル・エレジーに触れて下さっています)、
聖杯伝説、政治性など、
イェイツの背後に広がる文学観と世界観に
参加者一同おおいに盛り上がり、
イェイツの作品に 'possessed' された一時でした。
今回もありがとうございました!![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hakushu.gif)
さて、次回は平成21年最後のオベロン会です。
普段より一週早く、12月19日(土)、
14時から国際文化会館西館4階のセミナールームにて開催されます。
どうぞご参加下さい。
昼間の暖かさも、会が終わる時刻になると
冬の風が吹きとばしてしまったような気がします。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_fuku.gif)
会場の国際文化会館を出て
鳥居坂を下る足元もすっかり暗くなる季節になりました。
このような頃合いになると、学事も忙しくなる「繁忙期」ですが
その合間をぬって伊達恵理さんが
「探求の変容:'The Seeker' から At the Hawk's Well へ」
のタイトルでご発表してくださいました。
予告より踏み込んだテーマとなっております。
あまり知られていない初期の作品 'The Seeker' は
一人の老騎士が、魅惑的な「声」にとりつかれ
その主を求めて遍歴するという劇詩です。
その後のイェイツの作品に通じる象徴性や、
Femme fatale である魔女のモチーフが見られることを、
原文を読みながら解説してくださいました。
これらのモチーフは、At the Hawk's Well に受け継がれつつも、
'The Seeker' の老騎士が体現していた役割は
At the Hawk's Well の二人の登場人物、騎士クーハランと老人に
それぞれ描き分けられ、「探求」の意味も変容していることが読み解かれました。
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この二つの作品に見られる登場人物の役割の変容には、
イェイツがアイルランド文芸復興運動を強く意識し、
詩人の在り方や、詩作に対する態度の変化が作用しているようです。
能の影響が強く反映された作品として知られている
At the Hawk's Well ですが、劇詩人イェイツという観点から
'The Seeker' と併せて考えることで新たな視座を提供してくださいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/book2.gif)
イェイツの作家としての成熟を見るのみならず、
ロマン派的特徴や、同時代の作家が描くモチーフとの関連、
牧歌の伝統(前回のご発表ではイェイツのパストラル・エレジーに触れて下さっています)、
聖杯伝説、政治性など、
イェイツの背後に広がる文学観と世界観に
参加者一同おおいに盛り上がり、
イェイツの作品に 'possessed' された一時でした。
今回もありがとうございました!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hakushu.gif)
さて、次回は平成21年最後のオベロン会です。
普段より一週早く、12月19日(土)、
14時から国際文化会館西館4階のセミナールームにて開催されます。
どうぞご参加下さい。
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