PlayStation3 ジャンク整備記録 3 リフロー編

2012年11月25日 | パソコンネタ

BUNBUNです。

悪戦苦闘の末、マザボの取り出しに成功。いよいよリフロー作業に入ります。
実はこの辺りで、ココまで書いておいて最終的に作業失敗だったら空しいなあ、なんて考えています。

気を取り直して・・・
出番だぜ、ヒートガン!

安物ですが、ちゃんと熱風が出ることを確認。


CPU GPUの基盤との隙間、及びその周辺にフラックスを多め、ではなく沢山塗りこみます。
特にCPU GPUと基板との隙間には流し込む感覚で、反対側から流れ出るくらい使用します。
このリフロー作業を個人で行った場合、数ヶ月後、早ければ数時間後に同じ症状が再発する、という
内容を目にします。これは超個人的にはフラックスを使用しない又は使用量が少ないこと、加えて加熱時間が
短い為に半田の再融着が不十分なのではないかと考えています。

周辺についてはかなりアバウトにこの ↓ あたり。もちろんCPU GPU 表面には塗らなくて良い。
表面終了後には同じ範囲に裏面にもフラックスを塗り、同様に焼き込みます。


焼きこみ開始。前回のVL300の際にはわずか1.5cm四方のチップの場合で弱で4分間の加熱でしたが、
今回はかなりの広範囲なので、「強」「6分間」としました。
当然ですが、根拠は全くありません。もはや感覚的にとしか言い様がないので・・。
同じ時間加熱して、焼き壊してしまっても責任は持てません・・。

加熱を開始すると、例によってフラックスと半田の焼ける匂いが立ち込めます。
本当に、「強」で「6分間」で良かったのだろうか・・?と自問自答しながらの6分間。
その後30分間自然冷却して、裏返して同じ範囲にフラックスを塗布、再度同じ6分間加熱。

裏面の焼きこみ終了後、自然冷却の間を利用して、ヒートシンクと冷却ファンの掃除を行いました。
マザボ撤去後の下部フレーム。き、汚たねえ~!どう見ても長期間使用したデスクトップパソコンの内部です。


埃を飛ばしてから、フレームを撤去。巨大な冷却ファンも埃まみれ。ヒートシンクもカチコチのグリスまみれ。
この後、きれいにクリーニングしました。



マザボが十分冷えたところで再度エレクトリッククリーナを全体に吹きつけ、余計なフラックスを
掃除します。
リフロー作業はこれでおしまい。再度組み上げていきます。CPU GPUにグリスを塗布することを忘れずに!




一部が変形しているHDDマウント。
実際にHDDを取り付けた際に、干渉しない程度にペンチで手直し。
三か所ネジ止めされていれば上等。
購入時点でHDDは取り外されていたので、部屋に転がっていた80GBを取り付け




動作チェック
全ての作業が終了し、いよいよ電源を入れます。ドキドキ・・・
HDMIでモニターに接続して、背面電源スイッチON→赤ランプ点灯 ここまでOK。

前面スイッチON!








ブオォォーン・・・・・・・・・・・・・・おっ!ファンが回転した!






 緑が転倒・・・じゃない、点灯!



映った、映ったよ PS3が映った!  ハイジ調(笑)
起動成功(゜∀゜)

続けてブルーレイドライブについても動作確認。正常にローディング、エジェクトできました。



この後5時間ほど放置して変化がないことを確認しました。
HDDが新品なので、システムを再インストールする必要があるのですが、
コントローラが付属していなかったので作業はここまで。安い有線式を購入しなくては。



PlayStation3 ジャンク整備記録 2 分解編

2012年11月25日 | パソコンネタ

BUNBUNです。

いよいよ実際の修理作業に入ります。

用意するもの
・トルクスドライバー(T10H):封印シール下のネジを外すのに使用。
・プラスドライバ:大、中
・ヒートガン:VL300の修理以来、2度目の登場
・液体フラックス(鉛フリーはんだ対応):HAKKO FS200 を使用。
・ピンセット : 樹脂製が良い
・エアダスター、掃除機、ハケ
・パーツクリーナー又は消毒用アルコール
・エレクトリッククリーナー
・キッチンタオル
・CPUグリス
・デジカメ : 作業経過の記録用

トルクスドライバーについては自宅の道具箱にありました。本当に最初の封印下の星型ネジを外す際だけ使用します。
高級品でなくても大丈夫。100円ショップでも買えます。
BUNBUNはメンテナンス時のことを考えて修理終了後に同サイズの+ビスと取り換えてしまいました。

実際の作業ですが、一連の手順で一番ややこしいのは正しく分解することと、正しく元に戻すこと、に尽きます。
「PS3 分解」キーワードで検索すれば諸先輩方の記事で情報収集することができます。

お約束ですが、作業は全て自己責任でお願いしますね。
以下の手順は直るかもしれないという内容ですし、
さらに一旦は正常動作したように見えて、短期間で再発する可能性も大きいのです。


1 封印シールを剝して、ゴムキャップを取り、 穴の中にある星型ネジを取り去る

2 天板を正面から見て左側にスライドさせるとパコッと外れます


3 中蓋背面に、指が入る程の穴があります。そこで指を入れてツメを押すと、中蓋が前方へ開きます


中蓋裏面に記載してあった、「12.25」という手書きマーキング。何だこれは??


4 左側面から。黒い箱が電源ユニット。奥の白いのがBlueRayドライブです。


5 まず電源ユニットから取り外しますがコネクタの接続状態をできるだけ細かく
撮影して記録しておきます。
  

電源ユニットはネジとコネクターを外していけば簡単に外せますが、注意点はマザーボードから
コンセントのようなプラグ↓が突き出ていて、これが電源ユニットに差し込まれた状態となっています。
このプラグは強固に取り付けられている状態ではなく、電源ユニットを外す際に無理に前後左右に
スライドさせると、このプラグが破損するかもしれません。垂直に引き上げて下さい。


次にBlueRayドライブの取り外し。中蓋を開けた時点でドライブはネジ留めされておらず、コネクター類を
抜くだけで取り外しできます。
マザーボード側フラットケーブル は黒い部分のロックを外してから抜く必要があります。
無理に引っ張っては駄目ですよ!
フラットケーブルの上を通る黒いケーブルが繋がっている小さな基板は無線LANモジュール。
ケーブルはアンテナですね。マザボにコネクタで接続されています。


6 ↓ここにもフラットケーブルがあります。小さいですが同様にロックがあるので解除してから外します。
左上に見える網目状のハードディスクマウントと、無線LANモジュールを取り外し、
右に見えるマザボの鎮座している金属板周りのネジを外せば金属板自体が外れます。


ついに心臓部のマザボがお目見えです。かなりの埃で汚れていることが分かります。


7 マザーボードは周りのネジを外せば、軽く外せるはず・・ですが、簡単に外れない場合もあります。
これはマザボ背面に取り付けられているCPU・GPUとヒートシンク(下部フレームに固定されている)に塗布されている
シリコングリスが硬化して両者が接着されたようになっている為です。
軽く真上に引っ張って外れればラッキーですが、無理な力で真上に引っ張ると、CPU・GPUの半田部分に負荷がかかり
再起不能の可能性もあります。
前後左右にじっくりと基板を動かして力を加えて固着したグリスが緩むまで頑張りましょう。

固着したグリスが緩むと急にパカッと外れます。BUNBUNはここでマザボが外れなかった理由がグリスである
ことに気付きました。


8 マザボの裏面(本来はこっちが表ですが) CPU、GPUに塗布されたグリスはすっかり乾燥しています。
これでは冷却効率も悪くなってしまうことだろう。


この固体化したグリスを取り除いてゆきます。乾燥部分はテレホンカード等で、面白いようにポロポロと削れます。
大まかに取り除いたら、CPU GPU表面をパーツクリーナーかアルコール、エレクトリッククリーナーでふき取れば完璧。
個人的にはパーツへのダメージの心配が無いエレクトリッククリーナーをお勧め。

う、美しい・・・・              右がCPUの「Cell」、左がGPUの「RSX」。

RSXの上のチップセット上にゴムクッションが見えます。下部フレームとの干渉防止用なので、
大事に取っておきます。

この段階でブロアーで付着していた埃を飛ばして、マザボ全体にエレクトリッククリーナを吹いて
クリーニングを行っておきました。

 分解だけでかなり疲れた! 

続きます。


PlayStation3 ジャンク整備記録 1

2012年11月22日 | パソコンネタ


BUNBUNです。

以前に、ジャンクのNEC ValueStar VL300の復活記録を掲載しましたが、
現在でも思いの他多数の方に見てもらっているようです。
当ブログへの検索キーワードも「VL300 修理」なんてのが常時ランクインしていたりします。
多くの方がVL300の故障に悩んでいることが伺えます。
このVL300シリーズ、他にも多くの方が修理の記事を公開しているだけあり、オークションでの相場も高値安定?しています。
HDD、メモリなし、BIOS起動不能でもCore2Duoモデルであれば5000円くらいの値が付いたりする場合がありますね。
BUNBUNも部品取り用にもう一台購入しておこうかなんて考え中です。

VL300の修理のポイントとなったチップセットのリフローですが、このヒートガンを使用したハンダの再融着という
修理方法はパソコンだけでなく、他の電子機器の修理にも応用が効きます。
せっかく購入したヒートガンですが、思った通りVL300の修理以降、全く使用される機会がございません。

が、立ち寄った某リサイクルショップで思わず衝動買いしたのが、

PS3先生です。


だって・・・3000円の値札を吊るされて
「ボクを連れてって・・・」
とでも言わんばかり廊下に立たされた生徒のように陳列されていたので、思わず連れて帰ってしまいました。

当然ながら不動品。状態説明には「電源が入りません HDDなし マウント破損」と書かれています。
型番は「CECHH00」と確認。調べてみると2008年発売で容量40GB。PS2ソフトが非互換となってすぐの
モデルですね。
HDD無しだから?3000円という価格はかなり安い部類かと思います。
細かい傷は所々に付いているものの。スイッチやUSB等の端子類には特に破損はありません。
とりあえず外装をざっとクリーニングして、状態を細かくチェックしてみました。

噂の封印シール。画質悪くてすみません。


「絶対剥がすなよゴルァ!剥がしたら保障期間内だろうが有償・無償だろうが、
絶対直してやらねえからな 覚悟しとけ!」と物騒なことが書かれています。(ウソ)
カバー外すだけで一切の修理を受け付けないってのもやりすぎと思いますがどうでしょう?
PS3は構造は殆どパソコンで、発熱を逃がすためにでっかい冷却ファンが内部に鎮座していますが、
長く使用していればパソコンと同様にファンに埃が付着して冷却効率が悪くなってきます。
内部清掃することもまかりならんってのはねえ・・・。
ま、躊躇無く剥がしますけど!

ハードディスクの蓋が傷だらけ。外れなくて色々こじったのかな?
全く気になりません。通常は見えないのでノープロ。



ハードディスクのマウント。一箇所が捻じ曲がっています。
これまた問題なし。ラジオペンチで矯正してやる!正常にHDDを固定できないほど
破損しているようであれば、純正品が500円で取り寄せ可能。



PS3の故障について考察
「PS3 故障」でWEB検索してみると、それこそわんさか情報が出てきますが、大体まとめると
・電源が入らない(=起動しない)
・ディスクが入らない
・ディスクが読めない
・ディスクが取り出せない
この4つに分類されるようです。
ブルーレイドライブの異常についてASSYの交換部品が販売されていて、5000円ほど。

今回の電源が入らない状態というのは、ディスク云々以前の話で、ドライブ自体は生きているという前提で
修理で起動できるようになればすればコストゼロで復活です。

まず、「電源が入らない」状態の確認。単純に電源のトラブルといっても、
1 全く反応なし。通電ランプすら点灯しない
2 背面電源スイッチで通電赤ランプ点灯→ 前面電源ボタンを押すとピピピッと音がして赤ランプ点滅

で、非常に大きな差があります。1だったら電源ユニットそのものの故障なので潔く諦めます。
諦められない場合は、電源ユニットも分解して、コンデンサ交換するという道はあります。
2だったらこれが有名なYLODで、システムが正常動作できていないということらしい。
具体的にはCPUである「Cell」又はGPUである「PSX」が基盤とのハンダクラックによりシステム異常になる、
ということみたいです。SONYに修理に出すとメインボード交換で16800円かかり、
かつCECHH00のような初期モデルの場合は補修部品としての在庫が無いので再生部品に交換されてくる。
VL300の時と同様、ハンダクラックが原因であればリフローにより復活する可能性があります。
これとは別にブルーレイドライブも故障している可能性はあります。
電源が入らないので修理前の今は確認することはできませんが、実は故障としてはドライブの故障の方がダメージが大きいと聞きます。

ではこのPS3はどんな状態?前のNEC VL300の際もそうでしたが、この時が一番緊張です。
通電しなきゃ、スタートラインにも立てないってことだから。
電源ケーブル繋いで・・・背面の電源をON!!





通電しました。

この後、前面の電源をONにすると、ピピピッと鳴って赤点滅という状態となりました。
絵に描いたようなYLOD状態ですね。

さて、このPS3は生き返るか??

続きます。


格安サーバーでメディアストリーミング・ファイルサーバーを作る 2

2012年11月22日 | パソコンネタ

BUNBUNです。

Fujitsu MX130をホームサーバに仕立て上げるための作業の数々。ハードウェア編です。

・CPU換装
素のCPUの状態でTS動画を再生したら、動きの激しいシーンで若干のコマ落ちとブロックノイズが発生します。
確認してみると、TS動画再生時はCPU使用率が80%に達していました。
やっぱりシングルコアでは厳しい・・。
オークションでデュアルコアCPUを物色してAMD AthlonⅡx2 220を1500円程で落札できたので
これに換装。通常はメーカー製PCのCPU換装はお勧めできませんが、AthlonⅡx2 220
に関しては出荷時のCPU選択に含まれているので安心。


ただ、標準のSempron 145 (1コア/2.8GHz/L2 2MB/L3 -MB/ 45W)に対して、
AthlonII X2 220 (2コア/2.8GHz/L2 1MB/L3 -MB/ 65W)は、クロック数が同じながら
L2キャッシュが1コアあたり0.5MBとスペックダウン。

クロック数が同じせい?Windowsエクスペリエンスではプロセッサのスコア4.6に変化はありませんでした。




・メモリ増設
標準で2GBのメモリを搭載していますが、Windows7 Pro では明らかに不足。
これまたDDR3(PC3-10600)の2GBを中古で500円で購入。
標準搭載のメモリはSAMSUNGの2GBで、サーバーらしくECC(エラー訂正)付きですが、
ECCなしのメモリと問題なく混在できます。
合計4GBとなりますが、Windows7 32bitの場合はOSの仕様で3GBまでの容量しか認識できないので
実質3GBまでしか使用できません。



・サウンドボード
サーバーであるMX130にはオンボードサウンドチップが搭載されていません。
PCIスロットが空いているので、玄人志向サウンドボードCMI8738-6CHLPEを搭載。

・ハードディスク
標準装備はSEAGATEの320GBですが、250GBしか認識できない特殊な仕様となっています。
データ領域として、WesternDigitalの1TBを追加で搭載。

・そのほか
通常、サーバーとして稼動させるにあたり、接続しておくのは電源とLANケーブルだけです。
ソフト上のメンテナンスはリモートデクストップで行えるのでモニターすら接続しておく必要はありませんが、
BIOSの設定等、どうしても必要な場合だけキーボード、マウス、モニターを接続します。
案外場所を取るのがキーボード。通常サイズはかなりジャマなので、これまたリサイクルショップで超小型キーボードを購入。400円。



次回はソフトウェア編です~