元サラリーマンの植物ウォッチング第6弾。写真はクリックすると大きくなります。
多摩ニュータウン植物記Part6
コショウ
東京薬科大学“薬用植物園”の温室で見られる「コショウ(胡椒)」。コショウ科コショウ属のつる性常緑木本でインド原産。紀元前500年頃には古代ギリシアで医薬品や食用として利用されていた。コショウは熱帯地域に生育するがヨーロッパの気候では栽培できず、古来から黄金に匹敵するような高値で取引されていた。世界史で中世ヨーロッパでは決死の覚悟でコショウを求めて探検したと習ったが、現代の生活ではとても理解できずもし我が家でコショウが無くなってもステーキやラーメンの味付けを我慢するくらいの存在だと思っていた。
冬が厳しいヨーロッパでは屠殺した家畜の肉を乾燥させたり塩漬けにして長期間保存していたが、乾燥肉は固くて風味が無くまた塩漬け肉は時が経つにつれ腐敗していきそれでも人々は我慢して食べていた。そのため防腐剤や香辛料としてのダブル効果があるコショウは食糧確保のためには無くてはならないものだったわけだ。
当時は原産地のインドからヨーロッパに運ばれたが、途中のオスマン帝国や地中海を支配していたベネチアにかなりの中間利益を搾取されていた。そのため大航海時代には安価なコショウを求めてアフリカ喜望峰回りのルートを開拓することになった。コロンブスが新大陸を発見したのはキリスト教布教と並んでコショウの輸送ルート確保も目的だった。
コショウにはホワイトペッパー、ブラックペッパー、グリーンペッパー、ピンクペッパーなどがあるがこれらは全て同じ種類のコショウが原料。果実を収穫するタイミングや製法を変えることで色や風味に違いが生まれる。例えば完熟した実を収穫して乾燥させ水に漬けて外皮を剥いたものがホワイトペッパーになり、完全に熟す前の実を乾燥させたものがブラックペッパーになる。写真はまだ若い緑色の果実だがこれを短期間で乾燥させるとグリーンペッパーになる。
コショウで思い出したのが獅子文六著の小説『胡椒息子』。冷たい継母のもとに引き取られた少年が実の母を探すというストーリーでテレビドラマ(昭和44年)では中村光輝(三代目中村又五郎)さんが主演し意地悪なお姉さん役が岡崎友紀さんだった。
冬が厳しいヨーロッパでは屠殺した家畜の肉を乾燥させたり塩漬けにして長期間保存していたが、乾燥肉は固くて風味が無くまた塩漬け肉は時が経つにつれ腐敗していきそれでも人々は我慢して食べていた。そのため防腐剤や香辛料としてのダブル効果があるコショウは食糧確保のためには無くてはならないものだったわけだ。
当時は原産地のインドからヨーロッパに運ばれたが、途中のオスマン帝国や地中海を支配していたベネチアにかなりの中間利益を搾取されていた。そのため大航海時代には安価なコショウを求めてアフリカ喜望峰回りのルートを開拓することになった。コロンブスが新大陸を発見したのはキリスト教布教と並んでコショウの輸送ルート確保も目的だった。
コショウにはホワイトペッパー、ブラックペッパー、グリーンペッパー、ピンクペッパーなどがあるがこれらは全て同じ種類のコショウが原料。果実を収穫するタイミングや製法を変えることで色や風味に違いが生まれる。例えば完熟した実を収穫して乾燥させ水に漬けて外皮を剥いたものがホワイトペッパーになり、完全に熟す前の実を乾燥させたものがブラックペッパーになる。写真はまだ若い緑色の果実だがこれを短期間で乾燥させるとグリーンペッパーになる。
コショウで思い出したのが獅子文六著の小説『胡椒息子』。冷たい継母のもとに引き取られた少年が実の母を探すというストーリーでテレビドラマ(昭和44年)では中村光輝(三代目中村又五郎)さんが主演し意地悪なお姉さん役が岡崎友紀さんだった。
コメント ( 12 ) | Trackback ( )
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これがなければヨーロッパの大航海時代はなかったかも。
かっては黄金に匹敵する価値があっても今やどこでも買えるし中華料理屋ではテーブルに無造作に置かれるものになってしまいました。
思わぬとこで岡崎友紀サンの名前が出てきた。
「奥様は18才」を覚えてます、年がわかるな。
私は見たことないのですが、高知に生えているフウトウカズラとよく似ていますね。
フウトウカズラもコショウの仲間だそうですが、ネット検索すると果実をコショウの代用で食べた人がいるようです。
私もどちらかというとスパイス好きな人間なので、コショウやワサビ、辛子などをつけないと食べた気がしない人間です。
香辛料と大航海時代。なんか世界史の世界です。
ポルトガル、スペイン。その当時の政治、外交
から見る世界はどうだったろう。想像すると楽
しいですね。
いずれにせよ、その取引には血なまぐさい側面
もある世界のような..
さて、今朝は吹雪のこちらです。昨日午後雪は
やんだのですけどね。
なくてはならないコショウ
生のコショウってこれなんですね
さすが薬用植物園
普段はなにも考えずに使っていますが興味深いです~
有名な香辛料ですが、どんな植物なのか見たことがないし…、そうか、温室栽培ですか。東京薬科大学“薬用植物園”の温室、さすがですね。見られて嬉しいです。これを求めて、ヨーロッパからインド方面へ出掛けていったのでしたね。知識では知っていても、現物を見たことがなかった。ありがたい記事です。
そうか、いろいろと名前は違っていても、製法が違うのですか…。
「世界史を大きく変えた植物」(稲垣栄洋)は現在電子版しか入手できないのですが、こういう本は紙の本を手元において、簡単に調べるようにしておきたいです。
かなり人気があるようなので、再販してくれるとありがたいのですがね。
一応、Amazon Prime で無料版を入手し、PCの大画面で読めるようにはなっています。