私が『ゲゲゲの鬼太郎』を初めて読んだのは確か小学生低学年の頃だったと思う。当時はまだ『墓場の鬼太郎』というタイトルで子供にとっては少し刺激が強くあまり好きではなかった。しかし少し成長してから改めて読み直してみるとねずみ男などのキャラクターも面白く物語に引きずり込まれた。もちろん2010年のNHK朝ドラ『ゲゲゲの女房』は毎回欠かさず見ていた。
写真はタマゴケ科タマゴケ属の「タマゴケ(玉苔)」。山地の岩肌などで見られる蘚類で緑色の絨毯のようにフワフワの群落を作る。蒴は直径2ミリほどで英語では“apple moss”と呼ばれリンゴに見立てているが、日本ではやはり『ゲゲゲの鬼太郎』の“目玉おやじ”だろう。
当地の幹線道路沿いの藪の中に生育している「ユウシュンラン(祐舜蘭)」。ラン科キンラン属の多年草でギンランに似ているが葉は退化して光合成機能が退化しており菌への依存度が高いのでギンランとは別の独立種とする説が主流のようだ。草丈は10~15センチでギンランよりも半月ほど早く開花する。この藪では10年前には何十株もあって足の踏み場に困る状況だったが、年々その数は減少し続け今年は4株しか見つからなかった。温暖化の影響なのか、猛暑の影響なのか、数年後には消滅するのではないかと心配している。ユウシュンランは昭和7年に宮部金吾氏・工藤祐舜氏によって新種として発表され工藤祐舜氏の名前が付けられている。
奥高尾“もみじ台北巻き道”に咲いている「ヒトリシズカ(一人静)」。センリョウ科チャラン属の多年草で全国の山野に分布している。春に4枚の葉の間から1本の穂状花序を出す。花には花被片が無く雄蕊と雌蕊から成る。雄蕊は3本が基部で合着しており左右の蕊の下部に黄色い葯がある。雌蕊は雄蕊の基部のすぐ上にある。その清楚な佇まいを静御前が舞う姿に見立てて名付けられているが、ヒトリシズカは地下茎が横に伸びそこから多数の花茎が直立するので一人ではなくかなり団体さんでいることが多い。