高尾山“4号路”に咲いている「ヒナスミレ(雛菫)」。スミレ科スミレ属の多年草で北海道~九州の太平洋側の山地に分布している。花径は1.5~2センチで淡紅紫色になり側弁の基部にはまばらな毛がある。紅色が濃い個体もあるがこの個体はやや薄い。山渓ハンディ図鑑『日本のスミレ』では“スミレの女王がサクラスミレなら、ヒナスミレは“スミレのプリンセス”だろうという解説が記載されている。同感だ。
長池公園の林内で咲いている「マメザクラ(豆桜)」。バラ科サクラ属の落葉小高木で関東地方西南部や静岡県、山梨県、長野県などに分布している。富士山周辺や箱根などで多く見らるために「フジザクラ(富士桜)」や「ハコネザクラ(箱根桜)」の別名もある。サクラの部類の中では樹はそれほど高くならずソメイヨシノよりも少し早く開花する。
奥高尾“逆沢作業道”に生えている「ハカタシダ(博多羊歯)」。オシダ科カワナワラビ属の常緑性シダで福島県以南の山地に分布している。葉身は40~50センチで軸基部側から側羽片が通常は3~5対見られその先は頂羽片となる。基部に一番近い最下羽片の第一小羽片はピンと長くなっているのが特徴。ハカタシダの中には葉に斑があるものがありこれを“博多帯”の模様に見立てて名付けられているが、当地ではこの緑色のものしか見たことがない。