高尾山“蛇滝道”の湿った岩肌に生えている「イワタバコ(岩煙草)」。イワタバコ科イワタバコ属の多年草で福島県以南の山地の沢沿いなどに生育している。7~8月に花茎を伸ばし直径1.5~2センチの星形の花を咲かせる。その葉は長さ30センチにもなり形がタバコの葉に似ていることから名付けられている。写真は越冬芽の様子で直径5ミリほど。成葉とは比較にならないほどの小ささで表面には“脳”のようなシワがある。春になるとこれが少しずつ伸びて来る。
蓮生寺公園の林縁にたくさん落ちているドングリがいくつか割れて中の赤い子葉が見える。これは「コナラ(小楢)」の発芽でドングリの先端から幼根が地中に伸びている。子葉には栄養が十分に蓄えられており根とこれから伸びてくる本葉に養分を供給する。コナラの成木はドングリを大量に作りそのうちいくつかはこうして発芽して成長するが、ほとんどは2~3年目に親株の日陰で日照不足になりそれ以上は育たない。何らかの事情で親株が無くなるとこのような小株が更に成長して命を繋いでいく。
長池公園“里山”を縄張りにしている「ジョウビタキ(尉鶲)」のメス。ヒタキ科ジョウビタキ属の冬鳥でこの時期には良く見掛け何度も撮っているが、ピョコンとお辞儀をする可愛らしい仕草を見せられるとまたカメラを向けてしまう。雌雄とも翼には白い斑がありこれを着物の紋に見立てて「モンツキドリ(紋付鳥)」の別名がある。