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野鳥・4~ウグイス1

 上柚木公園の雑木林でフデリンドウを探していると、すぐ近くの樹から「ウグイス(鶯)」のさえずりが聞こえる。今まで何度かその撮影を試みているが枝から枝にピョンピョン飛び移りじっとしていることが無い。慎重に望遠レンズを付けヤマナラシの大木に隠れてその姿を探す。
 『いた!!』10メートルほど先の枝に止まって『ホーホケキョ!!』と鳴いている。相変わらずじっとしていないのですぐに枝に隠れてしまうが何度かシャッターを切ったうちの1枚にその姿が写っていた。ピンボケだがとりあえず証拠写真。
 ウグイスはオオルリ(大瑠璃)、コマドリ(駒鳥)とともに日本三鳴鳥のひとつで、早春に鳴き始めることから「ハルツゲドリ(春告鳥)」とも呼ばれている。気象庁では昭和28年(1953年)から“生物季節観測”としてソメイヨシノの開花やカエデの紅葉など生活に身近な生物の色々な現象を毎年定点観測してきた。例えば植物では上記の他に“アジサイ開花”“イチョウ黄葉”“ウメ開花”クワ落葉”“シバ発芽”“ススキ開花”“スミレ開花”“ライラック開花”など全部で41種類。動物では“アキアカネ初見”“アブラゼミ初鳴き”“カッコウ初鳴き”“シオカラトンボ初見”“トカゲ初見”“ニホンアマガエル初鳴き”“ヒバリ初見”“ホタル初見”“モンシロチョウ初見”など全部で24種類あった。
 しかし気象庁は令和2年(2020年)11月に生物季節観測の大幅な変更を発表し、今年1月以降の対象は、動物の観測はすべて無くなり、アジサイ(開花)、イチョウ(黄葉・落葉)、ウメ(開花)、カエデ(紅葉・落葉)、サクラ(開花・満開)、ススキ(開花)の6種目9現象だけとなってしまった。
 長くなるが、気象庁はこの変更に関し、
『本観測は、季節の遅れ進み、気候の違い・変化を的確に捉えることを目的としておりますが、近年は気象台・測候所周辺の生物の生態環境が変化しており、植物季節観測においては適切な場所に標本木を確保することが難しくなってきています。また動物季節観測においては対象を見つけることが困難となってきています。このため気候の長期変化(地球温暖化等)及び一年を通じた季節変化やその遅れ進みを全国的に把握することに適した代表的な種目・現象を継続し、その他は廃止することとします。』と説明している。
 ちなみに我が家の洗面所の窓から聞こえる裏山のウグイスの初鳴きは3月17日、庭のソメイヨシノの開花は3月21日だった。

※コメントいただいた通り、気象庁は令和3年3月30日に『生物季節観測の発展的な活用に向けた試行調査の開始について』を発表した。やはり観測廃止に対する反響は大きかったようで、多くの要請を受けて継続すると方向転換した。国立環境研究所(国環研、茨城県つくば市)がデータの分析を担当し対象から外れた種目を継続して観測する体制を作るため新たに試行調査を始めるという。市民参加による観測も検討するようだ。まずは一安心。
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ノジスミレ・1~鹿島地区

 鹿島地区のバス停に咲く「ノジスミレ(野路菫)」。スミレに良く似た濃紫色の花だが側弁の基部は無毛で葉柄には翼が無い。またスミレに比べると草丈は低く7~8センチ程度。ノジスミレはスミレと同じように人家に近い道端などで見掛けることが多いが、ここではアスファルトの隙間に群生していた。都立大付近の長久保交差点を私は“すみれ交差点”と呼んでいたが、最近は群生が無くなりまばらになってしまった。次はここを“すみれバス停”と呼ぶことにしよう。
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カントウカンアオイ・1~花

 ウマノスズクサ科カンアオイ属の「カントウカンアオイ(関東寒葵)」。丘陵や低山の林内に生育する常緑性多年草で、花はやや緑色っぽく萼片は三角形状になり、冬から早春まで長く咲いている。葉には光沢が無く斑の模様は色々変化がある。八王子市内ではランヨウアオイ、カントウカンアオイ、タマノカンアオイフタバアオイのみが自生しており、その他のカンアオイ類は他所から持ち込まれたものと考えられるようだ。
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