Beautiful☆Life

ひとりごと

TA-F333ESXⅡの場合

2006年06月15日 | 三流オーディオ
 前回紹介したCDP-770とほぼ同時期に入手したソニー製のアンプがある。写真のTA-F333ESXⅡである。名前の最後に「Ⅱ」と付いていることからも分かるが、同型の2代目にあたる。Ⅱの付いていない初代型は当時の業界にセンセーションを巻き起こしたことで有名らしい。非常に堅牢な作りと物量を惜しまない設計にもかかわらず79,800円というリーズナブルな価格で、価格以上の性能を発揮して皆をあっと言わせたそうである。

 有名なこの機種の音を以前から聴いてみたいと思っていたのでずいぶん前からヤフオクでチェックし続けていた。実際に入札に参加したこともあったが、いつも三流オーディオファンの私が納得できる以上の落札価格にまで上昇するのでなかなか手に入れることができないままだった。因みにサンスイのAU-D907Xも聴いてみたい機種リストにずいぶん前から載っているのだが同様の理由で未だ入手できていない。ていうか、AU-D907Xの人気は異常過ぎると私は思っている。

 さて話をTA-F333ESXⅡに戻そう。入手先はやはりヤフオクで、落札価格2,700円で入手した。実は私の早とちりが始まりだった。説明には「モノラルとステレオのモード切替スイッチが不調で...」と書いてあった。説明文を最後まで読まぬまま、「その位の故障なら何とかなる」などと思って入札に参加したのである。どうせまた自分の入札価格を上回る値段を付ける輩が現れて落札には至らないだろうと思っていた。その頃の私は、例のMDプレーヤの修理にかかりっきりでパソコンで入札状況を確認することもなく放ったらかしにしていた。そんなある日、そのまま落札されたことを知らせるオークション・システムからのメールを受け取ることになる。なんでこんなに安く手に入ったのかその時には理解不能だった。

 落札後初めて説明文を最後まで読んだ。そして驚き、落胆し、なーるほどこの価格でも高いかも、と思ったりした。説明文の続きには、「電源が入らず、おまけに電源スイッチが壊れている。電源直結で試したがやはり電源は入らない」とある。「サイドウッドの状態は比較的良い」とかそんなことはどうでも良い。直結でも電源が入らないということは電源トランスが飛んでるに違いない。20年前の製品の電源トランスを入手することはまず不可能と思われ、たとえ入手できたとしても程度の良い中古品のアンプ丸ごと買うよりも値段が高いに決まっている。自分の早とちりで大失敗をしでかしたとこの時は思っていた。

 早とちりとはいえ落札してしまったので送金手続きをして数日後には我が家に届いた。このアンプの重さは20kg程度あり配達員の人もとても重そうにしていた。どうせ修理できないと思っていたのでそのまま梱包も解かずに玄関先に放置していた(なんせ重いので)。

 さて、なんで触ってみようと思い立ったのか思い出せないが、おそらく状態だけでも見ておこうと考えたのだと思う。気が進まないまま梱包を解いて、壊れているという電源スイッチを押してみる。もちろんコンセントに差したりはしません。電源スイッチは押せます、が放すと元の位置に戻ります。ON/OFFのトグルが効かなくなっています(なるほどね確かに壊れてるわ)。一応フューズをチェックします。フューズ切れで交換したら直ったという夢を見ながら...。残念ながらフューズは健在です。

 次はトランスのチェックです。テスタで直流抵抗を計ってみます。断線なら針は動きませんが、なんと針が動いています。断線ではありません。二次側も同様に切れていません。ここで、あれ?と思いました。一次側もしくは二次側の内部短絡ならフューズが飛んでいる筈です。フューズは飛んでないし、断線もしていない。ということはトランスは生きているのか?ということで通電してみることにしました。幸いにもトランスの二次側と電源基板はコネクタで接続してありましたので、これを抜けばトランスだけのチェックができます。通電してみました。例のロックしない電源スイッチを左手で押したまま右手でテスタ棒をお箸のように持って二次側の電圧を測ってみました。二次側の巻き線はどうやら2系統あるようで、それぞれ計ってみるとどちらも約58V(AC)あります。という訳でトランスは壊れていません。他の部分の故障ならもしかしたら直せるかも知れません。俄然やる気が湧いてきました。

 取り敢えず電源スイッチが壊れたままでは不便なので直せるものなら直してみることにしました。スイッチは表面パネルを外さなければ外せません。以前にもソニーのアンプは触ったことがあるので外し方で迷うことはありませんでした。取付ネジとボリュームのツマミだけを外せば取り敢えずパネルは外れます。そうやって取り出した電源スイッチを分解修理することにしました。

 電源スイッチは樹脂製の本体に金属製の蓋を金属側の爪を曲げて固定してありました。金属製の爪を起こしてそーっと内部の構造を見るつもりでしたが、現実は厳しいです。あっという間に中の部品をぶちまけてしまいました。どんな風に組み立ててあったのかサッパリ分かりません。これはもうパズルです。細かい作業になりました。ヘッドルーペを装着したことは言うまでもありません。あーでもない、こーでもないといろいろやっている内に段々と分かってきました。でもってスイッチは直してしまいました。もちろんOFFから押し込んだときには指を放してもONを維持します。完璧な修理です。スイッチを押したままにする手が解放され、これで作業が俄然やりやすくなりました。

 長くなったので続きは今度。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿