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ひとりごと

北京五輪をボイコットした日本人

2008年03月27日 | 差し障りの無いブログ
 埼玉県に辻谷工業という町工場があるそうです。ここで作られる陸上競技に使う砲丸は世界一と言われています。過去3大会のオリンピックで金・銀・銅メダリスト全員が辻谷工業製の砲丸を使っていたそうです。

 陸上の投擲に使われる砲丸は大会側が用意したものを選手が選んで用いるというルールになっているそうです。つまり、my砲丸ではなくて世界中の数社から提供されるものの中から競技の直前に選ぶんだそうですが、最近の一流選手の間では辻谷工業製のものがダントツの人気なのだそうです。なんでも同じ重さなのに飛距離が1~2mも違うそうです(ほんまかいな)。

 辻谷工業の砲丸は社長の辻谷政久さんが手作りしているそうです。実は以前に辻谷さんを取材したテレビ番組を見たことがあります。鉄の塊から規定の重さの球を削り出す訳ですが、もともとこの鉄の塊は材質が均一では無いのだそうです。熔かした鉄を型に入れて冷やして塊を作る過程で、本当に微妙な話ですが重い成分が下の方に、軽い成分が上の方に偏ってしまいます。重力という力が働いている環境で作るとどんなに純度を上げたものでも必ずやそうなるそうです。そういう訳で正確な球に削り出したとしても微妙に重心が中心からずれてしまうそうです。本当に均一の材料を作るには無重力の宇宙空間で作るしか無いそうです。

 辻谷さんが削り出す球は重心のずれが少なく安定しているという定評があります。どうやって実現しているのかと言うと、これは言葉では説明できないのだそうです。旋盤のハンドルに返ってくる振動や抵抗、削るときの音など総ての感覚を使っているそうです。

 そんな辻谷さんの砲丸ですから主要な大会では必ずやオファーがあるわけで、当然と言えば当然のことながら今年行われる予定になっている北京五輪の組織委からも昨年(2007年)11月頃オファーがあったそうです。辻谷さんはこれをあっさりと断わりました。毒ギョウザの問題やチベットの問題が表面化する以前のことです。日本政府からも説得されたそうですが、変節することはなかったようです。その理由は、
『2004年に中国重慶で行われた、サッカー・アジア杯での中国サポーターの試合中の罵声・ブーイングや試合後の暴動、その後の反日デモで在中日本大使館に投石行為が行われたことを挙げて、
「この国には大事なものを送ることはできないと思い、去年(07年)の11月に(オファーを)断りました」』(J-castニュースより引用)だそうです。カッコ良過ぎです。

 更に、
「ギョウザの問題やチベットの問題以前に決めていたんですが、最近のニュースを見ても送らなくてよかったなと思います。やっぱりこの国にオリンピックをやる資格はありませんよ。(砲丸を使用する)選手には申し訳ないと思いますが、職人の心意気がありますから、何でも送って有名になればいいというものではないんです。真心かけた大事なものですから」とのたまわれたそうです。

 もしかしたら正式に北京五輪をボイコットした最初の日本人では無いでしょうか。
因みに今朝私は通勤途上、自動販売機でペットボトル入りのお茶を買いました。無造作にコインを入れてボタンを押そうとした時にそれがコカコーラ社の自動販売機だと気づきました。返却レバーでお金を戻して隣にあった他社の自動販売機のお茶を買いました。コカコーラ社は北京五輪の大口の公式スポンサーです。なんだか小っちぇーよ俺。

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