長電話

~自費出版のススメ~

アナーキーインザUK

2011-08-14 | メディア
英国では、去年の総選挙で若い首相を抱く保守党と自民党の連立によるきっつい緊縮経済政策のせいなのか、ロンドンの「ノーヒューチャー」な若者(ティーン?)が調子に乗って大暴れをしてしまいました。

ロンドンのみならずイングランド中部(スコットランドなど他の3国は平静)にも飛び火したそうですが、イギリスは監視社会、街のあちこちに監視カメラがあり、暴動に参加した連中はそのデータによって、生活保護の打ち切りを打診され失速、概ね4日間で沈静化したそうです。

ノルウェーの乱射男の件もあり、海外メディアはその発端から、レイシズムや移民問題、あるいは格差問題として捉えようとしていますが、破壊や盗難をしている連中の格好や、イデオロギーによるものでないせいか象徴的なものを目標にせず、もっぱらワインやパン、衣服等を狙う若者を見ていると、テンションの上がったお祭りのようにも思えます。

英国政府は、SNSの遮断までをほのめかし(実際はフェイスブックによる連帯ではなく匿名のブラックベリーでしょう)、それを人権問題や民主化をネタに揺さぶられてきた中国共産党メディアが失笑していたり、北アフリカの民主革命の類似を言う評論家がいたりと、予め用意されたような、解説の為の解説が流布されており、どうもよくわかりません。

メディアの報道振りは、秋葉原事件を労働問題にすり替えようとした連中と似たものを感じるし、英国はそもそも階級社会でありそれに慣れているはずだし、今後もこういった事件が続くことは考えにくく、また、2000人近くの逮捕者を出した参加した連中のそれぞれの側面が違いすぎて、事件を総括するにしても対応策は多岐に渡ることになるのでしょうか。

それにしても、イギリスのドラスティックな政策変更には驚きます。日本の若者がおとなしいのも、日本の政策変更が常に緩やかだったからかもしれません。移民政策にしても乱射男に褒められたくらいの鎖国状態だし、英国と違い外食だって安くあげようと思えば、無理なく安くできます。

日本の政策変更の緩やかさは(強い参院を持つ)二院制が原因ですから、風土というほどのものでもないのでしょうけれど、情報の行き届いているはずの国で起きる略奪や放火、あるいは大規模なデモの映像を見て、原因を類推したりしていると、70年の学生運動が終わった後の日本の際立った平和が、いかに特殊なものなのかを感じ入ります。

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