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「資料:中国が沖縄に攻めてこないわけ」No.1680

2016-05-30 22:58:33 | 中日(日中)関係

日本語教師の私の場合、

1年のうち9か月は中国で、残りの3か月を日本で過ごすという時間配分になっています。

中国の地元の露店やスーパーで買い物をした時、

「どこから来たの?」と聞かれ、拙い中国語で

「日本から。大阪からです。」

と答えても、嫌な顔をされたことなど、ただの一度もない私は、

日本に帰ったときに、「中国が攻めてくる!」的煽りに乗る人々がどんどん増えていることに

胸を痛めています。

根拠もないのに……。

逆に中国では「日本がまた攻めてくる!」という声をネットで見たことがあります。

「また、日本が攻めてきたら今度は勝つ!」とも。

そうです、中国は日本に侵略してきたことは一度もありません。

日本が中国を侵略したことは、歴史の事実であり、絶対に忘れてはならないことです。

どうして、日本国内で「中国が攻めてくるから、日本も軍備拡張しなければならない」

という主張が、蔓延っているのか不思議でたまりませんが、

今日、軍事専門誌のライターが書いた、『中国が沖縄に攻めてこないわけ』という文章を読み、

「中国の進出方向ではない」はまあそうかなと思い、

日米同盟の抑止力については、未来志向ではないと感じました。

ただ、今の現状を軍事ライターがどう分析しているのかを知ることも必要かと思い、

メモとして下に記録しておきます。 

下は2月初め、キャンプシュワブのゲート前の楽しい座り込みの様子。

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中国が沖縄に攻めてこないわけ

Japan In-depth 5月27日(金)18時1分配信

 
かねてから不思議な理屈がある。「駐留米軍がいなくなると中国が沖縄を侵略する」がそれだ。

沖縄の反基地感情が強くなると、決まって出てくる言説である。今回の女性遺体遺棄事件でも、安全保障サイドは、「中国は沖縄を狙っている」と言い出し、特に海兵隊を擁護する「米陸上戦力がいなくなると沖縄は軍事力の真空となる、そこに中国が侵攻してくる」といったものだ。

 だが、その根拠となる見積もりや判断が示されたことはない。「なぜ中国が沖縄を侵攻するのか」「中国は対日戦を決意できるか」点の説明はない。結局は、宿命的に「絶対、攻めてくる」といったものでしかない。だが、駐留米軍がいなくなったところで、中国は沖縄に攻めてくるわけではない。その理由は次のとおりである。

■ 中国の進出方向ではない

 まずは中国にとって進出方向ではない点である。このため具体的に侵攻対象となるものではない。

 沖縄は中国が権益を伸ばす方向にはない。現在、中国が政治・経済・軍事力を注いでいるのは南シナ海である。そして将来的な発展方向も一路一帯、つまりは南アジアや中央アジアを指向している。日本や太平洋方面での動きは、漁業と艦隊行動に留まる。

 中国の興味が向かない点で、現実的に沖縄侵略の可能性はない。尖閣諸島やその周辺の海洋資源の取り合いはともかく、沖縄の支配には全く興味をもっていない。しかも手を出せば地域大国の日本や、背後にいる米国との決定的衝突が避けられない状況に陥る。

 「中国はスキを見せれば侵略してくる」も誤りである。そもそも、中国周辺にはスキだらけ、かつ同盟国を持たない国がある。例えばラオスやミャンマーがそれである。だが、両国は侵略された話はない。なぜなら中国であっても大義名分が立たなければ他国と戦争し侵略することはできない。この点、自国領域とするチベットやウイグル、台湾の問題とは異なっている。

■ 中国は沖縄を侵略できない

 そもそも、中国は日本に攻め込んだところで勝機はない。この点でも沖縄侵攻はない。

 まず、戦争のリスクが高すぎる。中国人からすれば、日本は近世以来の恐怖の対象である。明は日本との戦いで疲弊して倒れ、清は日清戦争での敗北により権威を失った、民国は日中戦争により都市と沿岸部のすべてを失った。大正時代一五万の日本陸軍が昭和一五年には200万まで膨らみ、中国主要部のほぼすべてを占領したのである。今ではその背後には日米同盟を結ぶ米国がいる。

 そして戦闘で勝てるかも厳しい。

 日本は単独でも強力であり、有力な海空戦力を保有している。もちろん量的優位は失っているため、中国に対して真正面で戦って勝てるかはわからない。だが、A2AD(Anti─Access/Area Denial、A2AD : 接近阻止・領域拒否)により、中国が東シナ海を利用できなくすれば沖縄への上陸戦はできない。

 さらに、それに米国が加わると絶望的となる。米国が航空戦力の2割でも増援に送り込めば戦闘機戦力は逆転し日米有利となる。そして米海軍により世界中で中国向け海上輸送は止められる。さらに今まで営々として築いてきた南シナ海や南アジアの権益も、米国やその他の国に失われる。全くいいことはない。

■ 列島線突破での障害撤去は、ない

 果たしてこの不利を犯し対日戦を決意し、沖縄に侵攻するだろうか?

 日本では中国脅威論において奇妙な説明がされることがある。「逆さ地図理論」とでも言うべき理屈である。「中国が太平洋にアクセスするには琉球列島線を通過する必要がある。だから障害となる沖縄を狙うのだ」と括られるものだ。

 この理屈には本質的な欠陥がある。本質的な対日米戦となり沖縄侵攻をすれば、それで中国は艦隊戦力を溶かしてしまうというものだ。沖縄が占領できるかどうかは厳しいが、もしそれができたとしても、その時には通すべき中国艦隊はなくなってしまうのである。

 ちなみに、列島線突破云々で米国が参戦しない状況は考える必要はない。それならば中国艦隊に列島線を好きに通してやればよいだけの話であるためだ。そもそも中国には通過の権利がある。それを行使することについては目くじらを立てる必要はない。緊張時でも「中国艦隊が日本の海上輸送を攻撃しないならば、日本は列島線通過を妨害しない」と約束すればよい。

■ 日米同盟と在沖米軍と海兵隊駐留は別

 以上が、中国は沖縄を攻めない理由である。実際に今の日中関係、日米関係ではそれはありえないためだ。

 これは沖縄への米軍駐留で変わるものではない。日本の自衛隊だけでも強力であるし、そもそも日米同盟があれば在沖米軍がいようがいまいが中国は沖縄に手は出せない。

 そして、基地問題を解決する上でのヒントともなる。日米同盟と在沖米軍、海兵隊駐留は三位一体ではないことを示しているためだ。

 つまり、日米同盟の下でも海兵隊だけを撤退させる選択肢もあるということだ。

■ 海兵隊撤退で問題は解決する

 まず現状で海兵隊駐留は日米とも利益はない。まず使いみちもない。東アジア・東南アジア各国の軍事力は一流になりつつある。少数の米海兵隊が上陸侵攻できる国は、まずはフィリピンを除けばない。この点、使いみちはHA/DR (Humanitarian Assistance / Disaster Relief : 人道援助・災害救援)程度である。

 「海兵隊の抑止力」は議論するだけ無駄な話だ。既に述べたように、中国の侵攻は自衛隊の戦力と何より日米同盟により充分抑止されており、不足はない。そこに「海兵隊の抑止力」を足す必要もない。日米同盟という雨漏りしない丈夫な屋根がある。その屋根の下で海兵隊という小さな傘を差す差さないの議論に過ぎない。

 このあたり、残しておく必要がある嘉手納米軍とは違う。日本は対中軍事力のバランスが険しくなっている。その本質が海空戦力での対峙であることからすれば、中国の目鼻の先にある嘉手納に海空戦力を置くことは悪くはない。また米国としても嘉手納は活用したい由である。南シナ海航空作戦行動の拠点や、中国沿岸部での軍事活動を察知する上も役に立つ拠点となるためだ。

 なによりも海兵隊撤退の効果は大きい。それにより基地問題は七割方解消するためだ。最大の問題となる普天間・辺野古問題はその段階で終わる。さらに一番の嫌われものの海兵隊を抜く効果も高い。それにより沖縄県民世論を一気に沈静化し、騒音問題等は残るものの、嘉手納運用も安定化する。これも日米同盟にとっての利益となるものである。

文谷数重(軍事専門誌ライター)

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160527-00010001-jindepth-pol


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