これは2012年、山形大学戸室准教授が発表した絶対的貧困率を表すデータで、
子育て世帯のうち生活保護水準以下の世帯がどれくらいあるかを調べたものです。
この調査によると、1992年に約70万世帯だった子育て中の貧困世帯数は、
2012年調査では約146万世帯に倍増しました。
事態はその後好転したとは聞こえてきません。
政府が立てた対策は、「子供の未来応援基金」という
寄付金を募る(または募集する)ことでしたが、
そのための広報宣伝費が2億円、
集まったお金の総額をネットで検索すると
2016年までのしか出てこなかったのですが、
たったの1949万円でした。
その広報費の2億円を基金に回したほうがよほどよかったのに。
そもそも、政府が財政出動して対策を講じなければならないところを
募金に頼るとは呆れたものです。
一事が万事、このような政策とも言えないことばかりを
国民に押し付けるのは悪政でなかったらなんでしょう。
それにしても沖縄の子どもの貧困率がダントツの37.5%……。
沖縄のいい土地は全部基地に取られて
産業を発展させる足かせになっているためでしょう。
「沖縄は基地のおかげで潤っている」なんて
まだ言っている人はこの数字をどう説明するんですかね。
下の表はOECD諸国の中で
日本だけが、働いても働いても貧困状態に陥っていることを示すものです。
「働けど 働けど なおわが生活楽にならざり ぢっと手を見る」
学校のテスト問題では
〈石川啄木が「ぢっと手を見る」のはなぜですか〉とかよくありますが
自分の手に自分の人生を重ねて見ているのだそうです。
今の私たちの暮らしは、明治時代末の啄木状態と言えそうですが
「ぢっと手を見」てばかりいても生活は好転しません。
1945年以降、国民は国の主役になったはずですから
国の富を国民全体に再分配して
すべての人が餓死したり、栄養失調で病死したリしなくてもいい
生活を保障する政府を作らないといけない、というのが
私の考えです。
でないと、いつか私たちも本当に飢え死にするかも。
日本ももちろん、その一端をになっているのですが、
消費税増税、教育格差などで
貧困のスパイラルはとどまることがありません。
軍事費などにたっぷり税金を注ぎ込む政府
に早く退場願いたいものです。