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白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

西尾維新 『悲衛伝』 感想

2017-08-07 21:29:11 | 西尾維新
いやー、去年の年末に出てたのに、
ようやく読み切ることができた。
いまさらな気もするけど、
一応、スペース、空けときます。























































・・・といっても、読み始めたのは、一週間くらい前なんだけどね。

そろそも、この500ページの西尾維新を読むのは、物理的にキツくなってきた。
それだけの時間を割くのが難しい。

しかも、今回に関して言えば、
えー、マジでそんな幕切れ―!!!
500ページ、読んだ時間を返せよー、ってマジで思ったよ。

だってさ、今回出てきたキャラ、最後の数ページで全滅だよ!

まぁ、西尾維新らしいといえば西尾維新らしいのだけど、さすがに、それはないわー、と思ったよ。

ていうか、今回は、いつにも増して、読みづらかったんだよ、そもそも。

なにしろ、水金地火木土天海冥+月+太陽、という、太陽系の星々が擬人化されて登場するという、わけがわからない設定だったから。

しかも、ブルームとかブループとか思い切り被る愛称を空々くんがつけてしまうものだから。

まぁ、地球陣やら火星陣やらでてくるんだから、他の星が出てきてもおかしくはないとは思っていたけど、それが代わる代わるとはいえ、一気に登場し、しかも最後には全滅だからね。

しかも、最後の太陽までは、星々との会合は、すべて人工衛星「悲衛」の空々くんの部屋で行うという密室ぶりで・・・
それだけで息苦しいでしょ。

その上、空々くんのパートナーをいつもの氷上や鋼矢ではなく天才ズにしてしまうから、そことの距離感も微妙でしんどかったし。

確かに、この過酷な状況では、唯一何があってもどこであってもキャラがぶれない地濃との対話部分が、予定調和のキチガイぶりで、その分リーダビリティが高くてホッとしてしまうという始末。

まるで阿良々木くんにとっての八九寺のような位置づけに地濃がなっていて、正直なところ、八九寺Pに申し訳ないとまで思ってしまったよw
ごめん、地濃となんかと同類のように見てしまって・・・・、って感じでw

ちなみに、あとがきで、第10巻の『悲終伝』は、地濃の番外編になるってあったけど、正直なところ、それはやめてほしいなぁ。

八九寺と違って、地濃には、全然愛着がわかないんだよね。
まぁ、そのあたりが、この空々くんの物語が、さすがにシンドいなぁ、と感じてきた理由ではあるのだけどね。
それに10巻がそういうことなら、第9巻で地球陣との争いは終わる!ってことになるわけだけど、だとすると、前巻の7巻で仕込んだもろもろもネタはどうするの?ってことになるので。

となると、実は、え?9巻で終わり?って思わせておいて、実は終わらず、10巻はいつもどおり空々くんたちが活躍します!って展開にしてくるようにも思えるんだけどね。。。

まぁ、どうなるのか。

それにしても、最近の西尾維新は、お話を畳む能力が著しく落ちてきている気がするのだが、どうなのだろう。

そういえば、阿良々木くんの「物語」も、結局リブートしちゃたしね。

なんかどれもこれも、ドラゴンボール化してきていてちょっと心配。

だんだん、戯言と全体の物語との間のバランスが取れなくなってきてるんだろうなぁ。
それは、ちょっともったいないなぁ、と思ってしまう。

まぁ、どうなるのかなぁ。

ちなみに、物語シリーズは、すっかり積読モードになってしまっていて、未読のものが6冊ほど溜まっている。。。どうするかなぁ、これ、って感じ。

で、肝心の『悲衛伝』だけど、
いやー、マジで、ホント、中身ないよ。
その意味では、空々くんのシリーズでは、一番読むのが苦痛だったし、一番つまらなかった。
もうこういういかにも西尾維新的オチは勘弁!って心底思ったもの。

この徒労感は、半端ないよ、マジで。

なので、感想らしいことを言おうにも、その感想そのものが意味を持たないと思わされてしまう。

せめてこの先の方向感くらい残しておいてくれたらよかったのだけど、それすらないからね。
四国編のときのような、いい意味で、えー、これどうすんのよ?って悪態すら生まれない。

前巻との関わりが何もないのが、これ、クライマックスに向かってるんだよね?という漢字をさせない理由でもあるのだけど。

あと、天才ズ、そこまでもちあげなくてもいいと思うだけどね。

その意味では、悲恋が登場してきた頃が、一番おもしろかったかなぁ。
こいつ、どんなふうに振る舞うんだろう?って疑問が常に湧いていたからね。
あるいは、氷上さんの、イタイ感じとか。

まぁ、一言で言えば、今回の『悲衛伝』は、駄作でしょ。
それも、超がつく駄作。

普通は、これひどい話だったなぁ、と思っていても、こうして感想を書き始めたら、途中でいくばくかの面白さには気づくものなのだけど、今回は、それが全然湧いてこない。
それもこれも、今回登場した新(星)キャラを最後であっさり全滅させてしまったから。
せめて一人くらい残っていればね。
そいつを起点にして、この先どうなるのだろう?とか、今回のお話をそいつ中心に振り返ってみようという気も起きるのだけど。

なにしろ全滅だからね―。
そういう手がかりが一切ない。

ホント、虚しい読書だった。
そんな虚しい読書のために500ページも使うの、マジでやめてほしいわ。
ホント、やめてほしい。。。
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