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白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

響け!ユーフォニアム3 第12話 『さいごのソリスト』 感想8: しかし、なんでここまで黒江真由を隠し玉みたいにしたのかね?

2024-06-28 20:49:47 | 京アニ
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最終回が近づいてきたから、またちょっと考えてしまったのだけど、そもそも、どうして黒江真由を、ここまで隠し玉的に扱ったのだろう?

久美子よりも「実力のある」ユーフォ吹き、というのなら、その実態をもう少し12話の前までにちゃんと表現していくれていたら、まだましだったのだけど。

なんで、いつの間にか、久美子vs真由、の構図に収まってしまったのだろう?

だって、多分、3期のテーマって、

北宇治が全国に行けるか? そこで金が取れるか?

という話と、

主人公の久美子が3年間でどう成長したか?

の2つだったのでしょ?

それは独立して描かれてもよかったはずなのに、どうしてその両者で、黒江真由という隠し玉、というか、爆弾を用意しなくちゃいけなかったのか?

せめて彼女の「実力」を入部当初にでも示してくれたら、オーディション以後の確執もわかったし、それなりに真由の支持者がいるのも理解できたけど。

でも、そもそも、演奏の「実力」ってよくわからないんだよね、視聴者には。

さらにいえば、吹部全体の演奏のいい悪い、という要素が来るとほんとにわからない。

それを、たとえば、葉月みたいな部員たちに選ばれる意味がさらにわからない。

結局、滝が、教師としての、というよりも、指導者としての「説明責任」を、最後の段階で放棄したのが、残酷だった、ってことになるのだけど。

うーん、だから疑問なのは、なぜ、わざわざそんなひねくれた物語構成にしたのかな?ということ。

ひとつには、原作既読者に対して、あれ、これ原作と違う、と気づかせないために、12話のギリギリまで、原作に準じた展開にしたこと。

まぁ、その結果、12話がサプライズになって、多くの視聴者がとにかく「泣いた!」を連呼するような、お涙頂戴のオチにすることができた、ということ。

あとは、それを、それこそ、久美子と麗奈が迎える「青春の蹉跌」みたいな言葉で、上手く視聴者に言わせるための布石。

いや、だからね、とっても、なんだか、人工的な作りが透けて見えてくるんだよ。

それを緻密な構成、ということももちろん可能だし、実際、「泣いた!」しか言わない視聴者が相当数いることも、放映後数日が経ってよくわかったので、ものすごくゲンナリしているのだけど。

でも、オーディションの結果を12話のようにするなら、もっと早い段階で、理想的には、入部の段階で、顧問の先生あたりから、黒江真由という新キャラが、転校前の強豪校で、ユーフォのエースだった・・・くらいの情報を、久美子にちゃんと教えておく、というようなフックを仕掛けておいても良かったと思うのだよね。

そういうのがないまま、ただ、真由の自己申告で、私、本当は実力あるけど、みんなを困らせたくないから実力は隠します、という、なんか陰湿なチート・ムーブと、あとは、夏合宿で、麗奈が、久美子に、もっとちゃんとやらないと真由に抜かれるよ、という忠告くらいしかなかった。

で、正直、久美子は、ユーフォの演奏力を上げることもよりも、部の運営と、自分自身の進路のために、それどころではなかった、ということで。

これじゃ、奏じゃないけど、久美子にとって、アンフェアな状況が続きすぎでしょ?

結局、そういうパーツパーツの準備のされ方が、原作の構成をギリギリまで残しながら、12話でサプライズを起こすための作為にしか見えないんだよね。

冷静に12話まで見直すと、やはり、そういう構成上の「小賢しさ」が目立って、嫌になってきた。

結局、全ては12話でできるだけ多くの人を「泣かせて」、「感動した」と言わせて、神回だ!認定させるための仕掛けにしか見えない。

で、そういう小賢しさは、1期や2期、あるいは劇場版にはなかったじゃん、と思って。

そういうことで、なんか、物語への関心とか、期待とかの糸がプチンと切れた感じ。

まぁ、多分、こういう視聴者は、今の京アニが欲しいお客さんじゃないんだろうな、と思って、余計にどうでも良くなった。

さて、最終回、どうなるのかね?

秀一が、ちゃぶ台ひっくり返して、退部届を出してくれると、かっこいいんだけどな。

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【推しの子】 第153話 『フィクション』 感想: ようやく明かされる、アイはどうしてカミキヒカルを愛し、別れたのか? その真実・・・?

2024-06-28 12:15:23 | 推しの子
カミキヒカルから「神木輝」へ、この表記の変化に意味はあるのかな?

前回から引き続き、アクアに対してビデオ・インタビューを続けるカミキヒカル、ももとい、神木輝の話。

というか、どうやら、ここから神木の告白?回想?シーンが始まるらしい。

となると、やっぱり、カミキヒカルから神木輝へと、彼の名の表記が変わったのも、単純に、これまでのような抽象的な存在から、具体的な血の通った人間?として、彼を扱うフェーズへと移った、ということなのだろうね。

なにしろ、アクアが仕掛けた、神木を告発する映画『15年の嘘』は、よく調べてあるけれど、所詮は「フィクション」でしかない・・・とまずは、アクアに対して「カマして」いるのだから。

そりゃ、何が起きたかは、当事者しか知らない。

だから、彼=神木には、それを告発して、「真実」を語り、アクアのフィクションを塗りつぶす権利はある。

でもさ、

その神木の回想が、絶対的な真実である、つまりフィクションではない、ということは誰がどう証明するの?

その意味で、アイが同じように、15歳のアクアに向けて「告白」したDVDのなかにも、真実が語られているとかいしゃくしてもいいはず。

神木の回想もアイの回想も、当事者として同等の勝ちを持つはずだから。

少なくとも、アイと神木の双方に、真実を語る権利はある。

だとすれば、アクアは、その両方から「真実のかけら」を拾い集めて、真の「真実」と思しきものを提示するだけのこと。

となると、アクアの目論見としては、この神木輝の告白を引き出すところまで含めて、『15年の嘘』の制作過程であると思っているのかもしれない。

まぁ、真実なんて究極的には藪の中かもしれないけれど。

でも、それを前提にしながら紡がれるのが、真実としての「歴史=ヒストリア」、すなわち、ストーリーであり、フィクションである、ってことなのではないかな。

ということで、突然、始まった神木輝の告白をきっかけに、真の真実の探索の旅が始まる、ということなのかね?

とりあえず、神木は、自分がどれだけルッキズム重視の少年売春の対象にされ続け、そこで、あれこれ自分を背負い込みながら、その過程で、アイに救いを求めたのか、熱弁するようだけど。

そのうえで、アイに振られて、その腹いせにアイを最終的に殺した、ってことのようだけど。

でも、きっと、アイの側から見たら、真相は全然ちがう。

アイが別れ話を切り出したのは、きっと神木の子どもがお腹の中にできたことにきづいたから。

そして、その事実を神木に背負わせることが残酷だと思ったから。

なぜなら、神木がアイのもとに逃げ込んできたきっかけが、そもそも姫川大輝の人生を引き受けないとならないと思ったからだったことを、アイは知っていたから。

なので、自分だけが生まれてくるアクアとルビーのことを背負おうと決心したということなのだろうね。

でも、そうやって別れて、アイが出産、子育てを一応していく過程で、端から見ていた神木は、アイの愛情が自分からアクアたち子どもたちに完全にシフトしたとおもったのだろうね。

だから、神木に問題があるとすれば、彼が、愛情をゼロサムでしか考えられないこと。

誰かに愛情を注いだたら、それまで注がれていた人の愛情は消えてしまう。

でもきっと、アイが試みたかったのは、そのような愛情のゼロサムゲームではなく、愛情がどんどん重ねがけされて増大していくことの方だった。

だから、アイは「アイドル」を演じたし、アイドルとしてファンからの愛情をうけとめ、その愛情をファンにも返して、巨大な愛を育むことができた・・・んじゃないかな?

もちろん、詳細は次回以降、語られていくのだろうけどw


しかし、こうなると、どうやら神木輝は人格異常者であることは間違いないけど、しかし、だからといって、芸能の神に通じるような頂上者ではない、ということになりそう。

そうなると、究極のところで、吾郎とせりなを転生させた存在、ないしは理由、はどうなるのだろう?

例のカラスの子どもが、アイの転生した姿、ということが本当だとすると、もう転生そのものの秘密が明かされることはないのかな?

いや、それはそれでお話としてはありえるものだけど。

でも、やっぱり、転生の秘密は知りたいよね、ここまで来たら!

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