BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

狼と羊皮紙 第10巻 感想: このシリーズのダメなところばかりが目立った「月を狩る熊」を騙る詐欺回w

2024-06-22 18:28:17 | 狼と香辛料/羊皮紙
うーん、今回はダメ、正直、つまらなかった。

まぁ、作者が、あとがき書くのに苦労するくらいだから、作者本人も本巻のできが良くないにとは気づいているんだろうけどね。

にしても、ひどかった。

特に序盤で「月を狩る熊」を出してそれで引っ張っておきながら、完全な肩透かしだったのは問答無用にNG。

あと、今回、最後まで読んでも、今回の事件は実はちゃんと解決していないという、ダメな終わり方。

一応、次巻の冒頭で全部丸く収めて終わり、ってことにするのだろうけど、だったら、今回、あと50ページくらい書き足して、本巻で完結させたほうがよかったんじゃないの?

まぁ、裏返すと、今回はそんな半端なところで終わるくらい、プロットがいい加減だったってことなのだけど。

そもそも、コルたちがデュラン選帝侯の依頼で捜索に出たアマレットに行き着くところがご都合主義的すぎて、ちょっとね。

で、今回、何がヒドイか、っていえば、作中でも言い訳をコルの口から何度もしていたけど、とにかくすべてが「人ならざるもの」の超常的な力頼みだったことw

一番ひどいときなんて、コルの他には、狼(=ミューリ)、羊(=イレニア)、鼠(=ヴァダン)、鷲(=シャノン)といった人外しかいないのだもの。

おいおい、ブレーメンの音楽隊かよ?とか思っちゃうくらい。

で、基本、コルは彼らに頼みっぱなしなのだもの。

まぁ、こうなるのは、コルの協力者の人間が、エーブ以外は「人ならざるもの」の存在を明かされていないからなのだけど。

しかしさぁ、これから宗教改革を推進しようとする「薄明の枢機卿」の周りが人外だらけ、ってのはさすがに無理がないか?と思えてくる。


まぁ、それもこれも、コルが基本的に頭脳労働担当だからやむを得ないところがあるのだけど。

にしても、ローレンスだって、こんなに人外頼みじゃなかったろ?


そういう意味では、シリーズ最大のネックは、ミューリがいつまでもコルべったりの女の子をしていて、いつまで経ってもまともに成長する素振りを見せないこと。

いや、これ、結構、マジでヤバイと思うよ。

もともと、兄妹の切り離せない関係にしているから、本気で、無限の信頼関係の下での共依存の関係から抜け出せない。

これ、後ろから追いかけてきている、ホロとローレンスの二人に無理やり一度ミューリを引き取ってもらってでもして、賢狼ホロによるスパルタ教育でもしないと、ダメでしょ?

あるいは、ミューリが自分の判断で、一度、騎士団にでも入隊して、真面目に自らの騎士道を極めようとする孤独な時間をもつとか。

とにかく、コルは妹(=ミューリ)離れを、ミューリは兄(=コル)離れを、一度敢行しないと、どうにも物語が先に進まないという気がしてきた。

割と次巻くらいでそういう英断を下さないと、ほんとにこの物語は腐りそう。

まぁ、それは今『狼と香辛料』のリメイクがやっているからでもあるのだけど。

ホロとローレンスの関係は、当初は、やっぱり「契約関係」から始まっているんだよね。

だから、基本的にドライな関係なのだけど、そのドライな部分にどんどんウェットな部分が付け加わっていく形で、ホロもローレンスも成長し、歩み寄り、良好な関係が築かれていく。

むしろ、上手くいきすぎて、距離を再度、取ろうとするようなことまでする。

そうした「関係性の機微」が、残念ながらコルとミューリのあいだには皆無なんだよね。

なので、端的につまらない。

多分、それはミューリ以上にコルの方で問題で。

ここから先、薄明の枢機卿として活躍していくなら、人ならざるものとも関係ももっとドライなものとして作り上げていかなくちゃいけない。

それこそ、対価ありきの契約関係として。

そうした関係性が、「月を狩る熊」話による「新大陸発見」という、宗教改革と同時代に起きた、もう一つの世界史的大事件をちらつかせることで、ごまかしちゃってるんだよね。

それがどうにもズルい。

特に今回のように、「月を狩る熊」を「星を狩る熊」と読み替え、「流星事件」に変換してアマレットの動機にするとか、ズルすぎる。

おおー、天文学、これは、ガリレオか、ケプラーか、ニュートンか? ・・・てな具合に期待させておいて、あのアマレットの最後の振る舞いはない。

これでアマレットが、実は彼女も「人ならざるもの」で・・・とかいうならまだ愛嬌もあるのだけど、さすがに、ミューリ、イレニア、ヴァダンに囲まれて、彼らが気が付かないっことはないから、あくまでもアマレットはただの人だよね。

だとすると、ほんとに肩透かしなキャラだった。


・・・ということで、とにかく、本巻は、このシリーズのダメなところがことごとく目立った感じで、マジでだらしない一冊だった。

願わくは、次巻で、だいぶリカバーされることを。

とにかく、コルとミューリは、一回離れ離れにして、それぞれの旅に向かわせないとダメ。

でないと、いつまで経っても、おままごとが続くだけの関係に終始してしまう。

まぁ、せめて、ミューリがもっと自発的に大人の女になることを目指してくれればいんのだけど。

いまのままだと、基本、ただのくいしんぼキャラの、愛玩動物枠でしかない。

それじゃ、物語は進まない。

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転生したらスライムだった件 season3 第60話『開催準備』 感想:あ、開国祭までやるんだ!3期で!

2024-06-22 17:48:56 | 転スラ
いきなりOPが変わってびっくりしたのだが、転スラって2クールだったんだね。

なるほど、じゃ、開国祭まで全部やる流れなわけだ。

で、今回は、あれこれニョルマイルくんにリムルが相談する回だったわけだけど。

正直、長すぎで、テンポ悪すぎ。

いやわかるよ、アニメが基本的にコミックに準じているのは。

で、いま、そのコミックはようやく開国祭が終わろうとしているところにあることも。

なので、アニメも開国祭までで、マリアベルとの死闘にまでは至らないのだろうね。

ということは、テスタロッサやウルティマ、カレラの、悪魔三人娘の活躍は4期に持ち越し、ってことか。

それはちょっと残念。

まぁ、転スラ、が面白いのも、開国祭が終わってからVS帝国戦のあたりくらいまでだから、いいんだけど。

VS天使編は、正直、クソつまらないからw

とりあえず、VS帝国戦のさなかで、悪魔三人娘が悪魔王化するところまでやってくれればそれでいいやw

あーでもなぁ、テスタロッサのCVが静御前でなかったのは相当マイナスなので、よほど活躍させないとダメだと思うぞ。

あ、そうそう、どうでもいいけど、EDのシュナのキャラデザは、正直、無い。

なんか、どうも明後日の方向に向かってると思うのはなんでなんだろう?

これじゃない、ばかりが続く転スラ。

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