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白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

絶対ナル孤独者 第4巻 ― 刺撃者 The Stinger ― 感想

2017-08-07 20:46:20 | SAO/AW
3巻から1年3ヶ月ぶりに出た4巻。
しかし、すっかり記憶の片隅から消えていたので、その4巻が出ていたのに気づかなかった。
でもねー、読んでみたら・・・

ということで、とりあえずスペース空けときます。









































いやー、マジで、すっかり忘れていたのだけど、
この4巻、
予想を越えて、面白かった!

というか、この展開なら、もうSAOとかAWとか放っておいていいから、このアイソレータの方を書いてくれないかな――、と思ってしまうくらいの面白さ。

どうやら、作者からすると、3巻まではウェブに書いていたものに手直しをいれたもので、この4巻の内容は、実に8年ぶりwで書いたものらしいのだけど、この面白さの転換は、その8年間分の蓄積の結果なのかもしれない。

思っていた以上に、王道の、しかし斜め上の展開に突進していて、驚き半分、心配半分w

とにかくミノルがきちんと成長しているのがいい。

前の3巻の感想でもちょっと書いたけど、このアイソレータは、結果として、SAOやAWの「悪い」ところを上手く外して書いているよね。

SAOの映画がVRではなくARをテーマにしているように、そもそもVRとか、没入型のサイバースペース・・・というのが、今では周回遅れの設定になりつつある。

これはもうAWの感想で何度も書いてきたことだけど、とにかくリアルの本人とアバターを使い分けるというのが、もはやどうにもうざい。この点で、もはやAWは作品世界の設定そのものが物語進行上のマイナスにしかなっていない。いくら加速世界とか言っても、サイバーワールドでの出来事はやっぱりどこまで行っても偽物。

SAOはその点を当初はデスゲームにしてなんとか誤魔化していたけど、フェアリテイル編以後はアバターとリアルの姿も別物になってしまってAWと同じ轍を踏んでしまっている。

多分、異世界召喚ものから異世界転生ものに「なろう」を中心に主軸が移っているのも、もうサイバーかどうかという設定はどうでもよくて、とりあえず異世界で違う人生を送るってことにして、リアルの初期設定は都合のいいモノ以外は全部チャラにするのでいいや、って感じになっているからでしょ。

そういう意味で、このアイソレータの設定は、リアルワールドを直接異世界に変えてしまっているようなもので、今の時代の好みにむしろあっている。

なので、このままいいところまで一気に突き進んでほしいなぁ。

というのも、この4巻で登場したスティンガーが、あまりにもチートの謎キャラすぎるので、次が気になりすぎるんだよね。

言うまでもなく、どう考えても、《特課》と《組織》以外の第三勢力の存在を示唆しているわけだし、能力的には、それこそ絶対守護能力としてチートだったはずのミノルさえも凌駕してしまっているわけで。これはもう、主人公ミノルに対する好敵手という位置づけでいいんだよね?

というか、ミノルにとっての、因縁の相手、に遠からずなるという理解でいいんだよね?

そういう感じで今回、終わっているのがね。

あと、そんなスティンガーという第三軸の登場によって、いきなリキダイザーたトランサーが、あれ、こいつらもしかしたら宗旨変えして《特課》入りする?・・・みたいな感じにもなってきて。

とにかく、敵・味方の入れ替えとかも起こりそうな雰囲気が出てきていて、単純に面白い。

そういう意味では、ミノルのアイソレータの能力も未知数って感じがするのもいい。
てか、予想を越えて、スウの戦線復帰が早そうで安心したけど、まさかアイソレータの能力で彼女の回復が図られるとは思ってなかったから、二重にびっくり。

あとは、まぁ、ミノルが普通にラノベ主人公らしく、ヒーローしつつはーれむを形成しているところもw

ただ、AWやSAOと違って、ミノルの周りにはオリヴィアみたいにちゃんと男子キャラも複数配置されているところがいいかな。
このあたりは、明らかにSAOやAWの反省を踏まえているよね。
男子が少なすぎると帰って主人公の動きに制約が生じてしまうから。
その点で敵キャラのトランサーもいい感じだし。

で、肝心の物語だが。

とにかく、中盤以降のスティンガーのチートっぷりが全てでしょ。
しかも、その正体をこの4巻で明かさなかった、という蛮勇的構成に、結構脱帽。

いやー、マジで5巻、年末くらいには出してくれないかな。

正直、AWやSAOをしばらくうっちゃっといてもいいから、アイソレータを一気に10巻くらいまでだしてくれないかなー、って感じ。いい塩梅に、敵も味方も、そして第三極も、キャラが配置されてきたので、彼らがどう今後勝手に動き出すのか、気になってしょうがない。

加えて彼らの活躍する場所が、リアルな東京の地理をベースにしていて、それもいいんだよね。AWやSAOでも、都内の地理への言及はあったわけだけど、アイソレータは東京の地理の書き込みがもっと詳細で、なんていうのかな、今っぽいんだよね。

あー、そうか、なんかスマフォでグーグルマップスとか普通に使ってる感じ?
それを、ユミコのバイクで疾走していく感じがまたね、いいのよw
首都高使って、一気に移動するところとか。
まぁ、このあたりは東京を知らない人たちにはいまいち想像できないことかもしれないけれど、とにかく、いかにも都市を舞台にして物語をつくっています、という感じがしてね。

戸山の都営住宅っぽいところが《特課》の隠れ家とか、あの都営住宅の何とも言えない昭和臭を知ってるとリアリティあるんだよね。なんていうか、特撮っぽいというか。

そういう意味では、平成の現代のスマフォ的ARっぽさとと、東京というスプロール都市を舞台にした広大さという昭和っぽさが、上手く同居しているところが面白いんだよね。

そういう意味では、意外と江戸川乱歩っぽいというか。
まぁ、ミノルたちの能力を考えたら、結構、怪奇ものとか伝奇ものっぽいノリだからね。
山田風太郎的というか。

ユミコのダッシュしかできない能力とか、ある意味で笑えるし。
まぁ、スタンドといえばスタンドなわけだけど。

というわけで、早く5巻、でないかな。
いやー、マジでSAOやAWとか後回しでいいからw
SAOって、もはや水戸黄門的定番物件だし、
AWは、とにかく物語の引き伸ばしに心底飽きてきてるんで。

ぜひともアイソレータに作者は注力して欲しい。
いや、マジで面白いよ、これ。
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