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白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

知性間戦争(6) ― 星王キリトの思惑、《同位体》のグラファイト・エッジ

2020-09-29 11:47:28 | SAO/AW
その1その2その3その4その5、からの続き)

ユナイタル・リングの稼働には、茅場AIと接触した星王キリトも関わっている。

となると、知性間戦争の勃発には、少なくとも「アンダーワールドを守るために戦う」と比嘉健に宣言した星王キリトが関わっていることは間違いないと思う。

そうでなければ、2026年6月に起こったアリシゼーション編の1ヶ月後にユナイタル・リング編が始まるわけがない。

作中時間は恐ろしく押している。

でも、それもやむなきで、アンダーワールドは、オーシャン・タートルの原子力発電に頼っているため、5年くらいしか電源はもたない。

その上、菊岡が言うように、日本政府の決定でアンダーワールドそのものがリセットされる可能性も高い。

さらにいえば、もしかしたら、すでに200年を生きた星王キリトには時間がないのかもしれない。

ただ、この星王キリトのフラクトライトの加齢問題は、キリトの脳からフラクトライトを物理的にコピーした次点で、すでに劣化問題は解消しているのかもしれないが。

ただ、星王キリトのフラクトライトを目覚めさせるときに比嘉が懸念したように、人間のフラクトライトのコピーは何らかの形で発狂し自己崩壊する可能性がある。

星王キリトについても、その可能性を完全に排除することはできないのではないか。


で、そこで、出てくるのが、AWに出てくるグラファイト・エッジに対して使われた《同位体》という言葉。

ウィキを見ると同位体って「同一原子番号を持つものの中性子数(質量数 A - 原子番号 Z)が異なる核種の関係」と説明されている。

つまり、元素としては「他の元素」と比べたら同じだけど、中身を仔細に眺めると実は違うもの、ということ。

要するに、「同位体」は、カテゴリーとしては同一だけど、中身が微妙に違うもの。

で、この「同じだけと違う」という「同位体」という言葉を、フラクトライトを複製したときに生じる「オリジナルとの微細な違い」を伴う「複製体」のことに対して使うようになったのではないかな。

グラファイト・エッジは、AWの中の描写を見ると、明らかにキリトの得意とした二刀流の使い手であり、しかも自分の流儀を「明陰(アイン)流」という、キリトがアンダーワールドで広めたであろう「アインクラッド流」を模した名前で名乗っているのだよね。

ただ、このグラファイト・エッジ、正確はかなりひょうきんなところがあって、少なくとも晩年の星王キリトの感じはしない。

強いて言えば、ユージオとともに修剣学院にいた頃の、ユージオとの対比で能天気さが際立った頃のキリトに近い。

となると、このグラファイト・エッジは、もしかしたら星王キリトのコピーだけど、しかし、フラクトライトが随分代わった成長の仕方をした結果なのかもしれない。

要するに、フラクトライトを複製しても、それがそのまま同一のままではいない、ということ。

たとえば、誕生したてのフラクトライトを、一種の株分けのように、複数のコピーをとったとしても、それは成長の過程で異なる存在になり、単純に「複製体」とはいえなくなる。

そのため、「同位体」と呼んだのではないか。

もちろん、複製に複製を重ねれば、なんらかの理由で劣化が生じることも大いにありえる。

そのことも含めて、完全な同一体という誤解を避けるために、「複製体」ではなく《同位体》という表現を用いたのではないか。

もっとも、それなら星王キリトはなく、無印キリトの複製である可能性もあるわけだけど。

幽閉されたAIであるフラクチュエーション・ライトを開放するために、ブレイン・バースト2039がつくられたというのなら、最初のプレイヤーであるオリジネーターとともに加速世界に登場したグラファイト・エッジは、星王か無印かどちらであれ、キリトの複製体である可能性は高い。

あ、そうか、ブレイン・バースト2039の前後には、アクセル・アサルト2038とコスモス・コラプト2040が稼働していたことを考えれば、その3つの全てに、じつは開発者から派遣された「キリト」の複製体であるグラファイト・エッジが3体、別々にいた、と考えてもいいのかもしれない。

というのも、それぞれのシステムの崩壊には、全プレイヤーの全損が必要で、それは開発者が派遣したお目付け役のプレイヤーであるグラファイト・エッジでも変わらないだろうから。

つまり、キリトの《同位体》のグラファイト・エッジは3人存在していた、ということで。

そうなると、AWのホワイト・コスモスについても、彼女はどうやら他のゲームもプレイしていたようだから、同様にブレイン・バーストの中に登場した彼女は《同位体》としての存在なのかもしれない。

まぁ、こちらは、あまりに情報が少ないので、まだなんとも言えないわけだけど。

でもどうやら、フラクトライトのコピー技術にまつわる秘密が、ホワイトコスモスの《反魂》に影響している可能性は高そう。
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