酔生夢死の日録

ド素人が好き勝手に語る妄言です

リスク・ゼロを求める不思議な議論

2012年01月31日 | 原発事故
昨日のテレビ報道で神奈川県の瓦礫処理問題に関する住民説明会の様子を

流していた。

その中で、質問に立った中年の女性がこういう意味のことを言っていた。

 「科学者は数年後に見解を撤回・変更することがある。それに対して

黒岩県知事は責任が取れるのか」


私は少々驚き、呆れもした。

現時点で数年後のことが分る人などいるはずがない。

数年後に科学の知見が変わることがあったにしても、そのことに対して

責任など取れるわけがないではないか。


ところで、今日になって昨日の住民説明会の内容を少し調べてみた。

ある住民がこういうことを言っている。

「水俣病も薬害エイズも、当時分からなかったものを進めた結果、

ああいうことになった。今また、知事がそういうリスクのあることを進めよう

としている」


これに対して黒岩知事は、

「今分っているものに基づいて実行して行くしかない」

と、至極当然の答えを述べている。


私はこのやり取りを知って暗然とさせられた。

どうやら反対派住民の人たちは、リスクが少しでもあることは一切したくない

と考えているように思われる。

(排除できるリスクは極力排除したいという気持ちそのものは、

分らないでもないが・・・)

だから少しでも放射線を含んだ物には極端な拒絶反応を示す。


でも私は思うのだが、世の中にリスク・ゼロのものなど果たして

あるのだろうか。

今はゼロに見えても、それこそ数年後にはどうなっているか分ったものでは

ない。


私には彼らの姿勢が、潔癖症の人が菌類等の“汚れ”を極端に毛嫌いする姿

に重なって見えて仕方がない。