酔生夢死の日録

ド素人が好き勝手に語る妄言です

死者のプライバシーを明かすテレビ

2010年09月28日 | テレビ
東京・池袋のラブホテルで女子大生が殺される事件があった。

テレビでは被害者の名前を出して報じていたが、私は疑問に感じた。

名前を出す必要がどこにあるのだろうか。

犯人が逮捕されていないのなら、情報提供を呼びかける意味もあるとは思うが

既に犯人は逮捕されているのである。


言うまでも無いことだが、彼女がどこで何をしようと全く自由である。

さらに言えば、実名を出せば当然遺族等も周りの好奇の目に晒される

ことになる。

そこまでして名前を出すことに、一体何の意味があるのだろうか。


実はこの死者のプライバシーという問題は、2月にNHKが「孤独死」を取り上げた

番組を放送した時にも感じたことである。


その番組では故人の履歴や、故人に関する関係者の話まで報じていたので、

さすがに私も腹が立って、NHKにメールを送った。


  「必要不可欠の部分のみを故人の尊厳を鑑みて、問題のない範囲内で
   紹介しています。」

  「法律的観点からいうと、個人情報の漏洩にあたらないかという
   意味においては、「個人情報保護法」では、第二条に、
   個人情報について「生存する個人に関する情報」と明記されています。
   こうした故人の情報については、法律上の個人情報に当たらず、    報道機関に提供したとしても問題はないとされています。」

これがNHKから来た返事の一部である。

要するに法律的にも、死者のプライバシーは認められていないとされているから

問題ないと考えているというのである。


私は何も法的に問題かどうかを言っているのではない。

モラルの問題なのだ。

それに「必要不可欠の部分のみを・・・問題のない範囲内で
   
紹介しています。」と言ったって、「問題のない範囲」は一体誰が決めるのか。

もちろん遺族の了解は得ているとは思うが、私には不満が残る。

当然のことだが、本人(故人)は了解のしようがない。

これは先頃施行された臓器移植法の問題でもそうだが、家族の同意を本人の同意と

みなすということには、私は基本的に賛成しかねる。


最後に一言、

私は日本のマスメディアが、「弱い者にはひたすら強く

強い者にはひたすら弱い」という基本姿勢を持っていることが許せない

のである。