率直に言って、時代に逆行している気がする。
特定秘密保護法案のことだ。
内容は
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防衛、外交、スパイ活動の防止、テロ防止の4分野で、漏れれば国の安全保障に支障をきたすおそれがある情報を閣僚らが「特定秘密」に指定。
特定秘密を扱う公務員や警察官、民間業者などがこれを漏らせば、最長懲役10年の罰則が科せられる。
特定秘密の指定期間は最長5年で、5年ごとに延長できる。
30年を超える場合は内閣の承認が必要となる。
漏洩をそそのかした場合は最長懲役5年となるが、知る権利を保障する観点から、出版、報道の取材行為については、法令違反や著しく不当な方法でない限りは正当とする。
安倍政権は、日本周辺の安全保障環境の悪化に対応するため、国家安全保障会議(日本版NSC)の創設をめざす。
そこで米国などと機密情報を交換、共有する考えだが、そのためには法整備をして秘密保全の仕組みを整える必要がある、としている。
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この議論は、そもそもがおかしい。
情報社会となりつつある現代社会において、情報は大きな意味を持つ。
情報を共有することによって、リスクから救われる部分が大きくなっている。
情報を公開することを原則として、やむを得ず秘密にする場合を議論すべきだ。
この法案では、情報を秘密にすることを原則として、やむを得ず情報を公開する場合について議論している。
これは、政治家や官僚に情報を秘密にする権利を与えているに過ぎない。
そもそも彼らを信用できるのか。
これからの世界は、何が起きてもおかしくない状況になるだろう。
そのような場合、等しくかつ迅速に情報を共有することこそが、多くの人を救うことになる。
リスクに対応できない政治家や官僚に、運命を任せてよいのだろうか。
情報の秘匿は、汚職の温床となるのではないのか。
意図的な情報操作か、真実なのかを、どうやって判断せよというのか。
なぜ、このような法案が必要なのか。
おかしなことだらけだ。
防衛上にしても、情報が共有されなければ自滅するだけではないか。
私には、日本の政治家や官僚が、正確に情報を管理できるとは到底思えない。
そのような人がもし存在するのなら、ぜひ教えてほしい。
この国の政党も政治家も、おかしいのではないのか。
悲しいほどの絶望感を感じている。