小さな旅、大きな旅の写真物語(Virtual trips/travels)

京都や東京を本拠地として、自然の中や町を歩きながら、撮った写真をどんどん掲載します。いっしょに歩いているように。

早春のロンドン ~ミラーレス、リコーGXRマウントA12は本当に使えるか?~ その9

2012-04-21 20:08:33 | 旅行
早春のロンドン ~ミラーレス、リコーGXRマウントA12は本当に使えるか?~ その9

4月21日

ロンドンの旅レポートは終了です。

副タイトル~ミラーレス、リコーGXRマウントA12は本当に使えるか?~に関して、やっと書くことにしましょう。
1)比較するための実験を行った結果ではなく、通常に旅行で使用しての現場での感想です。
2)これはあくまで、高いとはお世辞にも言えない当方の写真技術レベルでの実態です。この旅のレポート写真は全てJPEGからの修正で、RAWからの修正は行っていません。

結論は
1、リコーGXRは画質的にペンタックスK5に追いつかなかった。
この条件下で、どちらの絵を選択するかというと、ペンタックスK5の絵とリコーGXRの絵はランクが違います。同じツアイス・デスタゴン18mm F3.5を使って比較した結果です。


ペンタックスK5, ツアイス・デスタゴン18mm, F3.5 ZK


リコーGXR+マウントA12+Kマウント用アダプター+ツアイス・デスタゴン18mm, F3.5 ZK

単に画素数が、K5が1628万画素、GXRが1230万画素であるが、その違いがすべての原因とは思えません。画像処理のノウハウにペンタックスが一日の長があると思います。リコーの画質調整でスタンダードですとおとなしすぎ、ビビッドですと下品になります。オールドレンズの性格をもろに出す、あるいは強調して出すにはいいとおもいますが、長続きする趣味ではないでしょう。ペンタックスはフィルムからデジタルに移行する際に必死にフィルムの画質をデジタルで再現することにエネルギーをそそいだとおもいます。こまかい画質の調整システムはデジタルから写真を始めた当方の利用能力をはるかに超えています。画質というのは、数値の問題でなく、最終的には何を<良し>とするかという人間の感覚の問題と思っています。その点ペンタックスは一つの一貫した主張をもっています(いや、もっていました)。ペンタックスファンはその<良し>とする感覚のファンなのです(だったのです)。リコーの場合は数値が画質をきめており、まだその感覚の領域に達していません。
2、カメラとしての写す側のニーズにそったメカニズムに関しては、リコーGXRが優れている部分がずいぶんとあります。
  この部分はペンタックスがどちらかというとないがしろにしてきた部分です。逆にリコーはとても一生懸命考えています。ツアイス・デスタゴン18mmはとても焦点を合わせるのがむずかしく、リコーGXRのフォーカスアシストを使うために、GXRに付けることが多かったのです。それでもフォーカスアシストで十分かというと不十分です。結局撮って見てから、画像を拡大してチェックし、だめなら取り直すことになります。無限大ならほとんど問題ないので、K5でツアイスの写真は無限大の写真ばかりです。GXRはライブビューで画像拡大できますから多少ましなのですが、K5ではライブビューで画像拡大できません。こんなところにもペンタックスのないがしろにする部分が現れます。ペンタックスの場合は別売りの拡大鏡を使えといっているのでしょう。そうしないとツアイス18mmは焦点をあわせるのは無理です。近距離では多くの場合、距離を目測で合わせています。リコーのマイセッティングの登録と呼び出しシステム、各パラメーターのダイレクト変更ボタンが3種用意してある点など、使いこなすのは大変ですが、それが出来ればとても便利にできています。
3、リコーのミラーレス、レンズ交換でなくてカメラユニット交換システムのメリット
この2点はGXRにあって、K5にないのですから、議論してもしょうがないのですが、あえていえば、何度も書いているように、ミラーレスによる軽量化、ライブビューシステム、レンズ選択の自由度の3点は動かしがたいメリットでカメラの主流はミラーレスになるでしょう。レンズ交換でなくてカメラユニット交換システムのメリットは現在、交換するGXRの他のユニットをも持っていないのでコメントできません。これ以上GXRカメラユニットを買い足すかは手放しでそちらの方向と考えているとはいえず、現在考慮中です。

4、つぎに旅に出る時、GXRをもってゆくか?
現状ではGXRがペンタックス2台体制をくずすだけのメリットはありませんでした。今後もペンタックス2台体制でゆくでしょう。しかし、まだGXRにフォクトレンダー35mmをつけた軽い装備で街中を撮るという可能性はあります。


リコーGXR+マウントA12+フォクトレンダーカラースコパー35mm F2.5 PII

小さいカメラは目立たずに撮れるというメリットと、オールドレンズをつけていると、いかにもカメラ通みたいに見えて、被写体になる方が反感を持たない傾向にある(と勝手に思っている)、この2点です。
ではGXRマウントA12はスナップカメラかというと、AFが使えないし、コンデジの性能が上がっている現状では、GXRの優位性はほとんどありません。GXRマウントA12の最後に残った優位性はオールドレンズが使えるということだけになります。もともとそのためのユニットだということで、問題ないのですが。オールドレンズを買い足してまで、使おうとすると単なるひねくれ者になります。
では、GXRを売りとばすかというと、現在そこまで考えていません。その理由は1)まだまだなにかGXRから起きそうな気がする期待感 2)これまで触ったことのない色々なレンズをためして、遊べる 3)撮影を主たる目的としていない気楽な旅の友。

5、今後GXRとK5はどうなるのだ?
ペンタックスの画像処理ノウハウをGXRに移入すること、GXRの操作性をK5に取り込むことは簡単です。すぐに実行して、両者の性能をアップしてください。とくにGXRは格段に存在価値が向上します。
問題はミラーレスにどう対応するかです。最近よんだ経済ジャーナルに今後のカメラ業界で伸びる分野はミラーレスであるといっていました。しかし、その論調は、いつもの経済ジャーナリストの論調で、カメラの将来のことを全く分かっていない、これまでのデータの延長線で論じる、つまらんものです。つまりミラーレスとはソニーのミラーレスのことであり、それが一眼レフの市場とコンデジの市場を食うであろうという予測です。反対意見として、写真家がミラーレスは一時的流行にすぎないという意見をのせていました。ソニーさんがミラーレスで成功すると、みんなソニーのミラーレスがミラーレスカメラだといいだすのです。日本人のこの右に倣えの悪い癖が海外との競争にじわじわ負けてゆく原因です。ミラーレスというのは、コンピューターの生み出した新しい世界ですから、これまでのカメラの全ての分野に影響を与え、それまでの問題点を解決するために、どのクラスでも取り入れてゆくべき技術です。ペンタックスの方が、645Dにもフルサイズにもミラーレスを導入することを検討していますというのは正しい方向です。
  ペンタックスがリコーと合併して、どうなるか。ペンタックスは、カメラをより良くするために努力しているこれまでの技術集団と、いやそれではもうからない、なんとか時流にのらねばといって、ヒット商品を狙う集団に2分裂しているようにみえます。力は二つに分散し、前者の集団は売り上げが少ないだけに劣勢です。当方も経営者のはしくれですから、当方なりに考えます。ペンタックスがニコン、キャノンと真正面からその先端技術を競わずに、なんとか売り上げだけ上げようとしたら、そこでペンタックスの存在価値は終わりです。現状の2分する勢力はそれでいい、そのまま突き進んで、2方向でとんでもない商品をつくります。645Dの高解像度とローパスフィルターレスは完全にニコンを脅かし、645D打倒のためにD800をつくったし、一眼レフのカラバリは明らかに、カメラ業界に新しい風をいれました。しかし、開発力はどうていキャノン、ニコンにかなわない、リコーが他部門でも儲けてもそれをカメラに投入するだけの余裕はない。勝負はすでに決まっています。どれだけこの二方向でインパクトを与えて、ソニーに高く売り込むかしか道はありません。台湾の会社に売り込んでもいいのですが、なんとか国産の会社に売ることだけは死守したい。
  秋までに、645Dをさらに改良して、ニコンを震え上がらせることと、ミラーレスフルサイズを出して、やはりニコンを震え上がらせることが出なければ、ペンタックスは前者の方向、即ちカメラとしての先端技術でまともにニコン、キャノンと張り合おうという意欲がなくなったと判断して、ニコンのD800かD800Eに転向します。やれやれ、またレンズあつめを一からやり直さなければなりません。それでも、ペンタックスにはlimitedシリーズで単焦点の意味を教えてくれたことに感謝します。
  ペンタックスやリコーにとってキャノンは対象として考える必要はありません。海外のキャノン評価として、動画を作るためのマシーンという意味でプロに絶賛されているのです。スチール写真と動画は全く違うジャンルの仕事であり、アートですから、無視しましょう。動画のために高度なAFが必要ですが、スチール写真にはAFは一つのファクターにすぎません。すべてのファクターに秀でることは悪いことではないですが、素人さんが、AFがすぐれているからキャノンの買うというのは、なんともおかしな話です。動画をとりたいとか、スポーツ写真、鉄道写真、鳥の写真を撮りたいというならキャノンを買うしかないでしょうが、風景写真やマクロ写真が目的なのにAFにこだわる必要はないでしょう。カメラが勝手に焦点を合わせる場所を決めるなどということをカメラ評価基準のトップにすることなぞ断固許されません。キャノンをつかう大部分の人は、ヒトがカメラを使っているのではなく、ヒトがカメラに使われていると思います。例えば、高速連写ができるからそういう写真を撮ろうという具合です。機械にたよって面白い写真を作ろうとしています。プロですら、カメラに引きずられているように思います。海外のプロがこれまでのムービーカメラのかわりの動画用にキャノンをつかうといっているのはその通りでまったく正しい判断だと思います。

  ペンタックスK5はとりあえずの完成品と思います。この旅のブログの最後は全てペンタックスK5とペンタックス15mm limitedの組み合わせです。コベントガーデン、マーケットの人ごみの中では、広角とAFで撮りまくるしかないのです。高感度撮影も必須です。撮影にはリズムが必要とおもっています。AFはリズムを作ってくれますし、手持ち撮影もリズムを作ってくれます。ファインダーもリズムを作るのに必要です。ペンタックスK5はとりあえずの要件をすべて満足してくれました。おそらく、リコーGXRのズームやA12レンズではK5と同等の撮影は出来ないでしょう。この手の撮影は勿論キャノンでもかまわないのです。
 ニコンはカメラとスマホをワイアレスでつなぐシステムを発売しました。これが当方のいっていたカメラとタブレットをつなぐ第一歩です。ニコンは真剣です。ペンタックスは現状ではまったくいいところがありません。

6、最後にもう一度、ペンタックスが秋までにミラーレス、フルサイズでニコンをふるえあがらせるか、645Dでまたニコンの鼻を明かすかしなければ、当方はニコンに鞍替えです。ペンタックスは高度な技術を追いながら写真を楽しんで撮れる世界を創り上げることができれば、生き残るチャンスは0ではありません。楽しむとは、カメラが何でもしてくれるということではありません、それはソニーやパナソニックにまかせましょう。自分で手作りする楽しみです。もっと自由に創作することです。

訂正します(2012-4-27)
K5あるいはK7のライブビューでマニュアルフォーカスにしてINFOを押してゆくと10倍まで画像が拡大できることをヨドバシカメラで教えていただきました。ただし液晶画面での話です。ペンタックスさんをできないと言って非難したことをお詫びします

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