小さな旅、大きな旅の写真物語(Virtual trips/travels)

京都や東京を本拠地として、自然の中や町を歩きながら、撮った写真をどんどん掲載します。いっしょに歩いているように。

Newアート考察3 伝統工芸に<革新>はあるか? 必要か? その3 越前焼

2020-03-30 17:46:06 | 旅行
Newアート考察3 伝統工芸に<革新>はあるか? 必要か? その3 越前焼

越前焼は日本六古窯の一つ、平安末期から続く。日用雑器を一貫して作成。越前の土の特色を生かした、素朴で頑丈なつくりで、自然釉を代表とする素朴な風合いが中心。温かみのある土と灰釉の味わいを秘めた民芸的な美しさを持つ。
一方、九谷焼は江戸時代前期から始まって一時中断後復活した、比較的新しい陶磁器です。
ご存知のように多色の絵が描かれる上絵付けが特徴で、まさに絵画的な色使いは越前焼と対局的です。越前(武生)と金沢は特急列車で1時間程度の距離です。対局の焼き物にはそれぞれにどのような新しい動きがあるのだろうか?  その3越前焼とその4九谷焼,2回に分けてアップします。

2月5日
武生からの越前陶芸村へのバスはかつて越前海岸や越前水仙ランドに行った時に使ったバスです。今日も雪がちらついていますが、その時は2月末なのに、こんなものではありません、一面のものすごい雪でした。その時のとんでもない苦労と一方越前海岸の魅力が過去のブログにつづられています。



越前陶芸村バス停で降りて、テクテク陶芸村入り口に着きました。バスは2時間おきですから、2時間以内に陶芸村探索をきりあげないと、さらに2時間時間をつぶさねばなりません。4時になってしまいます。とにかく越前のバスの旅は苦難の連続なのです。

越前陶芸村で訪ねようと思っていた陶芸窯は一向に見つかりません。雪や雨さらに風が吹き、やってられません。なんとか開いていそうな文化交流館に逃げこみました。聞いてみると目的の陶芸窯はいずれも無くなっているとのこと。参考にした陶芸の旅の本は古くて役に立たなかったのです。




ここのカフェは自分で越前焼のコーヒーカップを選んで珈琲を飲むことが出来ます。当方はそれどころではありません。もう時間がありません。文化交流館の方の勧めに従って越前焼工業協同組合越前焼の館と福井県陶芸館を訪れることにしました。

越前焼の館では越前焼がいっぱい販売されていました。




沢山の作家の紹介と作品がありました。そこで時間に追われながら以下の作品を買いました。4000円ちょとだったかな。残念ながら写真を撮り忘れて、この作品の作家さんの名前がわかりません。同じ作家さんのいくつかの作品が一つのコーナーとして展示されていました。お店の方は、このデリケートな陶器を無造作に包装紙でつつもうとするから、そりゃ無理でしょう、せめて箱にいれてくださいとたのんだくらいで、作家さんの情報をかいた紙なぞいれてくれませんでした。
この方の作品は茶器ですが、当方はぐい飲みとして買いました。驚くべきことはこの陶器の薄さ、軽さです。磁器ではありません、陶器でこれほど薄く作った商品を見たことがありません。当方にはとうてい作ることが出来ません。越前焼はみるところ、土の自然の色や風合いをいかした、いってみればとてもスタンダードな焼き物です。越前焼は特徴が無くてつまらないなという初印象を覆して、この器は越前焼が恐るべき実力を持った焼き物であるという印象を与えました。ネットで調べたところ、薄造り陶器は越前焼の特殊技術で、薄さ1mm以下の陶器です。<ひらら>という名前で、茶器/酒器としてブランディングしているようです。

後でのべますが、焼き物はヒトの自然にたいする憧憬を実用とマッチングさせた、すでに完成された芸術であると思うのです。越前焼はこの心髄を包含しています。焼き物はこれでいいのではないでしょうか。完璧です!



あまり薄いのでおっかなびっくり使っていますが、お酒の飲み心地がいいのでこの器についつい手が出ます。
みつけましたよ、東京では伝統工芸青山スクエアで売っていて、ネット販売もしています。<税別3800円、茶のうつわ 湯呑 ゆきいろ、寸法:直径7cm×高さ8cm、生産者: かさつじけんじ>と記載がありました。だまされたと思ってご購入下さい。使うと驚愕しますよ。<ひらら>はもっと小ぶりの器もあります。

さらに調べると、情報が出てきました。


司辻健司さん

この薄造りを作るに3年を要したそうです。ステンドグラスにも興味を持ち、以下の様なカラフルな物にも挑戦しているようです。ガラスの色に興味ある陶芸家がいることは、陶器とガラスのドッキングを目指す当方にはうれしいことです。




司辻健司さん日本現代工芸美術展の審査員も務めている大家でした。いやいや深堀しゆくとぞろぞろ魅力的な方が出てくるものだ。


福井県陶芸館では著名な作家さん作品の展示場と焼き物の売店が同居しています。ここでは越前焼としてはちょっと変わった作品を載せます。新しい陶芸の流れを探る旅ですから、変わったものを載せますが、越前焼の心髄は<変わらない物>にある、焼き物の当然の帰着にあると思うのです。









草月陶房











急ぎ足の越前陶芸村でした。みぞれ交じりの強風の中で、2時間に一本のバスが見えてきた時は、バスが地獄で仏の様に見えたのです。

武生から金沢まではそう遠くないのですが、裏日本は特急の鉄則に従って、特急を使ったので、金沢に到着してもまだ十分活動の時間がありました。








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コロナ対策 2020-3-30

2020-03-30 10:47:28 | 写真日記
コロナ対策 2020-3-29に誤りがあったので訂正いたします。

訂正 2020-3-30

<隔離者と新しく発見した感染者の比率が1を超えると感染は拡大>という表現は誤りでした。現状では発見陽性者は全て隔離するので、この比は常に1で。感染拡大の指標にはなりません。

先の専門家委員会の報告で、<現状は一人の患者が一人に感染させる状態を何とかキープしている>この表現の根拠を聞き漏らしたので、上のように想像したのですが、間違いでした。
おそらく、以下が根拠と思いますが、当方にははっきりわかりません。
①無症状、軽症、重症、死亡の比率が変わらずに一定であること
②PCR測定する患者の選択基準を一定にすること
の2条件を仮定した場合に、一定期間の患者数増加率が1の場合に<現状は一人の患者が一人にうつす状態を何とかキープしている>という表現が出来ると推定します。
この一定期間が一日なのか一週間なのかはわかりません。




1、その内、一人の患者がxxx人に感染させているから危険であるというアナウスが出てくるでしょう。
2、問題は上図の三角形の傾き、各症状の比率に関して、PCR検査した患者に関してはわかりますが、検査していない感染者に関してはわからないので、隔離されていない感染者の数がわかりません。仮に感染者数の半分が無症状とすると、まだ東京にうろうろしている隔離されていない感染者は数百人に過ぎないということになります。しかし、この数字は2週間前の状態を表しますから、今の時点では、二週間前の数百人が数万人に増加している恐怖があります。これが<得体が知れない恐ろしさ>という表現に表れてきます。
3、PCR測定する患者の選択基準が問題で、実態を知るためにコントロール無しに検査すると、爆発的に患者数が増えて、パニックになり医療崩壊します。選択基準を絞りすぎると、重症化して亡くなる方が増加します。

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コロナ対策2020-3-29

2020-03-29 14:18:48 | 日記
コロナ対策2020-3-29

こちとら、高齢者だから、肺炎は苦しくていやだ。そこでコロナのニュースばかり見るからイライラする。

当方は一応、生命科学研究者のプロである(といって、感染症パンデミックのプロではないし、この件に関して一生懸命勉強したわけでないことを正直に言っておく)。
コロナ対策についての様々な報道を聞くと、当方の見解とずれていることが多く、イライラして、本来のブログが書けない。ここで見解を述べておく。これでスッキリするといいのだが。試しにこれを読んでいただいたところ、その方はちっともズレていない。なにも新しい見解でないとおっしゃった。それなら、それでいいのだが、なんでイライラするのかな?

以下現時点での新型コロナ肺炎対策についての見解を述べる。事態は刻々変化するので、あくまで現時点2020-3-29 11:30の見解である。



初めに認識すべきこと
1、人口の大半が感染して、大半に免疫が成立するまでコロナは終わらない。
いずれはあなたも、わたしも感染すると認識することが重要である。
2、コロナ感染の継続を止めることが出来るのはワクチンの実用化だけである。これは人工的に大半に免疫を与えることである。
3、人口の大半が感染するということは、高齢者、基礎疾患を持つ者が多数死ぬということ。
4、医療崩壊すればこの死亡率は100倍増加する。
5、コロナ対策とは医療崩壊を避けるために行う。感染者の総数を減らす為ではない、
  ピークを横に伸ばすことである。先に延ばして、ワクチンが出来れば、結果的に感染者
総数は減ることになる。
6、若者も高齢者もイーブンに感染するが、①感染した者の重症度が違う、若者は軽症という圧倒的に若者有利な疾患であること、②軽症、無症状でありながら感染能力を持つ感染者が少なからず存在する。この2点が重要な特徴である。全ての問題はこの2つの特徴に起因する。感染した高齢者は外出しなくなるか死ぬか、するが、感染した若者は外出して感染を拡大する。このすり抜けが人口の大半が感染しないと終息しないという理由である。若者ばかり悪者にするなという意見があるが、このコロナを圧倒的に高齢者有利である(若者だけが重症化する)と逆に仮定したら、どう思うか想像してみてください。

これを前提に4つの対策のメリット・デメリットを考えてみよう。
1、野放し型
結果的にイタリア、スペインのケース
手を打てない間に患者が急増して医療崩壊した。結局、野放しにコロナは拡大した。
よって人口の大半が感染して、免疫を獲得してコロナは終息する。その間に多くの高齢者が死亡する。このケースの最大のメリットは終息する日をはっきりと予測できることにある。高齢者と基礎疾患を持つ者の多くが消滅するが、これを良しとするか、悪しとするか。

2、クラスター、モグラ叩き方式
日本独特の方法。感染者が少ない時のみ有効な手段。クラスターを見つけてその周囲を検査して感染者を隔離する。必ずすり抜け者が存在するから、モグラ叩きは延々と続く。隔離者とモグラたたきで発見した新たな感染者が1:1であるなら医療崩壊せずに延々と続いて、結局は人口の大半が感染して終息する。すり抜け者が多ければ、この比率は増大し、オーバーシュート/ロックダウンへ向かう。モグラ叩きと断続的自主規制を繰り返して、ワクチンの登場をひたすら待つ。
メリットは、感染検査と医療体制を最小にして、後追いで少ずつ増加させるので、医療施設を最低に抑えることが出来る。その代わり、死ななくてもいい方が何人か死ぬことが生じる。また、だらだら続くから、経済弱者は何人か死ぬ。最大の欠点は、先が見えない、終わりが見えないことにある。

3、ロックダウン方式
中国、イギリス、フランス、アメリカ多くの国が実施。最もシンプル、効果的方法である。閉鎖の法的強制力と経済ダメージに対する高度な補償が必須である。ロックダウンを1か月継続すれば、コロナは終息する。封鎖が完全でなければ、ロックダウンを再開する必要が出て来て、断続的ロックダウンという事態になる可能性が残される。
メリットはシンプルかつ効果的。終わりが見えることである。

4、検査しまくり方式
ドイツ、韓国の方式。徹底的に検査をしまくって、感染者を見つけ出し、隔離する。隔離は重症度に分けていくつかの隔離方法をとることにより医療崩壊を抑える。検査体制と医療体制の充実が必須である(これが大事で、これが不完全だとかえって医療崩壊を招くという意見があるが、それはその通りで、前提が違えば当然結果は異なる)。PCR検査はすり抜け者(偽陰性者)が少なくないので、感染は広がるが、それでも検査しまくれば次第に、隔離者と新規発見感染者の比率は低下してゆく。オーバーシュートと医療崩壊なしに、人口の大半が感染し、免疫を獲得して終息する。もっとうまい検査方法(抗体検査、実用化は日本でも直近に可能となる)ができればもっと早く終息する。最も合理的方法。
メリットは検査体制、医療体制が完備されていれば、必ず終息が見えること。検査体制と医療体制に費用はかかるが、ロックダウンがないために結局経済損失は抑えられる。検査方法の開発のほうが、ワクチン開発より圧倒的に可能性が高く、早い為に、急激に感染者数を減らすことが高い確率で予測できる。

以上の方策は、書いてある前提が重要である。必須の前提がくずれれば、方策は成立しない。どこの国も必須の前提を確保するために必死の努力をしている。各国でその前提条件が異なる為に、どの方式が絶対有利ということはいえない。ただ、現状の前提は変えられるという方向をとるか、現状の前提は前提だから変えられないとするかによって意見が交錯するのである。どうやらここにイライラの原因があるようだ。

註:これらの見解に大きな影響を与える要因は
①ワクチンの実用化(コロナ終息)
②抗体検査法の実用化(感染者早期発見IgMタイプと免疫保持者発見IgGタイプでは影響が異なる。現状の詳細がハッキリしないので、いまのところ詳しく述べられない)
③ウイルス変異(仕切り直しとなるもっとも恐ろしい事)
④治療薬の実用化(死亡率の低下が大きければ、対策の戦略は変化する)

訂正 2020-3-30

<隔離者と新しく発見した感染者の比率が1を超えると感染は拡大>という表現は誤りでした。現状では発見陽性者は全て隔離するので、この比は常に1で。感染拡大の指標にはなりません。

先の専門家委員会の報告で、<現状は一人の患者が一人に感染させる状態を何とかキープしている>この表現の根拠を聞き漏らしたので、上のように想像したのですが、間違いでした。
おそらく、以下が根拠と思いますが、当方にははっきりわかりません。
①無症状、軽症、重症、死亡の比率が変わらずに一定であること
②PCR測定する患者の選択基準を一定にすること
の2条件を仮定した場合に、一定期間の患者数増加率が1の場合に<現状は一人の患者が一人にうつす状態を何とかキープしている>という表現が出来ると推定します。
この一定期間が一日なのか一週間なのかはわかりません。




1、その内、一人の患者がxxx人に感染させているから危険であるというアナウスが出てくるでしょう。
2、問題は上図の三角形の傾き、各症状の比率に関して、PCR検査した患者に関してはわかりますが、検査していない感染者に関してはわからないので、隔離されていない感染者の数がわかりません。仮に感染者数の半分が無症状とすると、まだ東京にうろうろしている隔離されていない感染者は数百人に過ぎないということになります。しかし、この数字は2週間前の状態を表しますから、今の時点では、二週間前の数百人が数万人に増加している恐怖があります。これが<得体が知れない恐ろしさ>という表現に表れてきます。
3、PCR測定する患者の選択基準が問題で、実態を知るためにコントロール無しに検査すると、爆発的に患者数が増えて、パニックになり医療崩壊します。選択基準を絞りすぎると、重症化して亡くなる方が増加します。

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Newアート考察3 伝統工芸に<革新>はあるか? 必要か? その2 京都国立現代美術館

2020-03-23 21:51:29 | 旅行
Newアート考察3 伝統工芸に<革新>はあるか? 必要か? その2 京都国立現代美術館

新コロナウイルスへの恐怖から市内バスに乗らずに、地下鉄で東山駅までゆき、白川沿いを歩いて京都国立現代美術館に向かいます。当方は今から14年前から7年間、1週間交代で東京と京都を行き来していました。ここで京大とのコラボレーションによるバイオベンチャーを運営していたのです。この東山駅と三条駅の中間のワンルームマンションで7年間過ごしました。



白川沿いの風景は少しも変わっていない。北東に向かえば岡崎疎水、平安神宮、南西にむかえば祇園、知恩院への散歩道として、しょっちゅう歩いていた道です。


京都国立現代美術館

イタリア3大現代陶芸家の一人ニノ・カルーソ展が開かれていました。これまで彼を知っていたわけでなく、京都が懐かしくて、この旅に無理やり京都を入れたという感もありますが、とにかく陶芸における既存概念を壊す手がかりが得られるかもしれないと期待したのです。

彼の後期のアプローチは以下のような建築物あるいは建築の一部の様相を持つ陶器作品です。









重要なのはかれの考え出した手法です。発泡スチロールを電動糸鋸で切り、造形ブロックを作り、それを組み合わせて形を作るのです。金属彫刻家は粘土造形から金属に変換するのですが、彼はいとも簡単に発泡スチロールから焼き物へ変換したのです。彼の作りたいものが先にあるのか、この手法が先にあるのか分かりませんが、この手法は直線を多く含むブロックを設計し、それらを組み合わせて造形物を作ってゆくのです。積み木細工のように、いくつかの基本ブロックを様々に組み合わせることにより、様々な造形物を生み出す。彼が生まれ育った環境にある、過去の遺産としての石の建築物のイメージ、記憶が根底にあると彼は言っています。
これは全く予期しなかったことですが、当方の現在のブロック陶器の集合による大型作品形成の方向と一致するのです。当方のブロック陶器の先生はフィンランドのルート・ブリュックですが、ここにも似た考えで活動する陶芸家がいたのです。
さらに当方はいつの間にか、分離したパーツの再構成で陶芸を作る方向に向かっています。ルート・ブリュック、 オシップ・ザッキン、そしてこのニノ・カルーソ、さらに岡崎乾二郎、いずれも見方によれば、これまでの各品作成行程をいったんバラバラにすることにより、既存概念や既得技術の呪縛をいったんキャンセルし、それを再構成する過程で何か新しい方向が生まれることを期待するのです。

ニノ・カルーソの発泡スチロールを使う、自由な発想は見習うべきですが、当方の色立体の先生であるニキ・ド・サンファルも発泡スチロールやペンキを使った色立体で彫刻界をぶっ飛ばしたことはすでに当方をぶっとばしていました。


引用文献1


引用文献1


引用文献1


引用文献1


引用文献1


引用文献1


引用文献1


引用文献1 ニノ・カルーソの陶器らしい比較的初期の作品

京都国立現代美術館の常設展に現代陶器がおいてあり、色々注目すべき作品がありました。以下のポンペイ・ピアネッツオーラやカルロ・ザウリはニノ・カルーソと共にイタリア3大現代陶芸家と書いてあったような気がします。


撮影した写真ではポンペイ・ピアネッツオーラの作と見えるのですが、カルロ・ザウリの本をみるとこれはザウリの作に違いありません。ポンペイ・ピアネッツオーラの作品情報は全く見当たらず、彼は良くわかりません。


カルロ・ザウリ 陶彫


カルロ・ザウリ 水平のふるえ


カルロ・ザウリの初期作品 壺

京都でイタリア3大現代陶芸家のカルロ・ザウリに会えたことは収穫でした。東京に帰ってから早速、この京都でかつて開かれたカルロ・ザウリ展覧会の図録をヤフオクで購入。
少し載せます。


引用文献2 カルロ・ザウリ 鉢

カルロ・ザウリの初期はロクロ・ワークで、いわゆる陶芸作品を作っていました。


引用文献2 カルロ・ザウリ 幾何学の起源

たまにはこのような作品もありました。これは当方の現在作っている作品とかなり類似しています。


引用文献2 カルロ・ザウリ 大きい球体

だんだん不定形の彫刻的作品を作るようになりました。しかしあくまでロクロ・ワークをベースとして、これを崩してゆくという手法を取っていたと書いてあります。


引用文献2


引用文献2 カルロ・ザウリ 翠のある形態

このあたりになるとロクロ・ワークを崩しているのか、直接このような形を作っているのか、当方には分かりません。


引用文献2 カルロ・ザウリ ゆがめられた塊(レリーフ)

時折このような色立体も作りますが、無地が圧倒的に多くなります。


引用文献2 カルロ・ザウリ 形態のうねり

おそらくこのあたりが彼の絶頂期なのでしょう。


引用文献2 カルロ・ザウリ 皿

晩年は明かにロクロ・ワークをベースとした作品にきれいな色付けをしています。

ニノ・カルーソが早い時期にロクロ・ワークから離れたのに対して、カルロ・ザウリは生涯ロクロ・ワークから離れようとしなかったようです。
当方は陶芸にとってロクロ・ワークは完璧なテクニックであることを痛感しています。ロクロ・ワークは最初、技術習得に時間がかかりますが、一旦習得してしまえば、陶芸というジャンルではもっとも労力の割には効果のある方法なのです。これ以外の方法を使うことは入り口が簡単でも、その後は大変なのです。しかし、反面、このロクロ・ワーク技術の魔力に閉じ込められてしまいます。陶芸はもっともっと色々な可能性があのはずなのですが。

もう一つ疑問がわいてきます。どうして、こんなにアートに優れたイタリア人が、陶芸から彫刻に近づくと色が消えてしまうのでしょう?ニノ・カルーソもカルロ・ザウリも同様です。

その答えも最近わかってきました。苦労してすばらしい形を作り、それに彩色して、それ以上の作品に持って行くことは極めて難しいのです。それまでの苦労をぶち壊しにしてしまう可能性が大なのです。形が美しければ美しいほどぶち壊す可能性が上がってきます。ようするに難しいだけなのです。美しい形に美しい彩色を行うことを誰も止めていません。難しいから作家が逃げているだけなのです。
ロクロで美しい形を作って、釉薬をぶっかけているだけで、作品は完璧なのです。立体に彩色しようと思うと、絵柄の発想から作成のテクニックまでゼロからの出発で、大変なエネルギーを要するのです。しかし、誰もそれを止めているわけではない。みなさん、それがペイしないからやらないだけです。 当方は色立体において、絵柄の発想から作成のテクニックまで、どれくらいエネルギーをつかっていることか!

再び、京都国立現代美術館の常設展に戻ります。


ロメオ・ロッソ 彫刻


今井祝雄 作品2 白のセレモニー


松谷武判 作品65-E

この作家さんの作品は、なにか当方の向かおうとしている方向と同調しており、とても興味を持ちました。絵画と立体、形と彩色が融合しているからです。
といって、この作品の作成方法はよくわかりません。この方はビニル系接着剤を使うのが特徴のようです。神奈川県立近代美術館2010年に行われた彼の展覧会には以下の様な紹介文がありました。
<1960年、松谷武判(まつたに・たけさだ)は戦後間もなく開発されたビニル系接着剤を使い、物質そのものが形作る有機的なフォルムを取り入れたレリーフ状の作品を発表しデビューしました。画面の上に膨らんだり垂れたりしている官能的な形と質感は、新しい絵画の可能性を示すものとして高く評価され、画家吉原治良が率いた前衛グループ「グタイ」(具体美術協会:1954年兵庫県芦屋で結成)のメンバーとして制作を始めます。29歳でフランス政府給費留学生として渡仏、その後パリのアトリエを拠点に、一貫して 黒と白の世界を描き、活発な発表を続けてきました。黒鉛の鈍く深い光に覆われたモノクロームの作品世界は、私たちの「生」そのものに訴え、緊張感や存在感を感じさせずにはおきません。>
彼も最後には白黒の世界となったようです。

松谷武判はもっと追求しなければなりません。しかし、とても情報がとぼしい。
当方はこのような陶板を陶器、ガラス、上絵具でやろうとしているのです。ビニル瀬着剤をつかえば、とっても楽になりそうです。当方はまさにこれからビニル系接着剤を使うために、グルー・ガン(棒状の樹脂を加熱して放出するピストル型の道具)を買ったところです。





グエッリーノ・トラモンティ 壺


平井 智 広場から‘90


ウペルト・ザノーニ 壺


ゴッフレード・ダエゴ 壺


実は、このあたりで、このブログの最初に設定した問題提起の<解>は見えてしまったような気がしているのです。それは最後に書きましょう。


京都国立現代美術館を出でて、平安神宮の参道に当たる道を通って東山駅に向かいます。
この道には陶器や色々な工芸品の店が点在する。ギャルリー百音はいつも覗いていたお店。ただ割高感がある店なので買ったことはありません。もう夕暮ですが、ここの空気は何か慣れ親しんだ空気で、これからまた旅に出る気がしない。このままここでいつものように暮らしたいという気持ちがわいてきて、ここを去りがたい。

この感情を振り払って、京都から湖西線で裏日本の福井の手前、武生(タケフ)にむかいます。

京都に住んでいた時は裏日本に行くには普通快速を常用していたのですが、JRの駅員に聞くと、この時間帯で湖西線普通ではとんでもなく時間がかかると言われて、急遽、湖西線の特急に滑り込みました。この時から裏日本の旅は特急が必須であるという大きな頭の切り替えを余儀なくされたのです。

武生に着いたのは夜遅く、駅前で唯一開いていた魚民で<海老と明太子のアヒージョ>に魅かれて、日本酒とラーメンとアヒージョという不思議な組み合わせで夕飯としました。



引用文献1 記憶と空間の造形 イタリア現代陶芸の巨匠 ニーノ・カルーソ 
引用文献2 <カタログ>カルロ・ザウリ展 イタリア現代陶芸の巨匠 2007年10月2日―11月11日京都国立近代美術館








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桜2020 速報、3-20(金、祝日)の新宿御苑

2020-03-21 15:13:57 | 写真日記
桜2020 速報、3-20(金、祝日)の新宿御苑



新宿御苑2020-3-30 (金、祝日) 11:30~14:30
この日、この場所がお花見の最もいいタイミングと判断して、新宿御苑に行く。

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1、出来るだけ早く入園し、一回りしてさっさと帰るべし
2、大木戸門より入るべし
3、桜園地を目指して①、②、③、④と進むべし
4、お弁当は中の売店でも売っているが、混むと無くなるから、外で買うのがベター
5、食堂<ユリノキ>はクローズだがその前に色々食べ物が売っている。
6、お酒はもともと禁止、混んでくると入り口で手荷物お酒チェックを始めるかもしれない。こうなると長蛇の列が形成される。大木戸門がベター。金曜はチェックは無かった。園内はパトロールが頻繁に行われている。少人数の座り込んでの花見はOK。お弁当を食べるときこの時はベンチにすわれたが、混んでくるとベンチを確保するのはたいへんになる。
7、この日は出だし、大木戸門側①、②、③、④は空いていた、午後に入ると全体に、また新宿門側はいつもそうとう混雑。推薦しない。土曜はさらに混むだろう。3-21は入園中止の可能性がある。この混雑では当然。おそらく中止だろうな。
8、我々はマップに記した番号順位に歩いた。総計10000歩。前半はFujifilm GFX50S+ GF45mm(実質、約35mm)、後半はFujifilm GFX50S+ GF23mm(実質、約18mm)で撮影。

以下、Fujifilm GFX50S+ GF45mm(実質、約35mm)








風景式庭園





③ しだれ桜


③ しだれ桜








④ 大島桜

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④ 大島桜

以下、Fujifilm GFX50S+ GF23mm(実質、約18mm)





④ 大島桜


④ 大島桜


③ しだれ桜へ戻る





③ ウエディング撮影が盛ん。(トリミング)





⑥ 早咲き桜、陽光

早咲き桜、カンザクラ類は殆ど散っている。陽光はかなり散り始め。


⑦ 日本庭園



茶屋、翔天亭の内部はクローズだが、外側に茶席が設けられている。我々はここだけで売っている抹茶ソフトとサクラ団子を食す。





⑧ コブシの花


⑨ ハナニラ


⑨ 早咲き桜、陽光

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