小さな旅、大きな旅の写真物語(Virtual trips/travels)

京都や東京を本拠地として、自然の中や町を歩きながら、撮った写真をどんどん掲載します。いっしょに歩いているように。

2022年度冬  白金写真クラブ 写真展  

2022-12-31 22:27:26 | 写真日記
2022年度冬  白金写真クラブ 写真展  

白金写真クラブ写真展は2023-1-21より2023-3-8が開催時期となりました。例年秋に開催されており、タイミングを合わせて出展する為には一年前に撮影しておく必要があります。このように予期しない開催期間になると正直困るのですが、他のメンバーは困っている様子の無いようなので、何とかしなくてはなりません。

虫鳥の図鑑写真は出展しないと言って、風景だけで勝負するのは大変。組み写真で何とかしようと思ったのですが、クラブのメンバーが増えたのと、展示スペースが縮小された為に、3連の組み写真が出展できなくなりました。ことごとく、行く手を阻まれて、いい加減やる気をなくしたのと、11月の強大ストレス問題発生が重なって、今回の展示会はパスか脱会かと思ったのですが、一時休戦となり、少しは心の余裕が出来て、以下の写真を展示会に出すことにしました。

その1
題名:晩秋
場所:森の小道から武蔵野植物園
撮影日:2022-12-15,16


次点候補


全紙パネル(64.8x54.5)横置きに2枚の縦置きA3写真を包含させる予定です。
出展は全紙パネル1枚のみ

その2
入れ替え
題名:真冬

撮影日:2022-1-6
場所:路傍植物園、



次点候補


その3
題名:早春
場所:武蔵野植物園
撮影日:2022-2-23, 2021-2-20


次点候補


入れ替え日時



今年は大きな変化の年でした。この変化がいいか悪いかは来年に持ち越しです、あと3年は周りを見ながらあれやこれや四苦八苦して、その後は周りなぞ気にせずに自分の好きなように。
それでは良いお年をお迎えください。
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New アート考察9 <金沢、富山の陶芸・ガラス工芸を追う> その2 能登島・国際ガラス展2022

2022-12-28 20:44:45 | 旅行
New アート考察9 <金沢、富山の陶芸・ガラス工芸を追う> その2 能登島・国際ガラス展2022

<金沢、富山の陶芸・ガラス工芸を追う>その2が一つも進みません。その理由はこの日の能登島・国際ガラス展2022の内容が、当方にとって異常に魅力的でなかったからどうしても筆が進まないでいるのです。

前回初めてこの展覧会に参加したのは2019年、大きなインパクトを受けて、その後の当方の陶芸活動に大きな影響を与えました。この展覧会は最初金沢で開催されて、次に能登島ガラス美術館に移動します。3年に一回開催ということで、国際ガラス展2022は久しぶりです。今回もタイミング的にまたもや能登島に出かけることになりました。
能登島ガラス美術館は、七尾線の七尾またはその先の加賀屋で有名な和倉温泉からバスで島に渡ります。今回も前回も七尾からバスで、金沢から鈍行で行くと全行程2時間ちょっとかかります。能登島の旅は苦になりません。能登半島の海が見られるからです。


能登島ガラス美術館





能登島ガラス美術館は内部も外の庭もそれなりに楽しめる場所です。和倉温泉に遊びに来たついでにこの美術館を訪ねるという方々が来館者の多くを占めるかもしれません(我々みたいに東京からこの美術館だけを目当てに来る人は珍しいかも)。




能登の海が見えます。



後ろに見える道の駅が開いているか閉まっているかで楽しみは雲泥の違い。ここの海鮮丼は美味しいらしい。我々は海鮮は金沢の最後の夜にとっておくので、ここでは食さず。



道の駅の裏にはガラス工房があります。当方が以前お世話になった自由が丘のガラス工房の先生、由水氏のお父さんが開いた工房だそうです。


ガラスショップが併設されています。

なかなか本題の国際ガラス展にはいりませんね。 さて頑張りましょう。

大賞、金賞、銀賞その他いくつかの入選作品を2022年と2019年を並列して載せてみます。この2つの展覧会が当方にとってあまりに印象がちがうのであえてそうします。 (以下参考文献から引用ですから小さい写真にしています、すみません)。


2019年大賞、胎動‘1-3 津守秀憲 セラミックとガラスの混合材料を使った混合焼成・キルンワーク(引用文献1)

ガラスに陶土を混ぜて作った作品。これは当方に大きなショックを与えました。津守さんは今年も入選しています。こういう新しい勇気のあるアプローチこそ大賞に値すると思います。


2022 大賞 切々、憧憬 田中里姫(引用文献2)

若手の作家さんで、先日訪れたギャラリーのガラスにも詳しい女性店主が東京で見たといって誉めていました。当方の感想はいいと思うのですが、見た目からだけいえば苦労してあえてガラスで作る必然性がありますかね?その辺のプラスチックを集合すれば簡単に同じ見た目に出来るのではないかと思ってしまう。


2019年金賞、散華 田上恵美子・拓 (引用文献1)

この写真では良さが分からないので田上恵美子さんの他の作品をネット情報で載せます。この方の美的センスはうれしい。拓さんは息子さん。


田上恵美子


2022年金賞 癒しの間 Jiang, Guimei (China) (引用文献2)
悪くはないが、当方にとって特にインパクトがあるわけではない。


2022年金賞 泉185469 磯谷晴弘(引用文献2)
理屈から出来上がった感じ、 よくできましたという感じ。


2019年銀賞、Natural Verse 塚田美登里 フュージング、サギング、コールドワーク
(引用文献1)

これは当方のやりたい方向。塚田さんの教室に弟子入りしようと思ったほど(遠いから無理)。


2019年銀賞、色がある壁、張慶南 (引用文献1)

これは意外性のある作品。大きめのガラスブロックをパートドベール風に窯で癒合させる時に境界に部分的に色づけするとこうなるのだろう。透明なバックにはっきりしたパターン、アイデアが面白い。


2022年銀賞 Waiting for the Rain Stoilova Desislova (France)
(引用文献2)
何が面白いのかわかりません。


2022年銀賞 明日にR2011 張 慶南(引用文献2)

よくあるフォルム物で陳腐と思うのですが。


2022年銀賞 植物の記憶/忘れじの庭 佐々木類
(引用文献2)

ガラスに実際の植物を閉じ込めたのかな?新しい流れとは思いますが、なんとなく
よくあるレジン作品のガラス版みたいだ。


2019年入選 Blue Fish, Klein Vladimir
(引用文献1)
チェコスロバキア生まれ


2019年入選 Sakura Leaf, Masitova Ivana
(引用文献1)
チェコスロバキア生まれ

当方が最も気に入ったアプローチ。完全透明なガラスブロックを削りによりアクセントをつけて行く。自分でもこの方向で、ガラスと陶器のクロスオーバー作品が作りたいと思っています。


2022年入選 箱舟 宮下真巳(引用文献2)

この手のアプローチはチェコのVladimirやIvanaの日本版と見えます。作品としては立派なものだが、コンセプトとしてはこれまでの流れに乗ったもので斬新とは思わない。



2019年入選 The Rising Sun, Borkovics Peter
(引用文献1)
この作品の作り方には感服しました。海外礼賛ではないですが、こういうぶっ飛んだ斬新さが日本人にもあるといいのですが。


2022年審査員特別賞 Windows to the World Borkovics, Peter (Hungary)(引用文献2)

作り方がよくわからないですが、方向としては面白いと思います。この作品には一票いれます。


2022年奨励賞 息を織る April 2021 小曽川瑠那(引用文献2)

写真とガラスのクロスオーバー作品。日付順にレーヤーされた記録写真が組み込まれているそうだ。当方はこういう能書きの多い方向は好きでない。


2022年奨励賞 Vestige 藤掛幸智(引用文献2)

このような、細密なガラス集合体による不定形なホルムを売りとする作品がなんと7点も入選しています。 一つ一つのいい悪いというよりは同じようなコンセプト作品がこれほど多いとはいったいどうしたのだろうか?


2022年奨励賞 Vestige 藤掛幸智(引用文献2)


2022年入選 R-VX II 大木春菜(引用文献2)


2022年審査員特別賞 Interface 12 佐藤静恵
(引用文献2)


2022年入選 Transition-442 武岡健輔(引用文献2)


2022年入選 Drop 朴 Park Youngho (Republic Korea)
(引用文献2


2022年入選 Metamorphosis Shilling Cathryn (United Kingdom)
(引用文献2)


2022年奨励賞 変貌 西野瑠華(引用文献2)

同様に極限まで細密なガラス細工が入選しています。


2022年入選 Tender Flower 岡崎彩香(引用文献2)

これなんて、ただの超絶技巧作品と思ってしまう。


2022年審査員特別賞 ゆりかご 木下結衣(引用文献2)

今回で、数少ない変わったアプローチの作品。 この入選作品は当方の海物カテゴリーですから見逃せません。サンゴのミミック。この方向なら、この方向でいいのですが、海物の専門家としていわせてもらえば、ただのゴタマゼでもう少し何とかならないのか?

以上、今回の国際ガラス展は異常です。3年後も同じような傾向なら、訪れる必要は無いと思っています。この異常の原因は、コロナ禍で選考を選考委員が一同に介さずに精密写真で
ネット上で行われたこと、ロシア・プーチンの異常行動の影響で、海外からの応募に障害があったかもしれないこと。作家さんがコロナで家にとじこもったから、心のダイナミズム、心の生命力が消滅し、頭で作品を作った為の3点が考えられます。選考委員はネット選考でもうまくいったと自画自賛していますが、当方の感覚からではアートの壊滅的崩壊と思われます。一言でいえば<心が無い>。選考会の為に、選考に勝つために作られた作品に結果が集中した。家内いわく、<技巧を競う展示会だ>。 写真では心は伝わらない、技巧ばかりが全面に出る。写真ですむならわざわざ展示会に足を運ぶ必要はないことになります。

この展覧会に多摩美客員教授 武田厚氏が<美しいガラスあるいは美しくないガラス>という寄稿をしていますが、どちらでもいいから<心>が必要だと思うのです(当方個人の本心としては工芸とは美しくなければ面白くもなんともないと思っています。) 当方は作品を作るときにはいつも<作品は見た目だ、見た目だ、見た目さえよければいい>と唱えながら作っています。ごたごたした理屈や能書きはどうでもいい、見た目が魅力的でなければ意味ないと呪文をとなえているのです。


国際ガラス展金沢2019はちょうどコロナ禍が始まったタイミング、それから世界中の創作活動は大変だっただろうと思います。やっと開いた国際ガラス展金沢2022をただ非難するのは申し訳ないとは思います。しかし、ダイナミックだったガラス工芸が、陶芸みたいに硬直してしまったら困るのです。

現代アートは絵画、彫刻、写真いずれも美しいというより、いかにコレクターの注意を引くかが目的になっています。京都国際写真展のブログでグレイン・ペリーの<みんなの現代アート>という本をご紹介した時にこれを議論しました。工芸は特にガラス工芸は、素材の持つ美しさに感動することから始まったと思うのです。武田厚氏の寄稿<美しいガラスあるいは美しくないガラス>でガラス工芸が近年美しくないガラスへ変貌することが書かれています。ガラス工芸が現代アートに飲み込まれているのです。最後の砦と思っていたガラス工芸が美しくないアートになってゆくのは悲しい。
人は人、当方は<作品は見た目だ、見た目だ、見た目が魅力的でなければ意味ない>と言いながら作品を作ります。

気分を変えるために、常設展示のピカソとシャガールが手がけたガラス作品を載せておきます。


魚―かご エディオ・コンスタチーニ(パブロ・ピカソのデザインに基づいて) (引用文献3)


新郎新婦―アンフォラ エディオ・コンスタチーニ(マルク・シャガールのデザインに基づいて) (引用文献3)

引用文献1:The international Exhibition of Glass KANAZAWA 2019
引用文献2:The international Exhibition of Glass KANAZAWA 2022
引用文献3:石川県能登島ガラス美術館 Postcard


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自然教育園日記 その251  Fujifilm GFX100S vs. GFX50SII <結論>

2022-12-19 21:38:21 | 写真日記
自然教育園日記 その251  Fujifilm GFX100S vs. GFX50SII <結論>

今年は3つの大きな変化がありました。この歳で大きな変化は一概にウエルカムとは言えない怖さがあります。この変化はまだ決着したわけでなく、多くの課題を抱えたまま年を越します。
三番目だけ言いますと、現在当家のガレージの車を向かいのマンションの駐車場を借りてそこに移し、空いたガレージのスペースを陶芸のスタジオに作り替えています。
長年の念願であった陶芸スタジオが今年中にオープンします。真冬に吹きさらしのガレージで仕事が出来るかわかりませんが、とにかく遅れに遅れている来年の公募展用の作品を作らねばなりません。なーんだと言わないでください。考えに考えぬいたとても大きな決断なのです。毎月よけいな駐車場代金を払うということは陶芸を単なる趣味の位置からこの歳てなんとか作家としてやって行こうという決断を意味するのです。

さて、紅葉撮影は12月16日を最後に終了しました。次回からハイスピード撮影fujifilm X-H2Sに移ります。ということで、ここでFujifilm GFX100S vs. GFX50SIIはとりあえずの決着をしておきます。

今のところGFX100S と GFX50SIIの画質が違う方向を向いているという証拠は得られていません。しかし、同じ面積の受光面に1億画素と5000万画素がひしめいている。どちらがいいか悪いか画像処理では埋まらない違いがあるはずです。

撮っている時(ファインダーを覗いる時)、GFX50SIIよりGFX100Sが明らかに楽しい。この後の後処理では大画面モニターで見ている時はGFX50SII よりFujifilm GFX100Sが圧倒的に魅力的です。GFX50SIIよりGFX100Sが画像処理での絵作り可能性がずっと広い。画質は同じ方向を向いているのですから、買うならGFX100Sです。

しかし、このようにブログに貼ってみると、GFX50SII とFujifilm GFX100Sいずれが魅力的かわからなくなる。これまでも低画素数のほうが高画素数より魅力的に見える逆転現象を経験しています。何故か答えは分かりません。きっと画面が小さいと繊細緻密が線の細さと受け止められる時があるのでしょう。

絵画でも細密な筆致とラフな筆致とどちらが魅力的かと言われると、答えはありません。繊細さは魅力ではありますが、グイというラフなタッチが魅力的なこともあります。 

GFX50SIIの方が魅力的な場面があるはずです。これを見つけ出すのはこれからの課題です。

これでFujifilm GFX100S vs. GFX50SIIは一応の決着とします。

コンディションは2022-12-15がイロハモミジのベストでした。この日はGFX50SIIで撮影。2022-12-12は早すぎ、2022-12-16は遅すぎですがGFX100Sで撮影。このような紅葉の最盛期では一日で状況が大きく変化します。

レンズは1枚を除いてZeiss/Sony Sonnar 135mm F1.8オンリーです。このレンズはなんとも素晴らしい、遠景でもピントとボケが連続的に大きく変化します。MFですから気に入ったところでシャッターを押す。これはMFだから出来るのです。AFだったらこのような細かい変化を追うことはきっとしないでしょう。第一、連続的変化は追えないはずです。

同じような場面がぞろぞろ続いてすみません。なんせ一周15分くらいのところを毎回一周して撮影しているわけで、同じような写真にならざるをえません。ですから両者を比較できるとも言えます。

とにかく出来るだけ写真を載せます。ザバっと見て、GFX100S とGFX50SIIの違いを感じとってください。

今回の紅葉の撮り方は、紅葉の魅力を伝えるという考えを捨てて、MFで焦点をずらしながら、ただただ、紅葉は忘れて<色と形が魅力的>と思った瞬間にシャッターを切るという方針でやり切りました。

2022-12-12
Fujifilm GFX100S+Zeiss/Sony Sonnar 135mm F1.8


















2022-12-16
GFX100S+ Zeiss/Sony Sonnar 135mm F1.8





























2022-12-15
Fujifilm GFX50SII + Zeiss/Sony Sonnar 135mm F1.8











これだけ、レンズがGF20-35mm






これ面白いでしょ。遠くの輝く紅葉の小さなポイントをトリミング拡大したものです。









ではハイスピード撮影に移ります。


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New アート考察9 <金沢、富山の陶芸・ガラス工芸を追う> その1 金沢茶寮・金沢塗

2022-12-15 21:20:38 | 写真日記
New アート考察9 <金沢、富山の陶芸・ガラス工芸を追う> その1 金沢茶寮・金沢塗

以前(2020-2-4~2-7) 金沢・富山で陶芸とガラス工芸を追いかけています。このブログで <Newアート考察3 <伝統工芸に<革新>はあるか? 必要か?>で9回にわたって連載しています。 どうぞ、こちらもお読みください。

2022-11-15から金沢に2泊の旅で、再び金沢・富山で陶芸とガラス工芸を追いかけました。
ポイントは
1, 金沢で新開発、金沢塗を追う
2, 能登島ガラス美術館で国際ガラス展を追う
3, 金沢の九谷焼を追う
4, 富山のガラス美術館でフィンランド・グラスアート展を追う
5, 富山ガラス工房で今生まれつつあるグラスアートを追う

能登島ガラス美術館と富山ガラス美術館は前回訪れており、2回目のチャレンジです。

今回は全国支援割引キャンペーンを使った旅、第二弾です。旅行社で頼んだ新幹線とホテル代込のスケルトンツアーを割引し、さらにクーポン券が付きました。ハイアットホテルという金沢駅前のちょっと高級ホテルに二人で2泊してトータル7万数千円(32000円の援助)、プラス12000円のクーポン券。十分キャンペーンの恩恵を享受しました。

2022-11-15、今日は金沢塗
事のきっかけは旅サラダで金沢茶寮というところで、陶芸と漆芸を融合させた作品を作る体験ができるという紹介がありました。当方は即、この体験を申し込んだのです。陶芸の釉薬や九谷焼の上絵具はどうしても絵画に使う絵具のような筆致(ヒッチ)が出ない(高温で焼き付けるために釉薬は溶けて融合してしまう)。塗り重ねることも難しい。これを解決してくれる手法があるなら、ぜひその秘密を探りたいと思ったのです。



以下宣伝文句をそのまま書きます。<金沢の街並みを一望する卯辰山に、22年3月にオープンした金沢茶寮。その日、自分の手で色彩を施した器で、お茶が楽しめる新感覚の体験型アート×カフェです。
金沢茶寮は、古民家をリノベーションし、2階からは金沢の市街地を見渡すことができます。卯辰山に体験型アートカフェ オリジナルブレンド煎茶を自作の器でいただくことが出来る。
東京でデザイン会社を経営する井澤佑介さんと、金沢の陶芸作家吉岡正義さんが、2年前に仕事を通して出会い意気投合したことをきっかけに共同オーナーとして出店。旅行などでアート体験をしても作品が届くのは数週間後、というタイムラグを旅の課題と考え、陶芸と漆芸を融合させた作品を作り、すぐに使って楽しめる2時間のプログラムを考案した。九谷焼の湯飲みやおちょこに重ね塗りを施し、磨き、削ることで、表情豊かな作品に仕上げることができる。塗料はあえて伝統工芸にはないポップな色味で17色をそろえた。追加料金でパール系など光沢のある塗料も選ぶことができる。> 




この宣伝文句をみると魅力的でしょう。

以下その実態をかきます。


卯辰山の中腹にある金沢茶寮


確かに古民家風のリノベ―ションです。


確かに2階からは金沢の市街地を見渡すことができます。


確かにぬる塗料はポップな色味で17色から3色選べます。パール系など光沢のある塗料も選ぶことができます。








3色を一色づつ塗ってはドライヤーで乾かし、3色を重ね塗りし、最後に紙やすりで、下層を随意に浮き出させることが出来ます。このあたりは漆塗りの手法なのでしょう。家内は順当な重ね塗り、当方はいつものオリジナル蝶の絵柄を描いて、重ね塗りと融合しました。


確かに、オリジナルブレンド煎茶を自作の器でいただくことが出来きます。


確かに、お茶もお菓子(チョコレート風和菓子)も十分においしい。



当方はこの金沢塗の秘密を聞き出そうと試みます。この塗料は買えますか?という質問にスタッフはあっさりと秘密を教えてくれました。この塗料は市販のアクリル絵の具です。どこでも買えます。アクリル絵の具の重層の上に最後にトップコートというコーティングを行うことで、優しい使い方なら、十分実用に耐える器になるのです。

あっけない結末でした。以前から、海外の陶芸家は平気で絵画に常用されている普通のアクリル絵の具を陶芸に使うとは聞いていました(当然これは加熱できませんし、食器にはつかえません)。さらに、海外からの輸入もので、100数十度で加熱して絵具をフィックスする特殊なアクリル絵の具があり、当方もすでに使っています。

この金沢塗を非難するつもりは全くありません。体験した人が楽しんで、出来た作品でまた楽しめるなら、それでいいと思います。 当方ももっとアクリル絵の具の利用を考えようと
思っています。陶芸に使える特殊な漆が開発されたと思い込んでいたので、拍子抜けしたということです。

その後、陶器、ガラス、金属に漆を塗った工芸品が、全国あちこちで作られ、商品化されていることがわかりました。しかし、いずれも漆をそのまま塗るのであって、加熱フィックスはありません。漆はそれくらい丈夫なコーティング能力を持つということです。


今回の金沢塗の調査で、油絵の筆致を出せる上絵具はまだ開発されていないことに、半分ホットしているのです。先を越されなかった。
アクリル絵の具を陶芸に使ってもいいのですが、当方の陶絵画にアクリル絵の具を使ったら、普通の絵画と陶絵画の区別が無くなってしまいます。結果が良ければいいじゃないかという考え方もあります。しかし、当方は油絵の筆致が出せる焼付けられる上絵具を開発して見せます。今回の旅でアイデアが浮かびました。当方はすでにガラスと陶器を貼り合わせ焼き付ける方法を5年がかりで開発しました。これは2020年の旅がヒントになっています。油絵の筆致が出せる焼付けられる上絵具も今回の旅をヒントに開発できると思います。


ガラスと陶器の張り合わせ


陶器同士の張り合わせ
当方の陶絵画にこのガラスと陶器を貼り合わせ焼き付ける方法を多用しています。焼きあがって満足行く物を選んで最後に自在に集合フィックスできること、絵柄を完成させてから上に立体を載せられること、貼りつけるガラスのひび割れを最低限に抑えることが出来ること、種々のメリットがあります。次なる新筆致の陶絵画をご期待ください。



金沢塗の正体は明らかになり、この旅行の目的の1/4は達成できました。卯辰山の坂道を下って、東茶屋街を目指します。




東茶屋街は金箔工芸であふれていました。海外の団体さんが右往左往していました。







当方は特に金箔工芸に興味はありません。しかし、最終日に金箔をわずかに使ったガラスぐい飲みを購入しました。このわずかな金箔の効果は、お酒を飲みながら味わってみましょう。
このぐい飲みは最後に登場させます。



これは家内がボロボロになった現在使っている手鏡の代わりにと購入した金色の手鏡。但しこの金色は金箔ではなく、他の金属の金色です。家内は長年の念願がかなったと喜んでいます。


ここのトイレは金箔作り。





東茶屋街は海外の方であふれていました。歩いているかたの半分以上はアジア系、欧米系の海外に方です。ギリシャの国旗を担いだツアーもありました。



九谷焼の陶器もあります。この店のまねき猫が面白くて撮影。













この店は金箔ばりの蔵でした。

東茶屋街では安い九谷焼のお皿を一枚と手ぬぐい一枚を購入しただけでした。九谷焼は明日買う予定です。


浅野川
金沢は多分に京都を意識し、懸命に対抗しています。そのエネルギーは半端ではありません。金沢の川も京都の鴨川を思い起こします。川をこして、近江町市場に向かいます。着いたときはすでに市場は終了しており、わずかに開いている料理屋で金沢らしい料理をいただきます。


海鮮丼


カニとカニミソの甲羅焼、乾しホタルイカ

この乾しホタルイカをあぶって食べることは気にいって、帰りのお土産にしました。カニミソの甲羅焼は無論美味しい。




ジブ煮


さつま揚げ ジャコ入り焼むすび  お酒は色々のみましたが、加賀鳶(カモトビ)が旨かったのでこれだけ覚えています。


東茶屋街にあった加賀鳶のディスプレイ

さて、本日はこれまで。明日は目的の2、能登島ガラス美術庵でガラス工芸を追います。



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自然教育園日記 その249 Fujifilm GFX100S vs GFX50SII <中間報告>

2022-12-09 18:58:32 | 写真日記
自然教育園日記 その249 Fujifilm GFX100S vs GFX50SII <中間報告>

ストレスの大元はとりあえず決着しました。お墓に入る前のこの大きな決断が正しかったのかわかりません。一瞬先は闇かもしれないしバラ色かもしれないのが人生、しばし休戦です。 写真撮影と、陶芸にもどります。

<Fujifilm GFX100SとGFX50SIIの比較>このテーマは<中間報告>としてまとめて、次のテーマ<金沢・富山の陶芸・ガラス工芸を追いかける>に移ります。

2022-12-6, 7, 8 3日分を載せます。機材の組み合わせが様々ですから機材の表示に注意してご覧ください。


2022-12-8
Fujifilm GFX100S+ Zeiss Planar 50mm macro F2
Fujifilm GFX50SII+Zeiss/Sony Vario Sonnar 16-35mm F2.8

2022-12-7
Fujifilm GFX100S+ GF110mm F2
Fujifilm GFX50SII+GF20-35mm F4

2022-12-6
Fujifilm GFX100S+ GF20-35mm F4
Fujifilm GFX50SII+ Zeiss/Sony Sonnar 135mm F1.8

レンズからいうと
最新の純正Fujifilm GF20-35mm と オールドSony AマウントZeiss Vario Sonnar 16-35mmの対決と
純正Fujifilmの最高峰 GF110mmとオールドSony AマウントZeiss Sonnar 135mm F1.8
の対決で いずれも純正Fujifilm とZeissの対決になります。

カメラから言うと
中判ミラーレス、1億200万画素のFujifilm GFX100S と5140万画素のFujifilm GFX50SIIの対決となります。

感想は最後にまとめます。

日付が書いていない場合は2022-12-8撮影です。


Fujifilm GFX50SII+Zeiss/Sony Vario Sonnar 16-35mm


Fujifilm GFX50SII+Zeiss/Sony Vario Sonnar 16-35mm


2022-12-7 GFX50SII, GF20-35mm


2022-12-6 Fujifilm GFX100S+GF20-35mm


Fujifilm GFX50SII+Zeiss/Sony Vario Sonnar 16-35mm


Fujifilm GFX50SII+Zeiss/Sony Vario Sonnar 16-35mm


Fujifilm GFX50SII+Zeiss/Sony Vario Sonnar 16-35mm


Fujifilm GFX50SII+Zeiss/Sony Vario Sonnar 16-35mm


Fujifilm GFX50SII+Zeiss/Sony Vario Sonnar 16-35mm


Fujifilm GFX50SII+Zeiss/Sony Vario Sonnar 16-35mm


Fujifilm GFX50SII+Zeiss/Sony Vario Sonnar 16-35mm


2022-12-7 GFX50SII, GF20-35mm


Fujifilm GFX50SII+Zeiss/Sony Vario Sonnar 16-35mm


2022-12-7 GFX50SII, GF20-35mm


Fujifilm GFX50SII+Zeiss/Sony Vario Sonnar 16-35mm


GFX50SII, GF20-35mm


Fujifilm GFX100S+ Zeiss/Sony Vario Sonar 16-35mm


Fujifilm GFX100S+ Zeiss Planar 50mm macro


Fujifilm GFX50SII+Zeiss/Sony Vario Sonnar 16-35mm


Fujifilm GFX50SII+Zeiss/Sony Vario Sonnar 16-35mm


Fujifilm GFX100S+ Zeiss Planar 50mm macro


Fujifilm GFX100S+ Zeiss Planar 50mm macro


Fujifilm GFX50SII+Zeiss/Sony Vario Sonnar 16-35mm


Fujifilm GFX100S+ Zeiss Planar 50mm macro


Fujifilm GFX50SII+Zeiss/Sony Vario Sonnar 16-35mm


Fujifilm GFX100S+ Zeiss Planar 50mm macro


Fujifilm GFX50SII+Zeiss/Sony Vario Sonnar 16-35mm


Fujifilm GFX100S+ Zeiss Planar 50mm macro


2022-12-6 Fujifilm GFX100S, GF110mm


2022-12-7 Fujifilm GFX50SII, Zeiss/Sony Sonnar 135mm F1.8


2022-12-7 Fujifilm GFX50SII, Zeiss/Sony Sonnar 135mm F1.8


2022-12-7 Fujifilm GFX50SII, Zeiss/Sony Sonnar 135mm F1.8

レンズ対決は
絵画的、幻想的なZeissと写実的なFujifilm GF。当方はZeissが好みです。
載せている絵もZeissが圧倒的に多くなりました。

当方はZeiss/Sony Sonnar 135mm F1.8を伝家の宝刀といっています。その幻想的絵は他に比類ないものです。

今回Zeiss/Sony Sonnar 16-35mmを中心的に攻めました。一見Fujifilm GF20-35mmと変わりないように見えますが、結局はZeiss/Sony Sonnar 16-35mmの絵を選んでしまう。感性に訴えるものがあるからです。しかし、多くの日本人はZeissよりFujifilm 純正をこのむのでしょうね、きっと。

但し、ピントが薄い重たいカメラをMFで撮るAマウントZeiss/Sonyは扱いが大変。よほど画質が気に入っていなければ、撮影は拷問みたいなものです。Zeiss/Sony Vario Sonnar 16-35mmとZeiss/Sony Sonnar 135mm F1.8両方持ち出すにはキャリーバックでないと体を壊します。それからSony AマウントZeissをGFXに付けると少しですがケラれます。

カメラに関しては、出てくる絵は一見Fujifilm GFX100SとGFX50SIIは見分けがつかないように思います。GFX50SIIはGFX50SよりかなりGFX100Sに画質をシフトさせているような気がします・
今回はJPEGでとってPhotoshopで修正していますが、絵を作るときにFujifilm GFX100SはGFX50SIIより楽なのです。Fujifilm GFX100Sはがんがんトリミング拡大できますがGFX50SIIはまだ大丈夫かなと思いながらそろそろトリミング拡大する違いがあります。画像修正においても、Fujifilm GFX100Sは主張がハッキリと前面にでますが、GFX50SIIはベースがニュートラルで、極端に言うと地味でどこまで修正しても嫌味にならないか気を使います。当方はダイナミックレンジだけは色々調節しますが、GFX100SとGFX50SIIは双方に違いが多少あるのかもしれません。
両者、結果的には修正後はあまり違いが出ません。しかし、お金があったらFujifilm GFX100Sを買う方が楽しいと思います。絵作りに幅が広い。

しかし、まだ、GFX50Sの残像があり、GFX50SIIでないと出せない味がある気が捨てきれないでいます。地味なGFX50SIIと派手なZeissレンズとのマッチングにその解がある気がするのです。

一方、何故かGFX50SIIのほうが気楽にスパスパ撮影できます。Fujifilm GFX100Sは撮った後に色々調節出来る分、撮っている時に色々考え込むことになります。


また、いずれFujifilm GFX100S vs GFX50SIIの報告をしましょう。
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