太った中年

日本男児たるもの

マジック・スパイス

2008-02-29 | weblog

正月、NHK特番でイチロー・スペシャルが放送された。この番組でイチローは結婚後、毎日欠かさずカレーを食べていると衝撃の告白をした。野菜嫌いで有名だったから、奥さんが気遣ってのことだろう。カレーを一言でいえば、スパイス料理だから、スパイスの効用で野菜嫌いのイチローが野菜を笑顔で食べれるようになった。

スポーツ・芸能界のカレー・チャンピオンはウガンダ・トラ氏だ。なしにろ、信じがたいスピードでカレーを食べる。幼少からカレーを噛んだことがなく、「カレーは飲み物」、「カレーは別腹」、「御代わりって言ったら失礼かな」等の名言を吐いた。

ただ、インド人もびっくりのカレー帝王ウガちゃんも、夫婦愛で地道に毎日欠かさずカレーを食べ続けるイチローの姿には脱帽しただろう。

カレーは最も優れた健康食の一つで管理人も平日は大体シェフ・コージー氏のカレーを食べて生きている。シェフのカレーはカレーのスパイスに加えてケイジャン料理の神様、シェフ・ポールのマジック・スパイスを使用している。このスパイスが凄い。

マジック・スパイスを使用したカレーソースのフレーバーは複雑で滋味深い。最近、新メニューでマジック・スパイスをふんだんに使用したサーモンカレーは、その薫りが素晴らしく、それでスパイスに関心を持った。そしてイチロー選手のように体を気遣ってカレーを作ってくれる人がいないので、夜な夜なひとりでスパイスをテストしている。

スパイスを調合したカレー粉は結局比率だから無限の組み合わせがあり、しかもそれに食材が加わるから終りがない。それにしても真夜中に独身中年男が首をひねりながら、黙々とスパイス実験をしている姿は、傍から見ればさぞかし不気味だろう。


ミシュラン・トーキョー

2008-02-28 | weblog

別に隠していたワケではないが、一昨日、東京へ行った。東京駅構内にある外貨両替所へ行くだけの用事だから、シェフ・コージーさんを誘って一緒に行った。

東京駅で用事を済ませてそのままUターンでは退屈極まりないから、先送りにしていた。しかし、用事の目的を「東京で気になるお店へ行く」に変えて、ついでに外貨両替所の用事を済ませるとすれば、俄然行く気力が湧く、考え方一つだ。

最初のプランは銀座ナイルレストランのムルギーランチを食べる予定だった。オーナーのナイルさんが得意の「マゼテ、マゼテ、マゼテ、マゼテ」攻撃を始めたら無視してマゼないで食べ続ける、勝手に厨房へ入り先にマゼちゃう等、盛り上がった。ところが、ナイルレストランは定休日だったので、別のところへ行くことにした。

ランチは日本を代表する建築デザイナー杉本貴志氏経営の「春秋」日比谷店。

管理人:お刺身と自家製豆腐膳
 
旬魚お造り盛り合わせ、自家製豆腐の季節餡、旬菜小鉢の膳 、珈琲。

シェフ・コージー:本日の春秋膳
 
週変わりのメイン(さわらの西京焼き)、旬菜小鉢、オーガニックサラダの膳、珈琲。

コージーさんは、オーガニックサラダを「素材の野菜は充分おいしいけれど、もう少し工夫が欲しい」、少しキビシイ評価、やはりプロの舌は違う。 ★★

外貨両替の用事を済ませたあと、ディナーはインド料理のナタラジ銀座店

管理人:ナタラジカレーセット

シェフ・コージー:シャンティカレーセット

コージーさんは、サラダに使われているいろいろなスパイスを説明してくれた。しかし、管理人にわかるワケがない。さらに、何を食べたのかさえもよく覚えていない。

ナタラジは「野菜だけのメニューでここまで美味しく頂ける」、そう高い評価を下した。

おお、これは凄い、スパイス研究に勤しもう。 ★★★


ミシュラン・マニラ 

2008-02-27 | weblog

別に隠していたワケではないが、半年前からフィリピン・マニラでアパートを借り、精神修養ため毎月渡航して10日間ほどそこで暮らしている。

フィリピンから日本へ出稼ぎにきてナイトクラブ・パブで働くフィリピン人女性を「ジャパゆきさん」と呼ぶが、管理人の場合は、差し詰め「フィルゆきオジサン」だろうな。

そして、フィリピン滞在中の最大の問題が「メシ」。日本人の味覚を破壊する「メシ」。

このブログにコメントを寄せて頂いているJetさんは、グレゴリー柔術のアジアンチャンプでフィリピン・マニラ在住だ。その格闘王Jet師範曰く、 

「マズメシ地獄」

アジアンチャンプがそういうのだから間違いない。

Jet Culture Club

「マズメシ地獄」が一体どういったものか伝えづらい。参照までに上記、Jet師範のブログには度々レストランの話題がエントリーされているから、推して知るべし。

とにかく、フィリピン滞在中はメシの「ウマイ、マズイ」を考えないことにしている。

さて、管理人がフィリピンでPCをアセンブリーで購入したとき、それを組み立てている間、たまたま近くにレストランがあったのでコーヒーを飲んで時間をつぶした。

ガリレオ・エノテカ そこは蔵出しイタリアン・ワインの専門店で、オーナーはハゲた生粋のイタリアンおじさんだった。イタリアからも「フィルゆきオジサン」がいた。

コーヒーと、付け合せにサラミ・生ハム・チーズの盛り合わせをオーダーしたところ、これは凄い、ヴォーノの三連発、美味しかった。やはり、本場のものは違う。

好みでプレーン・トマトソース、ガーリック・トマトソース、アンチョビとバジルのオリーブオイルをパンにつけて食べる。管理人はお酒が飲めないけれど、とても満足した。お店の雰囲気もよく、「マズメシ地獄」から突然、解放された喜びも味わった。

その後、何度か足を運んだ。すると顔を覚えられたのか、オーナーの娘さんが何か話しかけて来る。しかし、管理人は現地の言葉がワカラナイ、困った。

「ひょっとして逆ナンパか、ならば神よ許し給え」

独身の管理人は密かにそう思っていた。覚悟はできている。そして、運命の日を迎えた。日本語のワカル現地ドライバーと行ったときに通訳をしてもらった。

「このお店はイタリアン・ワインの専門店なのに、何故、いつもコーヒーだけなのか?日本人はワインを飲む習慣がないのか」 彼女はいつも不思議に思っていたらしい。

つまらないオチだ、来月はフィリピンへ行く、「マズメシ地獄」が待っているぜ。

★★★


朝の食卓

2008-02-26 | weblog

一人暮らしの独身中年男が、多くを学習しながら健康的な食事の自炊を試みた。

 

そして、完成した人類の理想的な朝の食卓

 

おお、できた

 

・五分づき玄米ご飯 (胃弱なので五分づきがベスト)

・味噌汁 (昆布ダシ赤味噌で ワカメと三つ葉の具)

・生タマゴ (フレッシュなタマゴがけご飯はウマイ)

・納豆 (臭いがよろしい、これは時々海苔とチェンジする)

・しらすおろし (定番、カルシウム源、胃弱保護、消化促進)

・副菜 (胡瓜、茄子のぬか漬け、白菜の塩漬け、鰹の削粉が少々)

・主菜 (めざし2つ、生タラコ1/4 めざしの腹がメチャウマ)

 

食後のお茶

 

 

お茶の「あて」が柿ピーとは、シブイ中年男である。夢の食卓のめざしと漬物がワンプレートでバランス悪く盛られているところも、シブイ、シブイ。

健康的な食事の自炊を持続させるポイントは、主菜/メインディッシュではなくて「まず、副菜/サイドディッシュをどうするか」に掛かっていることがよくわかった。

少しばかりの野菜の漬物によって朝ご飯が一際豊かになったから、晩ご飯は、野菜ベースの簡単にできるフレッシュなサイドディッシュを、と考えている。

そのために各種スパイスを買い、試行錯誤している。スパイスは微妙で奥が深い。


タラコとタマゴとミルク

2008-02-25 | weblog

アサリ同様に優れて栄養バランスのよい食材が、スケトウダラの卵巣を塩蔵した生タラコだ。ビタミンの含有量がとても多く、特に、ビタミンEは代謝を促進して老化を防ぎ、肌を若々しく保ち、性的機能の衰えを予防する働きがある。生タラコは加熱調理すると大切な栄養素が失われるから、品質、鮮度のよいものをそのまま食べたい。

タマゴはタンパク質の必須アミノ酸組成が全ての食品のなかで最も優れているため、ほとんど無駄なく体が吸収して使うことができる。ただ、加熱の度が過ぎるとタンパク質が変性して十全に機能しなくなる。ならば、生タマゴがベストかというと、そうでもない。卵白に含まれる物質がビタミンB群のビオチンを損失させるからだ。

そこで、沸点より温度が少し低い湯に入れ、卵白だけを凝固させるポーチ・ド・エッグが一番いいタマゴの食べ方になる。しかし、毎回ポーチ・ド・エッグは面倒なので、余り気にしないで、いろいろなタマゴ料理を楽しんで食べたほうがいい。

タラコとタマゴは極めて優良な栄養食品だ。しかし、二つともコレステロールの含有量が多い。1日に食べる目安としてタラコは1/2個、タマゴは1個相当が適切となる。過ぎたるは及ばざるが如し、それだけ注意したい。

タマゴに続いて牛乳にもタンパク質にバランスのよい必須アミノ酸組成が含まれている。

明治乳業の「おいしい牛乳」はホントにおいしい。佐藤 卓デザインによるパッケージもカッコよくて申し分のない牛乳だ。大変優れた栄養補給源だから毎日飲みたい。


アサリ

2008-02-24 | weblog

独身中年男が健康的な食事を自炊する第一義は、どんな食材を買ったらいいのか、に懸かってくる。その食材は、できれば生のまま、もしくは、簡単な調理で美味しくいただけるものがベストだ。アサリは身近に買える最も優良な食材の一つだ。

アサリには、鉄分・ビタミンB12・タウリンの栄養素がバランスよく含まれている。そして、鍋に入れ加熱しただけのシンプルな料理が最もおいしい。簡単だから作ってみる。

ジャスコやイトーヨーカドーの食品売り場で買うアサリは品質管理がよくなされていて、砂だしをする必要はない。流水で殻を擦り洗うだけで充分だ。そして、そのまま鍋に入れ蓋をして火にかける。簡単で手間が掛からない。

ビタクラフトの鍋は弱い火でも熱伝導がよく、短時間でアサリの口が開いた。アサリを手早く取り出して皿に盛る。残りの汁は網杓子でアクを取り除いて保存する。

おお、できた

イタリアン・パセリをちらしてみたが、失敗だ、トッピングしないほうがいい。このシンプルな料理は「アサリのナチュレール」と呼ばれ、ポルトガルでよく食べられる。

アサリには旨み成分のコハク酸がたっぷり入っていて、加熱すると、とてもいいダシが出る。これをソースにしたのがスパゲッティ・アレ・ボンゴレ。水で薄めてあたためれば吸い物にもスープにもなる。身とダシを分けておけば、そこから料理が広がる。

アサリを一人分(4~5個)除けて、それを具にして簡単に赤だし貝汁が作れる。というより、管理人の場合は、アサリのダシとアサリ一人分の具で貝汁を作り、残りを食べる、といったほうが正しい。なぜなら、

 

赤だし貝汁こそ世界で一番美味しい味噌汁だ。

 

おお、できた 赤だし貝汁よ、何故我に力を与える

 

赤だし貝汁はアサリのダシと昆布ダシで作ればコクが増す。またアサリから出る汁は味が強いから、赤味噌の量は普段の味噌汁より少なくして、味をチェックしながら溶く。

味噌汁は日本が世界に誇るスープであり、自炊する中年男にとって健康な食事の基礎となる重要なものだ。朝ご飯の味噌汁は一日の活力を生み、晩ご飯の味噌汁は一日の疲れを癒す。味噌の効用は健康に大きく寄与するから必ず頂きたい。


シラス

2008-02-23 | weblog

魚に弱いと書いて鰯(いわし)となる。その稚魚がシラス。塩茹でして天日干ししたものがシラス干し。すぐれたカルシウム源でそのまま美味しく食べられるから常備したい食材。地元、丸半堀江商店のシラス干しは高い品質だからいつもジャスコで買う。

朝ご飯でシラスおろしは焼き魚の薬味としても使えるから、副采として欠かせない。また、大根に含まれるジアスターゼは消化を助ける。大根おろしは時間の経過とともに酸化して栄養素が失われる。大根をおろしたら少しの醤油で手早く食べたい。シラスおろしは大根おろしにシラスをかけるだけだから、細かいレシピは省く。いいだろ。

おお、できた

今回はこれで終わらない。このブログに度々登場する料理研究家、丸元氏の最高傑作レシピ「ジャコ飯」を作る。ジャコ飯といってもジャコ・パストリアスのご飯ではない。ちりめんじゃこ(=シラス干し)の炊き込みご飯、これは感動的な味だ。

用意する具は、1人分 シラス干し(米と同量以上) どんこ(肉厚の乾燥椎茸)1つ

ジャコ飯は、先行して一晩前から米を炊く水より多めの水にどんこを入れて椎茸ダシを作っておく。この戻し汁に米とシラス干しを一緒に入れて適時間につけてから炊く。

戻した椎茸は石づきを取り細かく刻み、少し余った椎茸ダシ汁に入れて酒、醤油(適量)でサッと煮しめる。シラス干し入りご飯が炊き上がったら、それに入れて混ぜる。

この炊き込みご飯は、椎茸のダシ汁とシラス干しの薄い塩味が驚くほどの相性で、塩は一切いらない。シラス干しは好みで多く入れたほうがいい。

おお、できた

丸元氏は立野信之氏の随筆に「ジャコご飯のにぎり飯ほどうまいものはない」とあり、早速作ってみたら、「これぞ、にぎり飯の王様だ」とある著書に記している。余程旨いのか、それを読んだだけで食べたくなり、作ってみた。なるほど、ジャコ飯は冷めても軋む歯応えがあって格別に美味しい、最高の気分だ。


シャケ

2008-02-22 | weblog

内田 裕也(うちだ ゆうや、本名:内田雄也、1939年11月17日 - )は日本のミュージシャン(ロックンローラー)、俳優である

口癖は「ロックンロール」(Rock'n Roll。“ロッケンロール”、もしくは“ロケンロー”とも記述

グッチ裕三が彼のものまねをする際にしきりに「シェケナベイビー」(Shake it up Baby)と言っているが、これは彼がカバーしたロックンロールの名曲「ツイスト・アンド・シャウト」を歌っているところの真似である。

(以上、ウィキペディアより”内田 裕也”を一部引用)

今回のエントリーは怖いほど簡単で面白くないから禁断のワザを使用した。

では、朝ご飯定番の焼き魚「シェケナベイビー」のレシピ

デロンギ オーブンのトレイにクッキングシートを敷いてシェケナベイビーを置く

・デロンギ オーブンのツマミを上から、180℃ 10分 対流 にセットしてON

おお、できた

180℃ 10分 (一切れの目安)を、写真撮影のため15分にセットしたら、シェケナベイビーの油分が落ち過ぎて干からびてしまった、ロケンロー。朝ご飯の焼き魚はシェケナベイビー、アジ、サバ、メザシ等で変化をつければいい、ヨロシク。

料理実践編に突入してから、ご飯とぬか漬け、味噌汁、野菜の塩漬け、焼き魚とエントリーした。これらを総合すれば、なんと、日本の伝統的な食事になる。オプティマルな食事は誰でも簡単に作れることが理解できる。あーカッコ悪いエントリーだった。

追記:カッコ悪いニュース

防衛相公用車が接触事故=親族との面会前-千葉 
 
21日午後3時35分ごろ、千葉県勝浦市墨名の国道交差点で、石破茂防衛相が乗った公用車が、市内の無職女性(30)が運転する乗用車と接触した。双方にけがはなかった。防衛相はイージス艦衝突事故の謝罪のため、漁船「清徳丸」が所属する新勝浦市漁協川津支所に向かう途中で、現場で車を乗り換えた。(時事通信)


冬の白菜

2008-02-21 | weblog

冬が旬の白菜はビタミンC、カルシウム、鉄、カロチン、食物繊維など、特に硬い芯の部分にそれらの栄養が豊富に含まれている。そして、葉と芯の硬度が極端に違うので、別々に簡単な料理を作ってみる。

まずは、水洗いして切り分けた葉の部分から。用意するものは、白菜、塩、漬物容器。ただ塩を振るだけで後は白菜と塩がやってくれる。超簡単な保存料理だ。

フランス産ゲランドの塩を使用した。果たしてどんな味に仕上がるのか。

白菜の裏表に満遍なく塩を振り、暫くすると塩水が抜け落ち、かさが減る。

小さな漬物容器に入れ、ギリギリの圧力を加えて冷蔵庫で保管する。2~3日で白菜の塩漬けが食べごろになる。同様にきゅうり、かぶ、大根は翌日に食べられる。

白菜の芯の部分。白菜は生のままだと全く癖がなく淡白な味で、シャキッとした食感がある。加熱すると甘味が増し、且つ軟らかくなってもその食感で食べられる特性がある。つまり、加熱による失敗の極めて少ない食材で、特に鍋物の具に最適だ。

簡単な汁物を白菜で作ってみよう。白菜の芯を適当な大きさに切り、オリジナル命の出し汁を用意する(これは鰹の出し汁)。両者を鍋に入れ、煮立ったら酒を少量入れて、火を弱める。約5分すると外側から半透明になる。味を見ながら薄口しょうゆを少しずつ足して適宜で火を止め、最後に三つ葉の軸を入れる。

おお、できた

鰹だしの風味豊かな汁物だ。鍋物で、食べ終わった後、つゆの底に食べ忘れて透明になった白菜が間々ある。癖がなく淡白な味の白菜は、存在感が薄く、個性に乏しい食材とも言えるだろう。ついでに味噌汁を作ってみる。

おお、できた

案の定、味の強い赤味噌では、少し物足りない。次は、白菜のライバル、キャベツと一緒に具にしてみよう。たぶん、キャベツは味噌に合うはずだ。

一人料理の最大の弱点は、特に野菜がどうしたって食べきれない量の単位で販売されている点だ。余りを捨てる覚悟で仕入れるか、それがイヤならヤメるしかない。

しかし今回の白菜のように、まず副菜の保存料理にしてから残りを具として、さらに残りをまた簡単な保存料理にすれば無駄の出ない仕入れが可能になる。また、副菜の保存料理が充実すれば、食事の栄養バランスも改善できる。


かぶの味噌汁

2008-02-20 | weblog

自分好みのダシが取れるようになると世界が変わる。特に朝ご飯の味噌汁をオリジナル出し汁から作ると、それは料理というより芸術作品と呼びたくなるほどおいしく、一日の活力が湧く。管理人はかぶの赤だし味噌汁が三度のメシより好きなのだ。

用意するのは、鰹の出し汁1杯分、赤味噌、かぶ。そして、炊飯器同様、小さい味噌汁専用の鍋(口径14cmのステンレス製)を使うのが1人料理の基本。口径の大きな鍋で底に薄っすらとなった出し汁では、それを見ただけで一日の活力が萎む。

かぶは茹で時間でおいしさが決まる。実が約5分、茎が約3分の時間差加熱攻撃を掛ける。実を入れて、約2分後に茎を入れる。この計算は小学生でも出来ると思う。

5分位して実の外側が少し半透明になったら火を弱め、味噌を入れて溶く。味噌汁は沸騰すると風味がとぶので、細心の注意を払い弱火の加熱をする。かぶは少し固めの食感がベストでおいしい。少しでも茹で過ぎて実がくずれたら失敗、諦める。

おお、できた

こうした味噌汁の必殺ワザを習得すると、朝ご飯が充実する。ただ、毎日味噌汁の具が同じだと飽きる。鰹のだし汁も毎日かつ箱で削ると強制労働となり、嫌になる。ここぞという時に伝家の宝刀は抜くもので、つまりは勝負パンツと同じだ。

普段は市販されている粒状のダシで充分イケル。ダシ入り味噌は避け、鰹、昆布、いりこの3大ダシのいずれかをベースにして、好きな具の組み合わせを考えたほうが楽しく手軽に味噌汁を作れるから、それだけでおいしく頂ける。


命の出し汁

2008-02-19 | weblog

私の記憶が確かならば、かのTV番組「料理の鉄人」で「命の出し汁」と命名したのは道場六三郎氏ではなくて、目がいつも据わっていた福井アナだ。そんなワケで基本の出し汁。1人分の鰹と昆布。それぞれ単独でも同分量でOK、Allez cuisine。

材料: 水 1カップ 200cc、 鰹節削ったもの 8g、昆布 3g (この比率が基準)

一度、正確に量り、目分量で記憶する。出来たら味をチェックして次回から自分好みの量で作ればいい。尚、市販のパック入り鰹削り節なら100gが基準になる。それだけカツ箱の削りたてはフレッシュで薫り高い。また、1人分の量はカツ箱で削って気分もリフレッシュされる。包丁を研ぐのと同じだ。

冷たい水から昆布3gを鍋に入れて火にかける。沸騰するピーク直前で昆布を引き上げる。そのままにしておくと昆布の表面にヌメリが出てどうしようもなくなる。

引き上げた昆布の代わりに削った鰹節を入れ、火を弱め5分間煮出して完成。「1,2,3,4 やったぜカトちゃん!」となる。尚、鰹節をトキワのダシダシパックに入れて煮出せばアクが出ない。ダシダシパックがない場合は、アクをとり、鰹の臭みが少しあるので、ひとつまみの塩を「カトちゃんペッ!」と言いながら入れる。

完成した鰹と昆布の出し汁、必ず味のチェックをする。そのとき、感動の涙を流すことを忘れてはならない。涙が出ないときは目薬の代用可。丸元氏は使用済みの鰹と昆布を「まだ栄養素が残っているから調理して食え」と提言している。それはそれで正しいことではあるが、一人で作って食べると侘びしい気持ちになる。

出しつゆ

鰹と昆布の出し汁に酒(大さじ1と1/2)を入れてアルコールがとぶまで加熱を続け、それに醤油(小さじ1)を入れて一煮立ちすれば基本の「出しつゆ」になる。市販の「つゆ」など問題外の上品な味で、この出しつゆを使って煮物料理をしたくなる。

目分量

再度、分量について「大さじ15ml、小さじ5ml」ではあるが、これは目安。自分の好みの味を目分量で出来れるようになればベスト。それから、分量は出来る限り1人分で表記する。レシピ本や料理番組は4人分表記で、いちいち電卓で割り算しなければならなかった。過去の恨みをこの場で晴らしたい。

最後

それにしても、一人で調理しながら一人で写真撮影するのは面倒だ、室内光のマクロ撮影はムツカシイ、何かいい方法はないものだろうか。


ご飯とぬか漬け

2008-02-18 | weblog

実践編スタート。このシンプルで小さなキッチンから、オプティマル(身体に最適)な食事が生まれようとは、お釈迦様でも気づかなかっただろう、まずはシャリから。

5分づき玄米の洗米は水溶性ビタミンが溶け出すので手早く2~3回かき回すだけにする。研いではいけない。そして対120~130%の水に2時間以上浸せばOK。この2点が5分づき玄米をおいしく炊くポイント。

5分づき玄米ご飯が出来た。管理人は胃弱のため常温になるまで待って食べる。これに慣れて、白米を食べると、物足りなく感じる。オプティマルな食事の第一歩。

冷蔵庫保管専用の焙煎ヌカがジャスコにあったのでそれを買い、漬けるドットコムを参照してチャレンジ。約1ヶ月半掛かって試行錯誤の末、やっとイケルようになった。食材の漬ける時間は少し長め、漬物容器は大きめのホーロー製がいい。

ぬか床には、唐辛子、昆布、その他マル秘を入れた。漬けるものは、きゅうりを筆頭にセロリ、かぶ、ナスの四天王。ぬか漬けはご飯の最強サポーターだ。また、家庭用精米機から出たぬかを調整、補充に使える、便利だ。

最初の自炊で影響を受けた丸元淑生氏のレシピ本はビタクラフト無水調理が基本。この調理方法は食材自体のクオリティーがダイレクトに味に反映する。つまり、仕入れの段階で味が決定するから、おいしさを追求すれば必然的に食材の「お取り寄せ」となり、高いものになってしまう。食材は普段の生活のなかで買いたい。

また、無水調理は食材それぞれの加熱時間のタイミングが大きく左右するため、慣れるまで失敗が多く、神経をスリ減らす。これが初めて自炊したとき長続きしなかった理由だ。だから、自炊を再開するときはその反省から無水調理は考えず、まずは料理を楽しくやろう、と考えた。それは自炊をする人間にとって、とても大切なことだ。


男の玩具

2008-02-17 | weblog

以下、我がキッチン・ツール

デロンギ オーブン 熱が対流する機能があってとても便利。焼き魚は臭いが出ない、グラッチェ。原子爆弾と電子レンジは分子構造を破壊し尽くすから使用禁止。

ビタクラフトの鍋とフライパン。長持ちするステンレス多層構造。

包丁、まな板、まな板ブラシ、砥石。太陽カレーのシェフは鋼のミソノ刃物をご推薦。オールステンレスは衛生的だが、研ぎにくい。一人料理はそれほど使用しないのでデザインのよいステンレス包丁がいい。

おろしがね、レードル、フライパン返し。大根おろしのおろしがねで胃弱をカヴァーする。

マッシャー(T-FALはB級、マッシュポテト用)、グレイダー、トング(OXOは値段は高いがカッコイイデザインで飽きない)

ニトリのまな板、包丁立て、蓋受け、おたま受け、箸立て、男は立たなくては。

計量関係、体重計ではない。米国メーカーファイアーキングの耐熱ガラス計量カップは継ぎ目がある。このいい加減さがグッド。

ピーラー、ガーリッククッラシャー この2つは有れば便利。

キッチンハサミとステンレスのサイバシ これも使える

鰹節削り器の正しい名称は「かつ箱」 写真は宗近の桐製で切れ味抜群。これは一人料理の味方だ。朝、味噌汁一杯のダシ汁に対応できる。大人数だと鰹節を削るのが大変。

最後はタイマーズ。主要なキッチン・ツールはこんなところだろう。一人暮らしの一人料理は、調理器具の使用頻度が低いから、気に入ったデザインのものを揃えたほうがいい。それだけで楽しく料理できる。それから、自分で言うのもナンだが、このエントリーは面倒な割りにツマンナイ。料理実践編はもっとツマンナイだろう。


精米機

2008-02-16 | weblog

「ところが、精米することで、胚芽に含まれるビタミン、酵素、ミネラル、食物繊維などの貴重な栄養素が失われる」 

(エントリー元禄時代以前より抜粋)

「全体の50%を占める穀物は、精製していないものを選ぶこと」

(エントリードクター”カリスマ”新谷より抜粋)

精製していない玄米食が理想であることは過去の予習で理解している。しかし、管理人が玄米食にしない理由は、洗米して一晩水に浸けてから自然塩を(玄米に多く含まれるカリウムに独特の臭みがあり、塩に含まれるナトリウムで中和させるため)ひとつまみ入れて炊く手間がある。それに、硬い玄米は胃もたれをする。

栄養素を、玄米で100とすると、3分づき米で80、5分づき米で70、というように精製の度合いによって失われる。従ってまず、5分づき米から始めるのがいい。現在、玄米はイトーヨーカドーやジャスコの大型ショッピングセンターなら精米機の横に販売されていて精製の度合いを選択できる。

ところが、店内精米機で玄米を精製して買っている人を見たことがない。管理人は胃が弱く、気も弱い。失敗したらどうしようと悩み、胃痛になる。店内精米機など使えるワケがない。そこで、困ったときのホームセンターだ。YAMAZENの家庭用精米機YNS-240(¥14800→¥9800)をタイミングよく買った。神はホームセンターに宿りたもう。これで食事の都度、手軽に玄米を精製できるようになった。

現在は福井県産こしひかり大野玄米5分づきを堪能しているが、いずれ3分づきへ移行する予定だ。主食を玄米5分づきにしたのは、神のお導きというより、太陽カレーさんのお導きだった。太陽カレーさんは五穀米5分づきのご飯だ。

このお店の「こだわり」は尋常でない。特別に配合した玄米以外の穀類も精製の度合いを低め、水に浸す時間も変える手間をかけているから、食感が抜群でとても美味しい。神は太陽カレーに宿りたもう。

最近は五穀米を売り物にしたファミレスや、スーパーでも五穀米のパックを販売している。しかし、それらは全て精製されているから、栄養学的に意味はなく、お金の無駄使いに他ならない。


炊飯器

2008-02-15 | weblog

いわゆる「食わず嫌い」は、特定の料理や食材を、視覚・嗅覚・触覚(または聴覚)といった味覚以外の感覚を通して得た情報を元にネガティブな判断を下してしまい、味わうという最終的な判断をする前に嫌ってしまうことである。 (ウィキペディアより一部引用)

食べ物ではなくて炊飯器でこの「食わず嫌い」に近しい経験をしたことがある。昔、初めて自炊に挑んだとき、まず、必要な調理器具を買い揃えた。このとき普通のジャー炊飯器を買ってご飯を炊いてみたところ、これが大失敗だった。

その炊飯器には0.5合~5.5合となっていたから最小単位の1人分0.5合を試みた。米を研いで内釜に入れてみると、底に薄く沈殿して焦げないかと不安になった。ごく普通に炊き上がったけれど、どうしても食べる気にならなかった。

単純に1人用1回の分量と内釜の大きさが見た目でバランスを欠いただけのことだった。しかし、一人料理の空しさを感じた。ナイーブな中年男だ。そして、絶望のなか、1人用の小さな炊飯器を探したら、近所のホームセンターにあった。神は我を見捨てなかった。

ナショナル ミニクッカーSR-03G これは1人用の最高傑作。お米を入れて炊くだけの保温機能などないシンプルなもので、よく考えられた製品だ。自炊を再開しても重宝している。さすが、松下幸之助の国民ブランドだ、商標変更などしないで欲しい。

一人料理には、他にも食材の仕入れでムダがでるとか、レシピが4人前等のハンディが多々ある。しかし、主食の米さえ万全なら後は何とかなるものだ。