太った中年

日本男児たるもの

小さな惑星の緑の食卓

2008-02-04 | weblog

最近の研究で、肥満が社会的絆を介した「伝染病」であり、異性よりも同性に「伝染」し易いことが明らかにされている。

肥満の「流行」を防ぐためには、個人の努力のみでは不可能であり、保健上の政策・制度的取り組みの必要性が生じていると考えられる。

特に高カロリー食品や肉類の規制が重要と考えられ、ランセットでは、地球温暖化防止のために肉食規制の必要性が指摘されており、日本では現在の野菜、魚、米を中心とした日本食を守り、食環境の欧米化を阻止することが必要と考えられる。

メタボリックシンドロームエントリー末文より引用)

「食環境の欧米化」によって肥満が伝染病のように蔓延する~なんと怖ろしいことだろうか、特に中年デブは先進諸国ではカッチョ悪いとされている。しかも、異性よりも同性に「伝染」し易い、から中年デブのホモは手に負えない悪魔のような存在だ。

さて、マジメに本題に入ろう。

 Diet for a Small Planet(1971’邦題:小さな惑星の緑の食卓)

「食環境の欧米化」により先進国では不健康な肥満が蔓延するが、フランシス・ムーア・ラッペ女史(写真左のおばさん)による上記著書では、反対に後進国では構造的な飢饉を引き起す要因だと、極めて深刻な問題を40年近く前に暴き出している。

講談社の訳書(絶版)によれば、牛肉を1ポンド得るには穀類或は大豆を16ポンド食用牛に食べさせなくてはならない。穀類で育てる食用牛に16倍もの穀物を浪費している上に、人間の食べ過ぎによって牛肉を2倍浪費している。この食用牛の飼育システムを“タンパク質変換工場”と呼び、人間も食べられるタンパク質が家畜に飼料として与えられ、その量はアメリカ一カ国分だけで全世界の人間のタンパク質不足分に匹敵する。つまり、アメリカが牛肉への飽くなき欲望を捨てれば、世界から飢餓がなくなる、そう指摘し、さらに5つの力が地球上に飢えと貧困を拡大させている、とラッペ女史は主張している。

1.ごく少数のものが、農地をコントロールしている

2.基本の食品を生産するための農業の発展が無視されている一方で、輸出用の産物の生産は増え続けている

3.基本の穀類が、ますます多くの飼料にむけられている

4.貧困が人口の増加に拍車をかけている

5.米国政府の意図的な市場開発、戦略が米国の穀類への他国の依存を高めている 。

また、丸元淑生氏著書の「何を食べるべきか」では栄養学の立場からラッペ女史の「小さな惑星の緑の食卓」を取り上げ紹介し、5つの力の「5.米国政府の~」について言及しているので下記に抜粋引用する。

輸出される米国の農産物は、工業国に送られており、全輸出農産物の2/3は飼料にされている。穀類や大豆を飼料として輸出することで、米国の農産物の輸出高は、1960年代以降10年で2倍になるという急成長を示した。それは輸入国の畜産のあり方を変え、米国の穀類に依存する構造をつくっていった。

農産物の"外国市場の開発"を積極的に押し進めたのは、FASと称される米国農務省の国外農業部だが、FASの戦略は、世界中の家畜を穀類と大豆で育てることによって、穀類と大豆の輸出を拡大するというものだった。この戦略に巻き込まれた国が、米国の穀類への依存を高めていけばいくほど、飢餓人口に回る穀類が微々たるものになっていくのは自明のことである。

FASの戦略は、飢餓を深刻化させる力の一つになっているだけでなく、世界中の食事を変えさせる力となり、しかも、農業に過当な競争をもたらしている。その過当な競争は、小さな惑星である地球の、限られた資源を食い付くすかたちで進行しているのだ。 (引用以上)

冒頭文のウィキペディアは~肥満の「流行」を防ぐためには、個人の努力のみでは不可能であり~と記しているが、ラッペ女史も丸元氏も「自分を守る緑の食卓がこの小さな惑星を守る」と正反対のメッセージを送っている。

その記事を書いたウィキペディアの匿名解説者が単なるバカであることは勿論のこと、その人が中年デブのホモでないことを願い、緑の食卓を実践することを望む。

ん、ちょっと言い過ぎかな、まあ、いいか。