太った中年

日本男児たるもの

マクガバン・レポート

2008-02-09 | weblog

 

1975年、米国は 巨額に膨れ上がった医療費によって財政が危機的な状況にあったため、フォード大統領の政権下、マクガバン上院議員を委員長とする栄養問題特別委員会を設置し、医療改革の一環としてその内実を精査した。

調査会は医学・栄養学の名だたる専門家を国内外から集め、2年間、当時の金額で約200億円をかけ、世界中を過去150年前までさかのぼり、約3,000名を超える医療関係者の証人喚問など審議調査し、「食事(栄養)と健康・慢性疾患の関係」について5000ページにも及ぶ膨大な報告書(マクガバン・レポート)を完成した。

報告書の内容は、米国民の諸々の慢性病は、肉食中心の誤った食生活がもたらした「食原病」であり、決して薬では治らない。さらに、われわれはこの事実を率直に認めて、すぐさま食事の内容を改善をする必要がある、としている。指針を要約すれば、「高カロリー・高脂肪の食品、つまり肉・乳製品・卵といった動物性食品を減らし、できるだけ精製しない穀物や野菜・果物を多く摂るように」と勧告している。

また、具体的な解決策として最も理想的な食事と定義したのは、元禄時代以前の日本の食事であることが報告書に明記されている。これについては、後日改めてエントリーする。

マクガバン委員長は「それまでは巨額の医療費を注ぎこんで、それで国民が少しでも健康になれればいい、と考えていた。ところが現状の事態は極めて深刻で、このまま推移すれば、財政破綻の前にアメリカの国そのものが国民の病気のために破産してしまうだろう」と述べている。

マクガバン・レポートは米国はもとより日本を除く先進諸国に激震を走らせ、1977年以降、各国の保健政策の礎となった。80年代、米国ではニューヨークを中心にヘルシーな日本食が流行、定着したが、日本はグルメブ-ムが蔓延して現在に至っている。