太った中年

日本男児たるもの

Don't Give Up

2008-12-31 | weblog

Peter Gabriel & Kate Bush -Don't Give Up

誇り高きこの地にたくましく育った僕たち  常にみんなに必要とされてきた
勝つために戦えと教え込まれた僕が  よもやしくじろうとは思わなかった

もう闘うべき闘いも残ってないらしい  僕はあらゆる夢を失った
顔をかえ名前をかえたところで  誰も負け犬には見向きもしない

Don't Give Up あなたには友達がいる  あきらめないで
Don't Give Up まだ負けと決まったわけじゃない あきらめないで
Don't Give Up あなたなら 困難を乗り越えられるはず

そういう連中はたくさん見てきたが まさか自分がそうなるとは思わなかった
僕たちだけは大丈夫と信じて疑わなかった 運命とは皮肉なものだ

生まれ育った湖畔の家へと  夜の闇をついて車を飛ばした
やがて夜が明け僕は大地を見た 木々は根こそぎ焼き払われていた

Don't Give Up あなたにはまだ私たちがいる
Don't Give Up 高望みすることはない
Don't Give Up 生きていくのは容易いなことじゃない
Don't Give Up 安心して暮らせる場所が必ず何処かにあるから

ここを抜け出さなくてはもう耐えられない あの橋の上に立って足元を見つめよう
たとえ何が起ころうと何が終わろうと あの河は流れ続ける  あの河は流れ続ける

別の街へいってそこで落ち着こうとした でも職にあぶれた男はやまほどいる

誰にも望まれないたくさんの男達

Don't Give Up あなたにはまだ私たちがいる
Don't Give Up あなたはひとりじゃない
Don't Give Up 何も恥じることはない

Don't Give Up あなたにはまだ私たちがいる
Don't Give Up ここであきらめてはだめ
Don't Give Up 生きていくのは容易いなことじゃない
Don't Give Up 安心して暮らせる場所が必ず何処かにあるから

(Don't Give Up - Peter Gabriel 1986  訳詞 bibbly様)

先月末、税務署の人が事務所に来てから世の中不況、不況とボヤキ続けてきた。もう不貞腐れても仕方がない。今年の最後くらいは心温まるメッセージで終わろう、そう思ってピーター・ゲイブリエルの名曲、Don't Give Upをエントリーした。

カントリーゴスペルをベースにした二十数年も前の楽曲ながら全く色褪せない。ケイト・ブッシュと掛合うピーターのソウルフルなボーカル、トニー・レヴィンの神秘的なベースライン、リチャード・ティーのサビで被せるピアノアレンジ、すべてが完璧に素晴らしい。

大恐慌時代の米国である著名な報道写真家が中西部を撮影した写真集に収められていた一枚の女性のポートレートを見たことがこの楽曲のモチーフになった。英国の音楽雑誌NMEでピーターのインタビュー記事とそのポートレートを見たけれど、やるせなさそうな女性の表情を今でも鮮明に覚えている。

80年代初頭の英国はサッチャー政権による新自由主義政策のため貧富の格差が増大し、若者の失業が社会問題になっていた。近年の日本と同じ政治、社会情勢だ。職を失くして当所もなく街中で佇む若者の表情がポートレートの女性と重なって歌詞が生まれたとピーターは語っていた。

さて、先般、天皇誕生日で陛下が述べられた大御心を恐惶謹言させて今年を終わろう。

「世界的な金融危機に端を発して、現在多くの国々が深刻な経済危機に直面しており、我が国においても、経済の悪化に伴い多くの国民が困難な状況に置かれていることを案じています。」

「働きたい人々が働く機会を持ち得ないという事態に心が痛みます。これまで様々な苦難を克服してきた国民の英知を結集し、また、互いに絆を大切にして助け合うことにより、皆で、この度の困難を乗り越えることを切に願っています。」


低炭素社会

2008-12-30 | weblog

2009年世界デフレ不況へ

サブプライム危機は「100年に一度」の世界金融危機に発展。日米は2007年末から、欧州も2008年春から景気後退に入っていた模様だが、9月のリーマン・ショック以降急降下。新興国などにも飛び火し、世界同時株安、急激な信用収縮、為替変動を招き、世界同時不況に入っている。

こうした混乱に対し、11月の金融サミットで各国は協調を確認。欧米中央銀行は、政策金利を引き下げ、短期金融市場へ無制限の資金供給を開始し、実質的に量的緩和に踏み出しつつある。また、欧米財務当局は、公的資金を銀行などへ資本注入。さらに金融面以外でも、世界中で景気対策が実施または計画中で、景気後退と信用収縮によるデフレ圧力に抵抗する努力がなされている。

しかし、信用収縮の動きは米国住宅価格が下げ止まる2010年まで残る見込み。また、これまでに発表された景気対策では、特に欧州、日本において、規模、効果ともに不十分であり、デフレ圧力に抗し切れるか疑問で、景気のV字回復は期待できない。

世界経済はデフレ不況に入りつつある。2008年3.3%、2009年1.1%と、2009年は好不況の境目となる3%を大きく下回ると予測。

米国の過剰消費が世界の有効需要をリードする形での成長パターンは崩れた。普通の循環的な景気後退ではなく、調整には少なくとも2010年まではかかるとみる。次の世界の有効需要は、新しい社会の構築、つまり新興国の成長による世界の多極化、環境対応機器・システムの普及による低炭素社会の実現などから生み出されていくことになろう。

日本経済は2008~2009年度、2年連続のマイナス成長に

日本経済も、2007年10~12月期を景気の山として景気後退局面に入っていた模様だが、9月のリーマン・ショック後の2008年度下期から急降下中で2009年4~6月期まで5四半期連続のマイナス成長が見込まれる。2009年度は、円高、輸出減から外需の成長への寄与はマイナスに反転(▲0.9%)。企業収益が圧迫され、設備投資も減少が続く。所得の低迷から個人消費、住宅投資も弱い。

一方、原油価格の下落(91→50ドル/バレル)は、3兆円の所得流入となり成長率を0.6%押し上げる。政府による景気対策も、12月12日に発表された「生活防衛のための緊急対策」の財政上の対応規模は10兆円で、一次有効需要創出で2兆円、乗数効果を含めると2009年度の成長率を0.5%押し上げる効果が期待できる。景気後退、輸出減少、信用収縮の下押し圧力を撥ね返すだけの力はないが、2009年度から日本経済の下支え役にはなろう。

日本の実質GDP成長率は2008年度▲1.0%、2009年度▲1.1%と2年連続のマイナス成長と予測。

(以上、当たり障りのない日立総研から経済予測を無断転載)

どのシンクタンクも日立総研と似たような経済予測をしている。経済は悪化したままだとみんなそう思っている。所詮、経済予測とは現状の経済情勢の分析でしかないのだからシンクタンクはもう少し「芸風」ってのを考えた方がいい。気になるのは、「次の世界の有効需要が、新しい社会の構築、つまり新興国の成長による世界の多極化、環境対応機器・システムの普及による低炭素社会の実現などから生み出されていく」、という点。これもよく言われることだ。そこで、

次のバブルは

私は資源だと思いますね。今はファンドの資金繰りが悪化して原油価格は下がっているけど、それがつぶれて新しいファンドが出てきたら、また投機が始まるような気がします。

バブルは、金融緩和だけでは起きません。「次の時代はこれだ」みたいなストーリーが必要です。その点でも「ヴァーチャルな金融バブルは終わった。これからはリアルな資源の時代だ」というストーリーが用意されている。

上記は池田信夫blogのエントリー”次のバブルは必ずやってくる”の池田氏のコメント。「資源」を次のバブルのキーワードにしている、なるほど。それに関連すれば「低炭素社会の実現」は世界の趨勢となるだろう。ただ、福田チンパンの政権テーマでもあった「低炭素社会」ってのが実は何だかよくわからん。果たしてそれが人類が未来に向け生存を懸けて築かねばならない社会なのだろうか。錦旗となっている馴染のない低炭素が政治的思惑を隠蔽してどうしても胡散臭く思える。


セックスマシン

2008-12-29 | weblog

James Brown / Sex Machine / House Of Blues

ジェイムズ・ブラウンのセックスマシン、いやぁ~最高ですな、ゲロッパ。

気分が昂揚したところで

タリバン情報の見返りはバイアグラ、CIAが高齢部族長に(読売新聞) - goo ニュース

26日付の米ワシントン・ポスト紙は、米中央情報局(CIA)がアフガニスタンの部族長など地元有力者らに対し、イスラム原理主義勢力タリバンの動向に関する情報提供の見返りとして性機能不全治療薬の「バイアグラ」などを渡していると報じた。

CIAは海外での秘密活動で、現金や武器を使って情報源を獲得するのが常とう手段だ。しかし、同紙によるとアフガンでは、武器を与えればタリバンの手に渡る恐れがあるほか、現金を渡した場合、急に金遣いが荒くなるなどしてCIAに協力したことが周囲に発覚する可能性が高く、代わりに物品を提供している。

これまでに提供されたのは、バイアグラのほか、小型ナイフや工具、病気の家族のための医薬品や治療サービス、旅行ビザなど。

情報筋が同紙に語ったところでは、アフガンの部族長はイスラム教で認められている4人の妻を持つ者も多く、高齢の部族長にバイアグラを渡すと特に効果的とされる。ある村では、CIA職員が部族長にバイアグラを渡して4日後に再び村を訪れたところ、部族長からタリバンの動静や補給路などの重要情報の提供を受けた上で、さらにバイアグラを無心されたという。

(以上、読売新聞より引用)

若かりし頃はイスラム教の一夫多妻制を「日本男児の夢」だと思ったりもしたが、50に近づくと上記ニュースのアフガン部族長の気持ちが理解できるようになる。イスラム教の戒律は厳しく遵守しなくてはならない。4人妻に対して夫の面目を保つため、テロ組織タリバンによる命の危険も省みずCIAに情報提供をしなければならないのだ。日本男児に生まれてよかったと思う。

それから、コメントをよく頂くfisher先生ご推薦のジェネリック・シアリス「タドラ」はバイアグラなど問題外の効能だそうだ。中高年のアフガン部族長にはバツグンの効果があると思われる。この記事をスキャンしているCIA職員は是非代替案として検討されたい。

あと、ご近所太陽カレーの「牡蠣とクレソンのカレー」を忘れてはならない。先般、運よく食してみたところ味は勿論絶品のこと、翌朝、股間がハリサケンばかりになっていた。コワイほどの効き目だった。太陽カレーのマスターは世界平和のために来年早々アフガンへ賄い工作員としてCIAに志願すべきだろう。オバマ新大統領もそれを願っている、ゲロッパ。


ベッカムカプセル

2008-12-28 | weblog

“ベッカムカプセル”法廷へ 「ドーピング見解で損害」 (産経新聞) - goo ニュース

治療や疲労回復に効果があり「ベッカムカプセル」としてスポーツ選手らに愛用された「高気圧カプセル」を、「ドーピングに当たる可能性がある」として北京五輪直前に使用自粛を呼び掛けた日本アンチ・ドーピング機構(JADA)に対し、米国のメーカーが売り上げの損失分にあたる約10億円の損害賠償を求める民事訴訟を起こす方針を固めた。JADAの上部機関にあたる世界反ドーピング機関(WADA)は「ドーピングには当たらない」との見解を示しており、訴訟の行方が注目される。

提訴するのは米カリフォルニア州に本社を置く「オキシーヘルス」。高気圧カプセル「オアシスO2」を世界で販売。日本では平成13年から販売されている。14年のサッカー日韓W杯を控え左足のけがの治療を急ぐイングランド代表、デービッド・ベッカム選手が使って注目され、「ベッカムカプセル」とも呼ばれた。

その後、バレーや柔道、レスリングなど幅広い競技の選手が使用し、2年前の夏には早実時代の斎藤佑樹投手(早大)が使って話題を呼んだ。今年5月に75歳で2度目のエベレスト登頂を果たしたプロスキーヤーの三浦雄一郎さんも体調を整える上で愛用している。

ところが今年6月24日、JADAが自粛の見解を打ち出したことで、日本オリンピック委員会(JOC)が北京五輪にカプセルを持ち込まないことを決めたほか、日本高野連も「使用は控えるべき」との見解を示した。自粛ムードが一気に広がり、売り上げにも深刻な影響が出ているという。

これに対し、海外の選手は北京五輪期間中もカプセルを持ち込んで使用しており、日本選手団からは疑問の声が上がっていた。

こうした状況を受け、同社の日本法人などでつくる業界団体の日本国際健康気圧協会(本部・東京都文京区)はWADAに質問状を送付。11月にWADAから「ドーピングに当たらない」との回答が届いた。その後、JADAに見解の訂正を求めてきたが、正式な返答は届いていない。国内の競技団体には「今は公式の見解を出せる状況にはない」などと答えている。

訴訟時期は来年1月上旬の予定で、弁護士と協議を進めている。

同社日本法人の網干博巳社長は「使用している選手や競技団体がうしろめたさを感じることがないよう、JADAには法廷で説明責任をしっかりと果たしてもらいたい」と話している。

(以上、産経新聞より引用)

高気圧カプセルを使用しているのはベッカムだけではない。世間では余り知られていないが、太った中年もフィリピンひったくり事件による右肩挫傷のため高気圧カプセルで治療した愛好家だ。したがって、「ベッカムカプセル」ではなくて「太った中年カプセル」と呼称してもいいだろう。

上記ニュースからドーピングの可能性があるとしてJOCは北京五輪の使用を禁止した。ところが、外国選手は平気でカプセルを使用していた。これは日本人特有の「さわらぬ神に祟りなし」だろう、ならば「神様カプセル」と呼んでもいい。それだけ効果があるという証左でハクがついた。ドーピングによる意識の変化は関知しないが、最初は完璧にトリップしたほどだ。

今月はフィリピンから帰国後、ズゥーと風邪気味でベンザカプセルを服用していたけれど、高気圧カプセルは高野連同様に自粛していた。風邪にはどうなんだろうか、高気圧カプセルでまた風邪が盛り返したらヤだしなぁ、またひとつ悩みが増えた年末になった。

P.S. 有馬記念 ホリエモンの予想

◎13 ダイワスカーレット
○ 7 アルナスライン
▲10 マツリダゴッホ
△12 アサクサキングス

結果 1着ダイワスカーレットで大当たり。


ドル売り

2008-12-27 | weblog

シティバンク・グループの2005年12月から2007年12月までの四半期ごとの会計報告を調べてみると、他資本を利用したレバレッジ取引額の総資本に対する倍率が12.3から18.2倍になっている。マーケットに左右されない自己資本に対する倍率はなんと41.6倍になっている。総資本に対する自己資本率はわずか2.3%。現在の金融マーケットの状況ではシティバンク・グループが手持ち債券を売ってレバレッジ関連のリスク債権を減らすことは極めて難しい。米国最大手のシティバンク・グループは今や世界で最も危険な商業銀行となってしまった。

上記は4月のエントリー”シティバンク”から引用したものだ。昨年10月にシティバンクで口座を開設して、今年の初っ端にドルを買い込んだ。その後暴落し、ヤバイと思ってシティバンクを調べた結果のエントリー記事だ。充分に危険認識をしているではないか。しかし、そのときはどうこうしようとは考えずそのまま塩漬けにした。それから、リーマン破綻、世界不況となり先月シティバンクの身売り話が出て担当者はヤメた。そうこうしてやっとドルを円・ペソに割りふって損切りで口座を解約した。ドルの暴落、塩漬け、損切りという最悪の1年だった。でも、来年もまだドルが下落するらしい。

1月末までに1ドル=80円も

外国為替市場ではドル売りが強まるとみる。米系ファンドなどがユーロ圏のほかブラジルやトルコへの新たな投資に動き出し、手元のドルを売ってユーロなどを買うためだ。また欧州中央銀行(ECB)が1月15日の定例理事会で、政策金利を据え置き利下げ打ち止め感を示せば、ユーロ買い・ドル売りが加速する可能性もある。ドルは対円でもつられて下落し、2009年1月末までは1ドル=80~95円で推移するとみる。

(以上、日経ヴェリタスより引用)

但し、経済学者の池田信夫blogでは

バブルはまた必ずやってくる

そう、バブルがいつやってくるかが問題で、それが分かれば人生、苦労はないつーの。


風邪気味

2008-12-26 | weblog

風邪の効用(ちくま文庫) 野口晴哉

風邪は自然の健康法である。風邪は治すべきものではない、経過するものであると主張する著者は、自然な経過を乱しさえしなければ、風邪をひいた後は、あたかも蛇が脱皮するように新鮮な体になると説く。本書は、「闘病」という言葉に象徴される現代の病気に対する考え方を一変させる。風邪を通して、人間の心や生き方を見つめた野口晴哉の名著。

(以上、ブックレビュー)

別に隠していたワケではないけど、今月フィリピンに渡航中風邪をひいた。といってもそんなに酷い症状ではなく、喉が少し痛くて体がダルイ程度で風邪気味のほうが妥当だろう。ただ、それがもうズルズルと10日以上続いている。治ったのか治ってないのかよくわからない。したがって上記の「あたかも蛇が脱皮するように新鮮な体になる」感覚がない。昔は「風邪の効用」の入浴法(ちょっと熱い風呂に入り、サッと汗を掻く)ですぐに風邪は治った。これは年齢的なものなのか、体の衰えは隠せない。意識も緩慢でブログをエントリーするのもズーっとカッタルイ。チンタラしているのもそのためだった。

飯島愛さん、死後1週間経過=死因特定進める-警視庁(時事通信) - goo ニュース

で、飯島愛さん。死因云々より死後1週間経過が孤独でもの悲しい。合掌。


乾いた夫婦

2008-12-25 | weblog

夫婦の4割「セックスレス」…仕事の負担増が影響?(読売新聞) - goo ニュース

10~40歳代までの夫婦の4割近くが、1か月以上性交渉しない「セックスレス」の状態であることが22日、厚生労働省研究班(主任研究者=武谷雄二・東大医学部教授)の調査でわかった。

「仕事で疲れている」「面倒くさい」といった理由をあげる人が多く、仕事の負担増などが少子化の一端を担っている可能性があるという。

調査は今年9月、16~49歳の男女3000人を対象にアンケート形式で実施。うち、「性交渉したことがある」と答えた1468人のうち、最近1か月間の性交渉がない人は39・9%だった。夫婦間に限った場合、36・5%がセックスレスで、2年前の調査より1・9ポイント増えていた。40歳以上の夫婦では4割以上だった。

一方、初めて性交渉した年齢は平均19歳で、中学生のころに「母親が嫌い」、「朝食を食べない」と答えた人ほど、初体験の時期が早い傾向が見られた。女性の8・3%は手首を切る自傷行為(リストカット)の経験があり、こうした人も初体験が低年齢化する傾向が見られたという。調査した日本家族計画協会の北村邦夫常務理事は「少子化対策のなかで、仕事と家庭のバランスをきちんと考えていくことが必要だろう」と話している。

(以上、gooニュースより引用)

上記、厚労省の研究班はセックスレスが少子化の一因としているのだろうか。そうだとしたら夫婦間のセックスレス36・5%は高い数字ということになるが、基準ってどうなんだ。理由の「面倒くさい」は夫婦間ならよく理解できる。40歳以上の夫婦セックスレス4割が多いというより、むしろ6割がセックスをしていることの方が驚異だ。このようなアンケートは見栄と恥じらいがあるから鵜呑みに出来ない。何を伝えたいのかよくわからないニュースだ。調査した日本家族計画協会は国民の性生活を豊にするための厚労省の天下り団体らしい。ホームページで乾いた性生活に潤いを与える潤滑用ゼリーを販売している。愛国納税者として国の将来を憂いセックスレス夫婦には厚労省認可の潤滑用ゼリープレイを推奨する。


トヨタ・ショック

2008-12-24 | weblog

トヨタ、初の営業赤字へ=最高益から一転、円高・販売不振響く(時事通信) - goo ニュース

トヨタ自動車は22日、2009年3月期の連結業績予想(米国会計基準)を大幅に下方修正し、本業のもうけぶりを示す営業損益が前期実績の2兆2703億円の黒字から1500億円の赤字に転落する見通しになったと発表した。通期での営業赤字は公表データのある1941年3月期以来、初めて。売上高は21兆5000億円(従来予想23兆円)、純利益を500億円(同5500億円)にそれぞれ減額した。米金融危機を発端に世界的な販売不振や円高が急激に進行したことが主因。08年3月期に過去最高益を記録した同社は一転、一年で営業赤字に転落する事態に陥った。

(以上、gooニュースより引用)

「100年に一度の経済危機」を象徴するトヨタの赤字転落。自動車は基幹産業だけに屋台骨が揺らいで日本の経済は長期的に衰退するようだ。来年も暗くて長い不況のトンネルは続く。あーあ、ヤッテられないよな、久しぶりにジョンのクリスマス・ソングでも聞くか。


非核四原則

2008-12-23 | weblog

外交文書公開 佐藤-マクナマラ会談 「核武装」カードに瀬戸際外交(産経新聞) - goo ニュース

米の疑心逆手 安保の“実”

今回明らかになった外交文書は、佐藤栄作首相が「瀬戸際政策」を貫ける、わが国では希有(けう)な政治指導者であったことを、あらためて印象付けた。

この瀬戸際政策の背景にあるのは、マクナマラ国防長官との会談3カ月前に成功した中国の核実験だが、これを機に米側に生じた「日本の核武装」への疑念を、佐藤氏は外交の切り札に利用した。佐藤氏が核武装を否定(私的には肯定)してもなお、米側は疑念を解かない。だからこそ、佐藤氏は、マクナマラ国防長官との会談前日のジョンソン大統領との会談で「核の傘」の保証を要請し、大統領に応じさせた。

そして佐藤氏は、マクナマラ氏との会談で、たとえ通常兵器であっても、中国の日本に対する軍事行動には、「日本」ではなく、米国の核兵器で即時報復する方針を求めた。これは米側の懸念を逆手に取ったものだ。米戦略が明言されれば、これを中国側に認識させ、中国の侵攻を抑止することができるという計算が背景にある。

実は、後の沖縄返還(1972年)に至る過程でも、佐藤氏は「核武装」を利用した。「核抜き・本土並み返還」を国民に約束する一方、米軍が沖縄を撤退すれば日本が核武装する雰囲気を醸成した。その結果、米軍基地・艦艇への「核持ち込み」と「核武装」は取引され、67年に佐藤氏が公表した「非核三原則」へとつながっていく。65年の段階で、マクナマラ氏に核持ち込み黙認を示唆したことは、その伏線であったといえよう。 

「非核三原則」は、核兵器の「製造・保有・持ち込み」の禁止であった。その一つ「持ち込み」は積極的に黙認してきた。「非核」に加えて専守防衛という制約下では、他に国を守りようがないからだ。

一方で「製造・保有」は佐藤内閣時代、関係組織で極秘裏に検討しており「はったり」ではなかったが故に、米国の譲歩を引き出すことに成功した。

佐藤氏は「核武装論者」に限りなく近い「核の傘論者」であったのだ。

核を「議論せず」を加えた「非核四原則」で、国は守れないことの歴史的証明である。

(以上、産経新聞より引用)

産経新聞は他の新聞報道に比べ、当時の政治状況を踏まえ、佐藤栄作首相の外交手腕を積極的に評価していてよろしい。ただ、なぜこの時期に米国は外交文書を公開したのかが疑問。中国と北朝鮮への単なる牽制だろうか。米国の思惑がよくわからない。


麻生太郎、諭す

2008-12-22 | weblog

雇用対策取り組みアピール=麻生首相がハローワーク視察(時事通信) - goo ニュース

麻生太郎首相は19日午前、東京都渋谷区のハローワークを視察した。景気後退を背景に企業の採用内定取り消しや派遣社員の解雇などが深刻化する中、雇用対策に取り組む姿勢をアピールする狙いだ。

首相は職員から雇用を取り巻く環境や利用状況の説明を受けたあと、職を求める人たちで混雑する求人情報の検索コーナーなどを見学。非正規労働者が対象の特別相談窓口では、北海道から上京したという若い男性と意見交換し、「どうせなら六本木とかおしゃれなところで働きたい」と語る男性に、「世界中どこでもそうだが、何となく格好いい仕事は給料が安い。力仕事やしんどい仕事は実入りがでかい」と諭した。

(以上、gooニュースより引用)

なんたって謎の中国人リチャード・クー曰く「世界不況の救世主」麻生首相だ。一挙一動が注目される。が、早くも期待を裏切った。上記ニュースはTVでも報道され、相談に乗る救世主麻生首相の目は薄気味悪く輝き、とても救世主とは思えない凡庸な発言に終わった。「六本木とかおしゃれなところで働きたい」と語ったマヌケで気の弱い若い男性はどう考えても世間から罵声を浴びる。ハローワークの視察は政府広報が企画したのだろうか、見え透いた意図が後味の悪いニュースとなった。


オバマ・ムソリーニ説

2008-12-21 | weblog

この国はどこへ行こうとしているのか 起訴休職外務事務官・佐藤優さん

 ◇「世直し暴力」防げ--佐藤優さん(48)

ぎろり。射抜くようなまなざしが、さらに鋭くなった。佐藤優さん(48)の逆鱗(げきりん)に触れてしまったらしい。東京・日比谷にあるレストランの一室。インタビューが始まって、まだ少ししかたっていなかった。

「あなたはプロフェッショナルな記者で、こっちだって命かけてやっている。根拠もないのに、印象論で来るのは極めて不まじめじゃないか。どう思います?」

激しい口調でたたみかけられ、思わずたじろいだ。

かつて「外務省のラスプーチン」の異名を取った外務官僚。最高裁へ上告中の現在は、抱えた連載が40本以上。原稿の量は月1000枚をくだらない。超売れっ子作家にして、「国策捜査」に異を唱える刑事被告人。そんな複雑な立場だが、「『右』と『左』の間を渡り歩いている」との誤解を招かないよう、細心の注意を払っている。

そんな心情を深く推し量ることもなく、「媒体によって何となく雰囲気が違うように見えるのですが……」などと、不用意な言葉を投げ掛けてしまったのだ。

佐藤さんは少し間を置き、落ち着いた口調で言った。「僕は右と左の両側から、日本がファシズムに陥る可能性を阻止しようと思って体を張っているつもりなんだ」。厳しく迫ってきたのは「お前も覚悟を持って仕事をしろよ」というメッセージなのだろう。

     ■

政治、経済から日常の生活まで、閉塞(へいそく)感や行き場のなさが日本を覆っている。そんな中、ゆがんだ歴史認識を披露した田母神俊雄・前航空幕僚長の懸賞論文問題や元厚生事務次官宅を舞台とした連続襲撃事件が続いた。

「田母神論文は誰もがクーデターを意識させられただろうし、元厚生次官を巡る事件は、初動の段階で『年金テロ』との見立てが言論空間に広がった。クーデターやテロが起こりかねない世の中だという不安が生じる一方で、それらによる世直しへの期待もわき起こる。二つの問題は、日本人の集合的無意識を大きく変えたと思います」

テロやクーデターは許してはならない。佐藤さんはその理由をこう考えている。

「国家とは合法的な暴力を独占する機関で、どんなテロもクーデターも、いずれは封じ込めてしまいます。でも、その過程で暴力性を高めるんです。国家すなわち官僚が、社会や国民に露骨な圧迫を加える状況を招く。我々は1930年代にそうした状況を経験しています」

佐藤さんが国家の持つ暴力性をはっきりと意識したのは、外務官僚として遂行した職務を巡り、逮捕、起訴されてからだった。鈴木宗男衆院議員と行動を共にしたための事件だった、との思いは消えない。だが、国家が不必要であるとは思わない。ソ連の国家崩壊による混乱をじかに見てきたからだ。

「国家は必要悪です。必要に力点を置くか、それとも悪に力点を置くかはその都度変わってくる。ただ、国家は常に統制を強化し、官僚のために動く危険性がある。そうならないよう、チェックし続けることが大切です」

     ■

逮捕、起訴さえなければ、今なお外交の一線で活躍していたであろう佐藤さん。08年の世界情勢について尋ねると、「10年後になって、世界史の転換点と位置づけられるかもしれない」との答えが返ってきた。

まず気になったのは、アメリカの動向だ。「バラク・オバマ氏が今後、米国をファシズム国家に変ぼうさせる危険性がある」というのだ。米国のみならず、日本など世界各地で新たなリーダーとして拍手喝采(かっさい)を浴びるオバマ氏と、世界を第二次大戦に陥らせる遠因ともなったファシズム。どうにも結びつきづらい。

すると、佐藤さんは1920年代のイタリアを引き合いに出した。

「人種差別を伴うナチズムと違い、ファシズムはどの国でも出やすいんです。ベニト・ムソリーニは『イタリアを真剣に考え、能動的に行動するのがイタリア人』とけん伝し、ファシズム運動を始めた。オバマ氏の演説も、国民と指導部が一緒に変容していこう、と国民の能動性を強調する点で似通っている」

こうも言う。「リーマン・ブラザーズが破綻(はたん)し、もはや自由主義的な資本主義が発展する潜在的な可能性が失われたことは明らかです。かといって、社会主義革命を経て共産主義にとの処方せんもない。そこで、資本主義を前提に、国家機能を強化しながら社会問題を解決するため、ファシズムが台頭することはあり得ます。ちなみに僕の見立てでは、8月にグルジアと戦争状態になったロシアも危険です」

日米関係の今後が気になる。どう米国と向き合えばいいだろう。

「弱っているとはいえ、米国の力を過小評価してはいけません。オバマ氏は米国大統領であると同時に世界大統領。日本大統領とも言える。EU(欧州連合)にロシア、中国が加わっても、国力は米国の方が圧倒的に強い。まずはこうした冷徹な認識が必要でしょう。ブッシュ・小泉時代のような、なあなあの関係はもう終わり。米国の政権与党が代わるので、日米関係は仕切り直しです」

     ■

ファシズムやテロ、クーデター……。戦前をほうふつとさせるキーワードを連発する佐藤さん。戦後63年がたち、新たな「戦前」が忍び寄っているのではないか。「国家機能を強化しなければとの意見では、与野党から国民まで一致するでしょう。でも、そのための方法が分からなくなっている。まず真剣に考えるべきは、テロやクーデターでの世直しを防ぐことです」

そのためには、過去を学ぶことが大切だと言う。

「急がば回れということで、まずは思想的な耐性をつけるべきでしょう。本をしっかり読む。戦前の歴史をきちんと勉強し、テロやクーデターについて『手段はよくないが動機はいい』という物語が作られた過程を見ておかなければならない」

佐藤さんは、言論の力こそがファシズムに対抗できると信じている。「活字はファシズムと相いれない要素が高いんですよね。映像や音は、受けた瞬間に嫌悪感であるとか好感が生じ、人を動員する。それに対し、活字は本や雑誌を開かなければ始まらない。そして一度頭に入った時に咀嚼(そしゃく)しなければいけない。このワンクッション、ワンテンポ遅れが大事なんですよ」

「ファシズムの入り口となるのは排外主義。例えば『沖縄は基地でカネをもらってごね得じゃないか』『ニートやフリーターは怠け者』といった、論理的でない言説はすぐに退けていかなければならない。日本がおかしくなったと後で振り返らないですむように、言論活動を続けたい」

「2週間前の風邪が抜けない」とせき込みつつ、2時間しゃべりっぱなしの佐藤さん。握手を交わすと、次の仕事に飛んでいった。

(以上、gooニュース 特集ワイドより無断転載)

上記のインタビュー記事もリチャード・クーの麻生救世主論と同類だろうか。イタリアのムソリーニを引き合いに出し、新しい米大統領オバマ(日本の大統領でもある、は言い得て妙)によって米国がファシズム化する危険があるというところは強引なコジツケのように思える。米国が北朝鮮のような国家になるとは俄かに信じがたい。ラスプーチン佐藤はキリスト教徒で尊王家、護憲派だという。なんか独特の世界観を持っていそうだ。


フィリピンのたこ焼き

2008-12-20 | weblog

今回、フィリピン滞在中の昼メシは日本食レストランが集まるリトルトーキョーにあるいつもの洋食の店「華」で毎日食べた。2か月ぶりだ。そこのマスターに「今、不況で大変でしょう」と聞くと、「他のお店はヒマだけどうちは売上げが上がったよ」、そう意外な返事が返ってきた。なんでも夕方から店先でごく普通のたこ焼きとおでんを販売したら、たこ焼きがヒットしたと自慢気に語った。

聞けば、たこ焼きを販売開始したらすぐさま出版社に勤めるフィリピン人が取材に来て、彼のブログ(フィリピンでは有名らしい)にたこ焼きの記事が掲載された。すると同じくフィリピン人で食べ歩きブログをやっている連中がドッと押し寄せて来た。それが呼び水となってフィリピン人客がドッと増えたそうだ。小さなお店は忙しいらしく日本人のコックを新たに2人雇っていた。

以前からたこ焼きかクレープをヤリたいと言っていたけれど、まさか店先で本当に始めるとは思わなかった。ナニシロ隣の店が老舗のお好み焼き店「神楽」だ。「華」のマスターは熱狂的な巨人ファン、方や「神楽」は熱狂的な阪神ファン。今年巨人が優勝した勢いでたこ焼きを始めたら予想外の展開で大当たりした。不況の世の中、しかもフィリピン、ナニが起きるのかワケワカラン。


麻生救世主論

2008-12-19 | weblog

【聖杯は何処に】日本の経験伝え恐慌防げ 野村総研チーフエコノミスト リチャード・クー

くしくも現在の日本の総理大臣、麻生太郎氏は日本経済が抱える問題の本質を当初から完全に理解していた数少ない政治家であった。

麻生首相は、もともと経営者なので、バランスシートの問題を理解している。借金返済の苦しさもその恐ろしさも理解している。また、民間が債務の最小化に向かっているときは中央銀行の金融緩和が効かなくなることも分かっている。だからこそ、麻生首相は財政出動の必要性を訴えているのだ。

しかも外需が激減した今の日本は、少なくとも真水10兆円の政府支出の拡大が必要だ。減税をしても借金返済や貯蓄に回って景気対策にならないからだ。

11月に行われた主要国と新興国20カ国による緊急首脳会合(金融サミット)でも麻生首相は日本の経験を訴え、財政出動に反対だった米国のスタンスを変えた。首脳声明にも財政出動の必要性を明記した。麻生首相は極めて重要な日本の成功例を必死で海外に伝えているのである。

海外もようやく日本の成果に気付き始め、日本から学ぼうとしている。以前はあれだけ日本の公共事業と銀行への資本投入をたたいていた欧米諸国が、今やすべてこれらの政策を採用している。中国も57兆円もの景気刺激策を決めた。われわれはずっと正しいことをやってきたのだ。

麻生首相は国内で、失言したとか、字を読み間違えたとか、想像もできない低次元の問題でたたかれているが、海外では中国の胡錦濤主席も米国のブッシュ大統領も必死に麻生首相の話を聞いて参考にしようとしている。日本の総理の話がこれだけ世界で注目されたことが過去にあっただろうか。

日本にも優秀な政治家は多数いるが、海外に日本の経験を自身の言葉で、そして英語で話せる政治家はそう多くない。麻生首相は日本が世界を正しい方向へ導くためには不可欠な人物なのだ。

字を読み間違えたくらいで、政権をつぶしてしまえという今のマスコミ世論は正気の沙汰(さた)ではない。

(以上、産経新聞より転載)

リチャード・クー氏については経済学者の池田信夫氏が以前ブログで批評している。

「リチャード・クー氏へ」 (池田信夫blog)

それにしても凄いコラムだ。麻生首相が世界不況の救世主だとは夢にも思わなかった。


日本の誇れるもの

2008-12-18 | weblog

「日本に生まれ良かった」=8割超が回答-NPO法人調査(時事通信)

不況や政治の停滞、重大犯罪の多発など閉塞(へいそく)感が漂う中、国民の8割超が「日本が好き」「日本に生まれて良かった」と考えていることが17日、特定非営利活動法人(NPO法人)「広報駆け込み寺」(三隅説夫代表)のアンケート調査で分かった。

調査は11月11、12の両日、インターネットを通じて20歳以上の男女を対象に実施。1030人から回答があった。

「日本が好き」は84%、「日本に生まれて良かった」は86%を占めた。「日本が世界に誇れるもの」として、ともに94%が「伝統文化」「伝統工芸」を挙げ、「これから取り組むべきこと」は「政治の質向上」(78%)が、「より力を入れるべき産業」は「農林水産業」(68%)がトップ。

自由記述式の「『日本』と聞いて思い浮かぶもの」では、「富士山」(43%)が1位だった。

(以上、gooニュースより引用)

毎月のようにフィリピンへ行き、帰国すればなんとなくホッとする。だからこのニュースを見て、まあ「日本に生まれて良かった」と思っている。ただ「日本が世界に誇れるもの」となると考え込んでしまう。日本の伝統文化や伝統工芸が世界に誇れるほど価値のあるものとは思えない。日本の科学技術、例えば世界のトヨタ車か、といえばこの世界不況で赤字決算だからなぁ。では一体、なんだろう。


ショック・ザ・モンキー

2008-12-17 | weblog

今回の渡航で機内読書用に茂木博士の文庫本「茂木健一郎の脳科学講義」を空港内の書店で買った。本のタイトルは気恥ずかしいけれど、元は「脳の中の小さな神々」を編集したものだ。一般的な脳科学書とは趣が異なり内容は面白い。例えばミラーニューロンについての箇所を引用してみる。

サルの運動前野という前頭葉の部分を研究していたイタリアのパルマ大学の研究者たちが、休憩時間になってアイスクリームを食べはじめた。彼らがアイスクリームを口に持っていくと、サルの神経細胞がガーって活動した。(中略)その神経細胞は、もともとサルがエサをとって口に持っていくときに活動していた細胞だったんです。つまり、自分が行動するときに、そして他人が同様の行動をするのを見ているときに、同じ細胞が活動する。自分の行動と他人の行動の両方を鏡に映したように表現しているということでミラーニューロンと名づけられた。(引用以上)

このサルで見つかったミラーニューロンはその後、人間の脳でもブローカ野という言語を出力する領域で見つかった。それはなんでも「心の理論」という他人の心の状態を推定する能力、社会的知性の本質に深くかかわるそうだ・・・なーんて凡庸な感想を書くつもりは毛頭ない。

大体、サルの頭を電気ドリルでコジ開け、脳ミソに電極を刺してアイスクリームを食うというシュールな光景にピーター・ゲイブリエルの傑作ビデオクリップ”ショック・ザ・モンキー”を思い出した。ミラーニューロンが見つからなかったら、ただのイタリアン変態科学者の集まりか、さらに人間の脳でも見つかったのなら人体実験をしたのか、とツッコミたくなった。実にハイな気分の機内読書だった。