空色野原

空の下 野原にねころんで つぶやく

ライト・ゲート

2008-07-17 16:03:29 | プロフィール
今年も季節がやってきました。
7月25日『時間をはずした日』。
去年予告いたしました物語がスタートします。
アドレスは当日お知らせいたします。

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『 Light gate~ライト・ゲート~』 

その男はコヨーテのような胸の内を抱いて月夜の惑星を歩んでいる。
果てしなき遥か永劫のかなたから
エナタン・ソダーバーグはそうであったように感じている。
はかり知れぬほどの切なき暗闇。
コヨーテはそれが哀しくて吠えるのか。哭くのか。

時折、無性に破壊してしまいたくなる。
自分に触れるものを。自分を愛そうとする者を。
そればかりか自分自身さえも。
自らのその衝動の源に未だ心当たりがない。
まるで月も凍るような深夜のような胸中とは
いったいどこからやって来ているのか?

エナタンは行き詰まりの果てにこの世界から旅立った。
荒涼とした風景のそこで出会ったのは
案内人と称する山羊のような蹄を持つ男だった。
ホロンと名乗るその男は12の門を案内する。
地獄のようでもあるそれらの門をくぐりながら
エナタンはついに自らの切なき暗闇の根源と出会う。
ホロンは言う。
12番目の門の向こうに
エナタンがほんとうに望んでいたものがあると。
いくつもの門の果てにエナタンが辿り着いた「光の門」とは?


約35日間の連載です。


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2 コメント

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Unknown (りみ)
2008-07-19 21:34:52
連載ですね。
エナタン・ソダーバーグは自殺してしまったのですね、、って訊くのも野暮な質問ですが、楽しみに読ませていただきます。
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ははは。 (ben-chicchan)
2008-07-20 15:53:27
あ、そっか。行き詰まって旅立った。となると、なるほど。象徴的すぎたかな?ま、はじめはくら~いです。だけど、いわずもがなですが、光、の門です。そのキボウなしには書けない話ですね。車で走っていたときに、不思議な感情におそわれまして。それがあまりに強烈だったので書かずにはおれなかったものです。よろしくどうぞ。
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