空色野原

空の下 野原にねころんで つぶやく

投資としては最低、寄付としては最高、の心

2009-09-24 21:01:30 | 元気になる人物伝
マット・フラナリーさん(32)

 ケニアの農家女性、イラクの理髪師、カンボジアの漁師ーー。融資を求める途上国の事業家と、25ドルからの無利子融資に応じる個人をネット上でつなぐ、NPO「KIVA」を05年、米国で立ち上げた。融資者は世界で50万人を超え、融資総額は近く1億ドルに達しそうだ。
 日本でも千人以上が参加する。社会的企業を支援するNPO「SIJ」の招きでこのほど来日した。
 米テレビ機器会社のIT技術者だった。仕事は好きだが、どこか満たされず、04年に休暇をとってアフリカへ。NPOを手伝い事業家たちの話を聞いて歩くうち、彼らの起業家精神に打たれた。「援助に頼る人々という、私の持っていたイメージが一変した」。彼らの情熱を世界に伝え、融資という対等な目線で支援を募るサイトを思いつく。
 投資でも寄付でもない無利子融資への理解はなかなか得られず、最初の数ヶ月はサイトへのアクセス数も低迷した。でも、全米一の人気ブログに紹介され、手軽さと顔の見える親近感で参加者は急増した。「投資としては最低。寄付としては最高。人間は利己的な生物だというのは一面的な見方だ。人は本来、誰もが寛大さと慈愛の心を持っている」
 最近、参加者の要望に応えて融資先に米国の小規模事業者も加えた。多くが移民らマイノリティーだ。
「先進国と途上国、第一世界と第三世界といった、人々を隔てる観念上の垣根を取っ払いたい」(朝日新聞 09.9.9)


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