空色野原

空の下 野原にねころんで つぶやく

10万の敵にたった一人で挑む

2007-03-07 15:10:02 | 映画
大国が小国に攻め入り、力で制する――21世紀になってもそれは絶えることはないが、強者のエゴに敢然と立ち向かい、弱者を守り抜こうとした集団が2000年以上も前の中国に存在した。儒家と並ぶ勢力を誇りながら、歴史の闇に葬られた<墨家>である。戦乱の世に「非攻」や「兼愛」を掲げ、自らは決して攻撃を仕掛けることはなく、しかし守るためには戦闘のプロとなった。この集団は、春秋時代末の紀元前5世紀に思想家・墨子によって創始された。そして紀元3世紀、始皇帝の中国統一によって戦国時代が終わると忽然として消えた。

以上はかんたんな<墨家>の説明ですが、
これを日本人が漫画化して大反響となり、海外でも反響を呼び
日本、韓国、香港、中国が手を組んで映画化したそうです。
現在上映中。
『10万の敵にたった一人で挑む』は映画のキャッチフレーズです。

2000年前にそういった集団がいたことがオドロキでした。
映画、観ました。
アンディ・ラウさんははじめてみましたがこの映画にはピッタリ。
単純にかっこいいです。
映画自体はエンターテイメント性を意識したのか
原作にないアンディの相手役の若い女性が出て来て
リアル感がちょっとばかしそこなわれた感はありましたが、
<墨家>というのがあったということを歴史から掘り起こして
人目に触れた功績はおっきいと思いました。

墨家には十論というのがあって、
●「兼愛(自分を愛するように他人を愛せ)」●「非攻(侵略と併合は人類への犯罪)」●「天志(天帝は侵略と併合を禁止する)」●「明鬼(鬼神は善人に味方して犯罪者を処罰する)」●「尚賢(能力主義で人材を登用せよ)」●「尚同(指導者に従って価値基準を統一せよ)」●「節用(贅沢を止めて国家財政を再建せよ)」●「節葬(贅沢な葬儀を止めて富を蓄えよ)」●「非楽(音楽に溺れず勤労と節約に励め)」●「非命(宿命論を信じず勤勉に労働せよ)」
だそうです。

ちょっと残念なのは「非楽」。
音楽がないと生きていけないのでこれだけはごかんべんを・・。
ま、溺れて怠惰になるのを戒めたんでしょうね。
それにしても2000年前とは・・。

始皇帝にとってはあまり都合がよくないので、
掃討されたという説があるそうです。

墨攻
http://www.bokkou.jp/


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6 コメント

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音楽は生活の一部です! (及川宏子)
2007-03-07 23:28:02
非楽(音楽に溺れず勤労と節約に励め)
…無理。ミッチーの曲が聴けないなんて、生きていけません。溺れてますけど、幸せです♡

キリスト教に勧誘されたとき、「推理小説禁止」と言われて、絶対はいるモノかと思いました。どうしてダメなんでしょうかねぇ。
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へええ! (ben-chicchan)
2007-03-08 13:57:23
推理小説だめなんですか!はじめて知りました。
なんでなんでしょうかねぇ?
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Unknown (トトロ)
2007-03-08 19:19:39
日本人が漫画化したっていうのが、すごいですよね。
それにしても、このキャッチフレーズは、すごく
興味をそそらせますよね。「どうやるんだろう」って。
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デショ? (ben-chicchan)
2007-03-08 21:47:18
わたしもソレでそそられました。どうやるかは・・。観る時のお楽しみを奪ってはいけないのでいいませぬ。ま、わたしの想像とはちと違っておりましたが、面白いシーンもありました。敵の10万の軍を率いる大将が、闘う前にその主人公の革離と将棋のようなものをさすんですね。連戦連敗。で、彼は革離に一目置いて闘うのでした。
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漫画 (アキ)
2007-03-09 14:25:08
原作の漫画がコンビニで売ってたので、買ってみました。映画は見てないけど、漫画も迫力があって面白いです。全八巻で現在出ているのが三巻まで。続きが読みたくてうずうず。。。
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へえ。面白ソー。 (ben-chicchan)
2007-03-09 20:38:50
漫画だと坊主頭のコワモテなんですよね。革離。アンディは坊主にするつもりだったそうですが、ジェイコブ・チャン監督がこれでいこうとなったそうです。この監督もアンディも原作の大ファンだったそうな。映画「日本国憲法」をつくったジャン・ユンカーマンという映画監督は「非攻」「兼愛」という現在の中国ではマイナーらしい墨家の思想を日本人が見つけて小説、漫画にし、香港の監督が映画化して、香港、中国、台湾の俳優が出て、制作に日本もかかわっているということが面白い、日本人は第二次大戦を挟むことでこういった思想に共感できるのでしょうね、と言ってました。
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