Ⅳ. 生活編
<目次>
※長文にご注意下さい。所要約7分です。
1. GWは朝晩の冷え込みに注意
海外旅行で気になるのが現地の気候とお天気。服装や持ち物も変わりますし、それなりの備えが必要。
GWに訪れた印象では、イタリア中部はおおよそ東京と同じような季節感。緯度で言えばローマは函館と同じくらいなのですが、気候的には東京とあまり違いはありません。
加えて東京と比べると年間を通じて降水量は少ないそうで、好天に恵まれる可能性大。せっかくの旅行が連日の雨で台無しになる心配は少ないそうです。
ただ、GWの4月下旬〜5月上旬の時期は昼と夜とで寒暖差が大きいので要注意。最高気温は日本と同じ20度前後ですが、朝晩はかなり冷え込みました。
滞在中の最低気温は10度前後といったところ。しかしトスカーナやウンブリアでは日によって5度くらいまで冷え込むこともありびっくり。
今回の訪問では、薄手のダウンジャケットにフリース、マフラー、手袋、ニット帽、さらにヒートテックの下着に至るまで、冬物持参で助かりました。
また、海外のホテルではややもするとエアコンの効きが悪かったり、お風呂のお湯がぬるかったりすることもまま。
風邪を引くとまずいので、暖かくして寝れるよう注意が必要です。今回は持参したフリースとヒートテックの下着が役立ちました。
なお、昼間は20度前後まで気温が上がるものの、日陰に入ると空気はひんやり。登山ではありませんが、服装は重ね着で調整するのがベターです。
ちなみに、この写真は昼間のピエンツァ。
通行人の皆さんもコート着用なのが分かると思います。
目まぐるしく変わるイタリアの天気
一方、イマイチ分からないのがイタリアの気象の動き。イタリアは温暖な地中海性気候と言われるものの、具体的にどんな気候か今ひとつ分かりません。
日本の天気は、偏西風の影響で西から東へ天気が移動するのはご存知の通り。ある意味とても分かりやすく、予想が立てやすい。
一方、イタリアをはじめ、ヨーロッパの天気はどうも不可解。どう天気を予想すればいいのか分かりません。
今回の訪問では、全般的に曇り時々晴れ一時雨。一日の中でも目まぐるしく天候が変わる旅行でした。滞在した7日間のうち雨に降られたのはなんと4日もあったのです。
ただ、1日中雨が降り続けるわけではなく、ザーッと降ってしばらくすると晴れてくるといった感じ。
時期的にイタリアもちょうど季節の変わり目だったのかもしれません。
が、ネット情報などを見ると、雨が降っても1日中雨が降り続けることは少ないのがイタリアの特徴、との記載も。やはり日本とは違う気象条件なのかもしれません。
ちなみに、前回訪問した2012年のGWは比較的好天に恵まれ、7日間の滞在中で雨に降られたのは2日のみ。それ以外は気持ちのいいお天気でしたので、随分と異なる印象です。
なお、イタリア中部で降水量が少ないのは夏。逆に多くなるのは冬場だそうですが、日本と比べると年間を通じて降水量は少ないようで、旅行者にとってはありがたいところです。
天気予報のサイトとアプリ
そんななか、天気予報で利用したのは次のサイトです。
Tempo Italia
https://www.tempoitalia.it
イタリアのお天気サイトです。週間予報が一覧で見れて便利ですが、広告が多すぎて見る気をなくすのが欠点。また、スマホだと雨雲レーダーがうまく表示されません。
il Meteo
https://www.ilmeteo.it
同じくイタリアのお天気サイト。さいわい広告は下の方に表示されるのでストレスなく見れます。
スマホ版だと週間予報の一覧に気温が表示されませんが、スマホを横持ちにすると表示されます。衛星画像や雨雲レーダーもあるので便利。
いずれのサイトも画面上部の「cerca citta」(都市名検索)という検索欄に都市名を打ち込めば、その都市の予報が表示されます。
ちなみに、両社の予報はまま食い違っており、どちらを信じれば良いか迷いました。が、どちらかといえばil Meteoの方が当たりやすいかも。
一方、インターネットサイトに比べて見やすいのはやはりお天気アプリ。
定番のAccuWeatherをはじめ、お天気レーダー、Earth 3Dなどが使いやすいですが、予報のソースが分からないのはちょっと不安。
一方、イタリアのアプリMeteo in Direttaは、天気予報だけでなく、レーダー類もいろいろあるので便利でした。
いずれのアプリも雨雲レーダーが確認できるのと、日の出、日の入り時刻も確認できます。
2. ネット環境はプリペイドのSIMカード
今回の旅行ではホテルのWi-Fiが唯一のネット接続の手段でしたが、通信回線が細いためか、なかなかつながらず苦労しました。
オルチャ渓谷内を移動する際も、Googleマップ利用にはやはりネット接続が便利。
そのため、どうしても必要な場合に限ってやむなく海外ローミングを利用しました。
海外ローミングで常時接続すると、1日あたり最大で約3千円。7日間で2万円を超えることになります。
これだと正直実用に耐えないため、Wi-FiルーターかプリペイドSIMカードを利用するのが良さそうです。
特にプリペイドのSIMカードは、約30〜40ユーロ(4〜5千円)で4〜10GBの容量が利用できるので1週間程度なら十分持ちそう。
Wi-Fiルーターは1週間程度借りると1万円以上かかるため、やはりお得なのはSIMカードのようです。
イタリアであれば、ローマのテルミニ駅をはじめ各所にTIMという通信会社が店舗を構えており、旅行者用のパック料金で購入可能。
その場でSIMカードの購入から設定までやってもらえるので便利です。
ただ、そもそも手持ちのスマホがSIMフリーでないと使えないので、注意が必要ですが。
3. トイレは近隣の町で
オルチャ渓谷は畑がどこまでも続く農耕地なのでトイレがありません。
そこで、近隣の町で公衆トイレやお店などのトイレを拝借することになります。
今回は主にピエンツァの駐車場にある無料トイレを利用。ピエンツァはその他にもプラート門の近くや城壁沿いの沿道にもトイレがありました。
一方、サン・クイリコ・ドルチャでは公衆トイレが見当たらず、食事で入ったレストランを利用。
おそらく探せばあるとは思いますが、残念ながら見つかりませんでした。
モンテプルチャーノは、入口のプラート門の近くの観光案内所に設置されています。こちらはたしか有料だったと記憶しています。
有料トイレは入口で料金を払います。これはオルビエートで利用した有料トイレですが、こんなイメージ。
トイレのドア横にこの装置があり、所定の金額を投入すると利用できる仕組みです。
ちなみに、ローマ・テルミニ駅2階のトイレでは、改札口のようなゲートを通過する際に料金を投入する仕組み。一方、ペルージャ駅構内のトイレは入口に係員がおり、料金を渡す仕組みでした。
料金はだいたい都市部で1ユーロ、田舎で50セント。常に小銭を持ち歩く必要がありますのでご注意下さい。
4. 買い出しや食事はサンクイリコで
オルチャ渓谷での買い出しや食事もやはり近隣の町になります。
宿泊場所にもよりますが、ピエンツァかサン・クイリコ・ドルチャあたりが便利と感じました。
特にサンクイリコには比較的大きなco-opがあるのと、レストランやカフェも比較的揃っている印象です。
一方、ピエンツァのco-opはやや小ぶりで、町中のレストランやカフェも限られている印象でした。
もしかしたらピエンツァ旧市街の城壁から外側に出るとお店があるのかもしれませんが、確認できませんでした。
なお、観光シーズンにはピエンツァは観光客でごった返し、値段もかなり高くなるそうですが、GW期間は観光客も少なく問題ありません。
ちなみに、日本に帰ってから気付いたのですが、ロッカ・ドルチャにもco-opやレストランがありました。オルチャ渓谷の西側に宿泊される場合はここも1つの候補かも。
5. 意外と通じた英語
前回の2012年のイタリア紀行では、町中であまり英語が通じずに、カタコトのイタリア語で悪戦苦闘した記憶がありました。
今回はオルチャ渓谷というトスカーナの片田舎。さすがに英語は通じないだろうと身構えていたら、思いのほか英語が通じてビックリ。
ホテルのご主人から、カフェやチーズ屋さんの店員まで問題なく英語を話します。
ホテルのルーム係や、スーパーのレジのおばさんなどはイタリア語のみでした。
田舎の町とはいえ、世界遺産に登録された地域。世界各国から観光客が訪れるため、地域のみなさんも積極的に英語でコミュニケーションを取られているのだと感じました。
最低限の挨拶とサバイバル・イタリア語だけ覚えていけば、なんとかなりそうな印象です。
ちなみに、せっかくイタリア語を勉強するなら、オススメはこちらの本。
・イタリア語のしくみ(野里 紳一郎著)
・カタコトのイタリア語がらくらく話せる本(町田 亘著)
いずれも、前回のイタリア旅行の際に勉強した本。
「イタリア語のしくみ」は、読み物風に書かれたイタリア語の入門書。おそらく分かりやすさでは断トツだと思います。
イタリア語に限らず、この「しくみ」シリーズは非常に分かりやすく、初めて外国語に触れるときなど大変読みやすいのでおススメです。
一方、「カタコトのイタリア語…」は、最低限必要でシンプルな基本フレーズ集。CDの音声がやかましいのが難点ですが、ここまでシンプルなフレーズ集は他には見当たらず、とにかく丸覚えしていけばそこそこ使えます。
実はこちらの本は絶版なのですが、同じ著書の「イタリア語が面白いほど身につく本 」という本が出ています。
ただ、こちらはちょっと説明が簡略化されすぎていたり、ページ数が多いのが難点。やはり中古で旧版を入手されるのがベターです。
なお、イタリア語に限らずヨーロッパ言語の特徴は、語尾が変化することで文が成り立つこと。
男性名詞と女性名詞、主語の人称、単数と複数、時制などの変化に応じて、目まぐるしく単語の語尾が七変化します。
あまりのルールの複雑さにとてもまじめに勉強しようという気になりません。
が、なるほどこんな仕組みなのか、という程度の豆知識があれば、現地でのコミュニケーションもちょっと楽しくなるかもしれません。
それでは良い旅を!
そんなわけで、長年の夢だったオルチャ渓谷訪問もなんとか終了。
山あり谷ありの珍道中でしたが、それこそ一度は見てみたい世界の絶景のひとつ。大きな都市と比べると訪れるのはちょっと手間ですが、それだけの価値ある場所と思います。
皆さんもぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。
さて、ベコのイタリア紀行はこのあとローマに移動します。
が、ここでいったん小休止。次回からしばらく国内のベコ旅に出かけます。
乞うご期待です!