ベコが行く!涅槃な旅路

旅するベコのゆるみ系ブログ。

オルチャ渓谷ドライブ情報(4)生活編

2019年09月29日 | ベコのイタリア紀行2019

Ⅳ. 生活編

<目次>

1. GWは朝晩の冷え込みに注意
2. ネット環境はプリペイドのSIMカード
3. トイレは近隣の町で
4. 買い出しや食事はサンクイリコで
5. 意外と通じた英語

※長文にご注意下さい。所要約7分です。

    

1. GWは朝晩の冷え込みに注意

海外旅行で気になるのが現地の気候とお天気。服装や持ち物も変わりますし、それなりの備えが必要。

GWに訪れた印象では、イタリア中部はおおよそ東京と同じような季節感。緯度で言えばローマは函館と同じくらいなのですが、気候的には東京とあまり違いはありません。

加えて東京と比べると年間を通じて降水量は少ないそうで、好天に恵まれる可能性大。せっかくの旅行が連日の雨で台無しになる心配は少ないそうです。

ただ、GWの4月下旬〜5月上旬の時期は昼と夜とで寒暖差が大きいので要注意。最高気温は日本と同じ20度前後ですが、朝晩はかなり冷え込みました。

滞在中の最低気温は10度前後といったところ。しかしトスカーナやウンブリアでは日によって5度くらいまで冷え込むこともありびっくり。

今回の訪問では、薄手のダウンジャケットにフリース、マフラー、手袋、ニット帽、さらにヒートテックの下着に至るまで、冬物持参で助かりました。

また、海外のホテルではややもするとエアコンの効きが悪かったり、お風呂のお湯がぬるかったりすることもまま。

風邪を引くとまずいので、暖かくして寝れるよう注意が必要です。今回は持参したフリースとヒートテックの下着が役立ちました。

なお、昼間は20度前後まで気温が上がるものの、日陰に入ると空気はひんやり。登山ではありませんが、服装は重ね着で調整するのがベターです。

ちなみに、この写真は昼間のピエンツァ。

通行人の皆さんもコート着用なのが分かると思います。

 

目まぐるしく変わるイタリアの天気

一方、イマイチ分からないのがイタリアの気象の動き。イタリアは温暖な地中海性気候と言われるものの、具体的にどんな気候か今ひとつ分かりません。

日本の天気は、偏西風の影響で西から東へ天気が移動するのはご存知の通り。ある意味とても分かりやすく、予想が立てやすい。

一方、イタリアをはじめ、ヨーロッパの天気はどうも不可解。どう天気を予想すればいいのか分かりません。

今回の訪問では、全般的に曇り時々晴れ一時雨。一日の中でも目まぐるしく天候が変わる旅行でした。滞在した7日間のうち雨に降られたのはなんと4日もあったのです。

ただ、1日中雨が降り続けるわけではなく、ザーッと降ってしばらくすると晴れてくるといった感じ。

時期的にイタリアもちょうど季節の変わり目だったのかもしれません。

が、ネット情報などを見ると、雨が降っても1日中雨が降り続けることは少ないのがイタリアの特徴、との記載も。やはり日本とは違う気象条件なのかもしれません。

ちなみに、前回訪問した2012年のGWは比較的好天に恵まれ、7日間の滞在中で雨に降られたのは2日のみ。それ以外は気持ちのいいお天気でしたので、随分と異なる印象です。

なお、イタリア中部で降水量が少ないのは夏。逆に多くなるのは冬場だそうですが、日本と比べると年間を通じて降水量は少ないようで、旅行者にとってはありがたいところです。

 

天気予報のサイトとアプリ

そんななか、天気予報で利用したのは次のサイトです。

Tempo Italia
https://www.tempoitalia.it

イタリアのお天気サイトです。週間予報が一覧で見れて便利ですが、広告が多すぎて見る気をなくすのが欠点。また、スマホだと雨雲レーダーがうまく表示されません。
 

il Meteo
https://www.ilmeteo.it

同じくイタリアのお天気サイト。さいわい広告は下の方に表示されるのでストレスなく見れます。

スマホ版だと週間予報の一覧に気温が表示されませんが、スマホを横持ちにすると表示されます。衛星画像や雨雲レーダーもあるので便利。

いずれのサイトも画面上部の「cerca citta」(都市名検索)という検索欄に都市名を打ち込めば、その都市の予報が表示されます。

ちなみに、両社の予報はまま食い違っており、どちらを信じれば良いか迷いました。が、どちらかといえばil Meteoの方が当たりやすいかも。

一方、インターネットサイトに比べて見やすいのはやはりお天気アプリ。

定番のAccuWeatherをはじめ、お天気レーダー、Earth 3Dなどが使いやすいですが、予報のソースが分からないのはちょっと不安。

一方、イタリアのアプリMeteo in Direttaは、天気予報だけでなく、レーダー類もいろいろあるので便利でした。

いずれのアプリも雨雲レーダーが確認できるのと、日の出、日の入り時刻も確認できます。

 

2. ネット環境はプリペイドのSIMカード

今回の旅行ではホテルのWi-Fiが唯一のネット接続の手段でしたが、通信回線が細いためか、なかなかつながらず苦労しました。

オルチャ渓谷内を移動する際も、Googleマップ利用にはやはりネット接続が便利。

そのため、どうしても必要な場合に限ってやむなく海外ローミングを利用しました。

海外ローミングで常時接続すると、1日あたり最大で約3千円。7日間で2万円を超えることになります。

これだと正直実用に耐えないため、Wi-FiルーターかプリペイドSIMカードを利用するのが良さそうです。

特にプリペイドのSIMカードは、約30〜40ユーロ(4〜5千円)で4〜10GBの容量が利用できるので1週間程度なら十分持ちそう。

Wi-Fiルーターは1週間程度借りると1万円以上かかるため、やはりお得なのはSIMカードのようです。

イタリアであれば、ローマのテルミニ駅をはじめ各所にTIMという通信会社が店舗を構えており、旅行者用のパック料金で購入可能。

その場でSIMカードの購入から設定までやってもらえるので便利です。

ただ、そもそも手持ちのスマホがSIMフリーでないと使えないので、注意が必要ですが。

 

3. トイレは近隣の町で

オルチャ渓谷は畑がどこまでも続く農耕地なのでトイレがありません

そこで、近隣の町で公衆トイレやお店などのトイレを拝借することになります。

今回は主にピエンツァの駐車場にある無料トイレを利用。ピエンツァはその他にもプラート門の近くや城壁沿いの沿道にもトイレがありました。

(C)google

一方、サン・クイリコ・ドルチャでは公衆トイレが見当たらず、食事で入ったレストランを利用。

おそらく探せばあるとは思いますが、残念ながら見つかりませんでした。

モンテプルチャーノは、入口のプラート門の近くの観光案内所に設置されています。こちらはたしか有料だったと記憶しています。

(C)google

有料トイレは入口で料金を払います。これはオルビエートで利用した有料トイレですが、こんなイメージ。

トイレのドア横にこの装置があり、所定の金額を投入すると利用できる仕組みです。

ちなみに、ローマ・テルミニ駅2階のトイレでは、改札口のようなゲートを通過する際に料金を投入する仕組み。一方、ペルージャ駅構内のトイレは入口に係員がおり、料金を渡す仕組みでした。

料金はだいたい都市部で1ユーロ、田舎で50セント。常に小銭を持ち歩く必要がありますのでご注意下さい。

 

4. 買い出しや食事はサンクイリコで

オルチャ渓谷での買い出しや食事もやはり近隣の町になります。

宿泊場所にもよりますが、ピエンツァかサン・クイリコ・ドルチャあたりが便利と感じました。

特にサンクイリコには比較的大きなco-opがあるのと、レストランやカフェも比較的揃っている印象です。

一方、ピエンツァのco-opはやや小ぶりで、町中のレストランやカフェも限られている印象でした。

もしかしたらピエンツァ旧市街の城壁から外側に出るとお店があるのかもしれませんが、確認できませんでした。

なお、観光シーズンにはピエンツァは観光客でごった返し、値段もかなり高くなるそうですが、GW期間は観光客も少なく問題ありません。

ちなみに、日本に帰ってから気付いたのですが、ロッカ・ドルチャにもco-opやレストランがありました。オルチャ渓谷の西側に宿泊される場合はここも1つの候補かも。

 

5. 意外と通じた英語

前回の2012年のイタリア紀行では、町中であまり英語が通じずに、カタコトのイタリア語で悪戦苦闘した記憶がありました。

今回はオルチャ渓谷というトスカーナの片田舎。さすがに英語は通じないだろうと身構えていたら、思いのほか英語が通じてビックリ

ホテルのご主人から、カフェやチーズ屋さんの店員まで問題なく英語を話します。

ホテルのルーム係や、スーパーのレジのおばさんなどはイタリア語のみでした。

田舎の町とはいえ、世界遺産に登録された地域。世界各国から観光客が訪れるため、地域のみなさんも積極的に英語でコミュニケーションを取られているのだと感じました。

最低限の挨拶とサバイバル・イタリア語だけ覚えていけば、なんとかなりそうな印象です。

ちなみに、せっかくイタリア語を勉強するなら、オススメはこちらの本。

・イタリア語のしくみ(野里 紳一郎著)

カタコトのイタリア語がらくらく話せる本(町田 亘著)

いずれも、前回のイタリア旅行の際に勉強した本。

「イタリア語のしくみ」は、読み物風に書かれたイタリア語の入門書。おそらく分かりやすさでは断トツだと思います。

イタリア語に限らず、この「しくみ」シリーズは非常に分かりやすく、初めて外国語に触れるときなど大変読みやすいのでおススメです。

一方、「カタコトのイタリア語…」は、最低限必要でシンプルな基本フレーズ集。CDの音声がやかましいのが難点ですが、ここまでシンプルなフレーズ集は他には見当たらず、とにかく丸覚えしていけばそこそこ使えます。

実はこちらの本は絶版なのですが、同じ著書の「イタリア語が面白いほど身につく本 」という本が出ています。

ただ、こちらはちょっと説明が簡略化されすぎていたり、ページ数が多いのが難点。やはり中古で旧版を入手されるのがベターです。

なお、イタリア語に限らずヨーロッパ言語の特徴は、語尾が変化することで文が成り立つこと。

男性名詞と女性名詞、主語の人称、単数と複数、時制などの変化に応じて、目まぐるしく単語の語尾が七変化します。

あまりのルールの複雑さにとてもまじめに勉強しようという気になりません。

が、なるほどこんな仕組みなのか、という程度の豆知識があれば、現地でのコミュニケーションもちょっと楽しくなるかもしれません。

 

それでは良い旅を!

そんなわけで、長年の夢だったオルチャ渓谷訪問もなんとか終了。

山あり谷ありの珍道中でしたが、それこそ一度は見てみたい世界の絶景のひとつ。大きな都市と比べると訪れるのはちょっと手間ですが、それだけの価値ある場所と思います。

皆さんもぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。

    

さて、ベコのイタリア紀行はこのあとローマに移動します。

が、ここでいったん小休止。次回からしばらく国内のベコ旅に出かけます。

乞うご期待です!


 


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秋分を迎えた一週間。苔玉くんは残念無念だべこ!

2019年09月28日 | ベコガーデン2019

今週は暦の上の秋分を迎えました。

昼と夜の長さが同じになる日です。

これから徐々に夜が長くなってくるのです。

気持ちの良い秋晴れも楽しみな季節ですね。

そんななか、ベコガーデンにも秋の気配が。

ベコ 「さわやかな秋晴れだべこ!」

粘りの菜の花くんは、今週も開花中。

先週、ヘロヘロだった葉っぱは少し持ち直してきました。

虫喰いも殺虫剤のおかげでおさまった模様。

ひと安心ですね!

一方こちらはひまわりくん。

期待を裏切る首なしひまわりも、ついにしおれてきました。

そろそろおしまいでしょうか。

そしてこちらはサマーウエーブ。

相変わらず青々した枝葉。

意外と粘りますな。

そして、最後は苔玉くん。

ベコ 「完全にしおれてるべこ〜」

おっと、これはひどい!

こうなると、もはや完全にアウトです。

鮮やかな紅葉を楽しみにしていただけに、ホントに残念。

ベコも納得がいきません。

それにしても原因はまったく不明。

悔やみきれない、無念の苔玉くんなのでした。

つづく


 


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オルチャ渓谷ドライブ情報(3)レンタカー編

2019年09月22日 | ベコのイタリア紀行2019


Ⅲ. レンタカー編

<目次>
1. まずはレンタカーを手配
2. ナビと地図を使い分けよう
3. 砂利道と山道には要注意
4. 駐車場での停め方
5. 猛スピードで走るイタリアの車
6.給油はガソリンとディーゼルに注意
7.難解な保険加入に四苦八苦

※長文にご注意下さい。所要約13分です。

     

1. まずはレンタカーを手配

オルチャ渓谷旅行に欠かせないのがレンタカー。すでにご説明の通り渓谷内は公共交通機関もなく、起伏があるため徒歩や自転車では限界があります。

そのため車が必須となるのですが、ローマ空港で借りてそのままオルチャ渓谷へ行く人もいれば、オルチャ渓谷の近隣で借りる人まで様々。

オルチャ渓谷周辺でレンタカーがあるのはアレッツォ、ペルージャ、キウージ、オルビエートなど。どこもオートマ車は少ないので早めの予約が必要です。

今回は旅程の関係からペルージャでレンタルしました。ペルージャからオルチャ渓谷までは1時間半かからない距離。地図で見ると遠そうですが、走ってみると意外と近いのが実感でした。

 

rentalcars.comで検索

レンタカーの予約には『rentalcars.com』を利用。イタリア旅行専門サイトの『アーモイタリア』で紹介されていたレンタカー予約のポータルサイトです。

検索した結果、今回利用したのはペルージャ駅のBudgetレンタカー

お隣のAvisレンタカーとともにペルージャ駅の建物に付設されてました。ペルージャ訪問を終えたのち、車を借りてそのままオルチャ渓谷へ移動するのに便利なロケーションでした。

(C)google

訪れてみると小さなオフィスですが、スタッフの女性は英語も話して、明るく親切な対応で安心。

予約した車はオートマのトヨタ・ヤリス(日本名 ヴィッツ)。ところが実際には本場イタリアのフィアットで、オートマ兼マニュアルの洒落た車でした。

ただ、乗ってみるとやはり外国車。操作方法が分からない部分が多く、特にハンドル周りにボタンがたくさんついていて、何が何やらという感じでした。

取扱説明書を見ても説明はイタリア語。イラストが少ないため、今ひとつ分かりません。

びっくりしたのはサイドミラーのたたみ方。あちこちボタンを押してみても、一向にサイドミラーがたためません。いぶかしく思っていたら、後日たまたま手で折りたたむことが分かりました。

なお、フィアットの後部トランクはたっぷり収納可能。イタリアでは盗難被害が多いので、車内に荷物を置いて車を降りるのは厳禁。そのため密閉式トランクのあるコンパクトカーで助かりました。

ちなみに、ペルージャ中心部は道路が交錯していてびっくり。ローマと比べればマシですが、首都高のような複雑な道路を抜け出るのにひと苦労でした。

 

レンタカーの営業時間に注意!

レンタカー利用でひとつ重要な留意点です。

イタリアはじめヨーロッパでは、地方のレンタカーの営業日や営業時間に要注意です。

土日祝日は閉店だったり、営業時間が短いことがあります。

そのため今回は平日を選んで予約したのですが、危なかったのは昼休み。なんと12時から15時まで昼休みで閉店になるのです。

のんびり昼頃に行ったら、15時まで待たされるところでした。

 

2. ナビと地図を使い分けよう

海外での運転に欠かせないのが地図やナビ。ただ、それぞれ一長一短があり、うまく使い分けが大切と感じました。

 

意外と不便なGARMIN

まずはナビ。

当然ながら、レンタカーのオプションで申し込みます。現地で貸与されたのは定番のGARMIN。フロントガラスに貼り付けるタイプで、画面も見やすいものでした。

助かったのは画面表示を日本語に設定できること。アナウンスの声はさすがに英語でしたが、画面操作の際にパッと見て分かるのは何よりでした。

ナビを返却する際は英語設定に戻して返却するように言われました。たしかに日本語画面で返却されたらスタッフの方も困るでしょうね。

そんなGARMINですが、複数ルート検索ができず単一のルートしか表示されないのは不便でした。

表示されたルートとは別のルートを通りたい時は、無理やりそちらの道を進み、自動でルート修正されるのを待つしかありませんでした。

また、レンタカー屋さんからは、車を離れるときは盗難防止のためGARMINも持って降りるように言われたのですが、その都度取り外すのはちょっと厄介でした。

 

Googleマップのオフライン利用は要注意

一方、ネットの旅行記などで多く紹介されていたのが、スマホでGoogleマップをナビとして使う方法

こちらは画面表示もアナウンスも日本語なので、海外でもストレスなく運転できるのが最大のメリット。

また、GARMINでは表示されない道が一部にありましたが、Googleマップでは道路地図も更新されており問題ありませんでした。

ちなみに、Googleマップのオフラインモードを推奨する方もいましたが、意外と不便な面も。

1つ目は、オフラインモードだとなぜかGPSが現在地を見失うことが多く、いざという時に困ることがありました。

2つ目は、オフラインモードだと複数ルート検索ができないうえ、別の道を進んだ際のルートの自動修正も行われないことに気づきました。これはなかなか厄介です。

加えて3つ目として、地図上に表示されるスポットがかなり減るようで、「あれ?ここら辺にあったお店が無くなってる…」ということがたびたびありました。

やはりGoogleマップはオンライン利用が必要だと痛感しました。

 

紙の地図で全体像を把握

さて、こうしたナビとは別に、事前に準備すると良いのが紙の道路地図

これもネットの旅行記で知ったのですが、ナビの画面では全体イメージがつかみにくいため、紙の地図があると便利とのことでした。

実際の感想としても、やはり紙の道路地図があると全体像が分かるので便利でした。GARMINやGoogleマップは縮尺を変えると地名が表示されなくなるなど意外と不便な面も。

そんなわけで紙の地図として購入したのは2種類。

・Toscana (Michelin Maps)
・Siena e Val d'Orcia (Touring Club Italiano)

結果的には、Michelin(ミシュラン)の道路地図が見やすくてベターでした。ただ、トスカーナ全域の地図のため、ちょっと縮尺が小さ過ぎるのが難点。もう少し大きく見える地図があると良かったかも。

一方、Touring Club(ツーリングクラブ)の地図は、オルチャ渓谷を含むシエナ地方のみ掲載。大きさとしてはいいのですが、肝心の道路番号が記載されていません。また、なんとなく図がゴチャゴチャしていて見にくい印象も。

結局、ミシュラン地図を使用しましたが、どちらを使ってもどっこいどっこい。大きな問題は無さそうです。

 

3. 砂利道と山道には要注意

オルチャ渓谷の道路には舗装された道路と、未舗装の砂利道・山道があります。

ご紹介したSP146など、SP××という道路はきちんと舗装されており、車の運転も問題ありませんでした。

基本的にオルチャ渓谷はSP××という道路で囲まれているため、舗装道路だけ走ることは十分可能です。

一方、厄介なのが道路番号の付いていない未舗装の砂利道や山道

すでにご説明の通り、土地が粘土質のため雨が降るとコテコテの粘土になりますし、乾けば乾いたでザラザラの石灰のような道になります。

特に怖いのは急な坂道。ブレーキをかけたら、そのままズルズル滑っていきそうで非常に怖いのです。そのため、できるだけ未舗装の道は避けた方が無難かも。

今回、特に難儀したのはモンテキエッロからモンテプルチャーノに抜ける細い道。Googleマップを見ると「サンバルトロメーオ通り」とありますが、これがまた細くて足元の悪い急な山道でした。

(C)google

これは、前述のガイドブック『Hill towns of Central Italy』で、モンテキエッロからモンテプルチャーノまでの近道として紹介されていたのですが、この道を選んだのは大失敗。

トスカーナの町は小高い山や丘の斜面に作られています。そのため、メイン道路を一歩はずれると車1台がやっと通れるくらいの細くて急な田舎道が迷路のように交錯しています。

舗装もされておらず、Uターンもできず、ひとつ間違ったら谷底に落ちそうな山道を必死の思いで運転する羽目になるのです。

モンテキエッロだけでなく、モンテプルチャーノ周辺でも同じような道路。

(C)google

返す返すも、生きて帰れてホントによかったです。

道路番号のない怪しい道にはぜひご注意ください。

 

4. 駐車場での停め方

前回ご紹介したように、オルチャ渓谷の道路には、路肩部分にちょっとした退避スペースや空き地があるので、そこに車を停めて撮影できます。

一方、近隣の町を訪れる際は、その町の公共駐車場に車を停めることになります。

トスカーナの町はいずれも城壁に囲まれた中世の町。城壁沿いに駐車場が並んでいることが多く、空きスペースを見つけて車を停めることになります。

ただ、問題なのは町の入口に近い駐車場はどこも車がいっぱい。また、中には急な坂道での縦列駐車など、かなり難度の高いところも。

そんな訳で、今回の旅行で実際に利用した駐車場をご紹介します。

 

ピエンツァ

ピエンツァも城壁沿いに駐車場が並んでおり、ほぼ満車状態。

(C)google

そのため、1番のオススメは旧市街の北東部にある駐車場。Googleマップでは「Punto Sosta Comunale」と表示されています。

これがその駐車場。

(C)google

ここは有料駐車場ですが、比較的広い場所で空きスペースも多く、無料トイレも設置されているので助かります。

駐車場を出て旧市街の城壁に向かって歩くと、ちょうど城壁に小さな門があり、細い路地が続いてます。その道を進めばピエンツァのメインストリートにぶつかります。

なお、この駐車場では金曜の午前中にマーケットが開かれるとのこと。その時間帯は使えないようなのでご注意ください。

 

モンテプルチャーノ

一方、モンテプルチャーノは周辺で最大の町。車の通行量もけっこう多く、駐車場もたくさんあります。パッと見たところ駐車場P1からP7まで表示がありました。

この町は山の斜面に沿って作られた町なので、入口は実質的にプラート門に限られます。そのため駐車場もプラート門近くが良いのですが、1番近い駐車場P1は当然ながら満車状態。

当日は門から徒歩2〜3分のところにある駐車場P2に空きスペースを発見。有料ではありましたが、なんとか事なきを得ました。

(C)google

ちなみに、P7はプラート門からかなり離れており、徒歩20分近くかかりそうな気配。P7からだと、プラート門ではなく別の門から城壁内に入るのかもしれませんが未確認です。

 

サン・クイリコ・ドルチャ

ここも城壁に囲まれた小さな町。城壁沿いに車がズラーっと並んでいますが、おそらく地元の方の車ではと思います。

(C)google

便利そうなのは、町の東側の通り沿いにある無料駐車場。『Cafe Dante』というカフェの隣ですが、残念ながら満車状態。

(C)google

そこで今回利用したのは町の北側にある無料駐車場。教会裏の斜面の階段を降りて、道路を渡ったところにあります。

(C)google

それほど広くはありませんが、車の数も多くないためゆったり停められました。

なお、スーパーco-opで買い物する場合は、co-opに駐車場があるのでそこに停めれば問題ありません。

 

コルトナ

オルチャ渓谷ではありませんが、ご参考までコルトナの駐車場です。

コルトナは山の斜面に広がる町で、細くて急な坂道を登っていきます。うかつにもナビの指示を間違えて違う道に入ってしまい、山の斜面で右往左往してしまいました。

ナビに表示されていない山道を進み、どこをどう走ったのかも分からないまま、偶然にも駐車場にたどり着いたのですが、着いてみると意外と広い無料駐車場でした。

(C)google

ただ、ブログでもご紹介した通り、当日はメーデーの大混雑。車を停められるまで1時間半も費やしてしまい、ホントにぐったりでした。

 

駐車場のラインに注意

さて、駐車場に停める時はいくつか注意点があります。まずは、駐車スペースに引いてあるライン

このラインは色によって制限があるので注意が必要です。

・白色ライン…無料駐車スペース
・青色ライン…有料駐車スペース
・橙色ライン…地元住民の駐車スペース

該当する駐車場の写真を再掲します。

・白色ライン…無料駐車スペース

・青色ライン…有料駐車スペース

・橙色ライン…地元住民の駐車スペース

われわれ観光客は、無料の白色ラインか有料の青色ラインに駐車します。

オレンジの橙色ラインには駐車できないので注意が必要です。

 

駐車料金の払い方

そこで、青色ラインの有料駐車場での料金の払い方です。

とりあえず車を停めたら、料金箱のような機械の所へ。

これはピエンツァの駐車場にあった機械ですが、駐車する時間相当分の料金を投入してボタンを押すとチケットが発券されます。

そのチケットを車のフロントガラスから見えるように、ダッシュボードの上に置いておけばOK。

チケットには駐車期限が印字されているので、その時刻までに車に戻るのです。

ピエンツァの駐車場は1時間1.7ユーロでしたので、日本円で220円くらい。良心的な値段かも。

なお、この料金箱はお釣りが出ませんので、小銭をたくさん作っておく必要があります。

 

5. 猛スピードで走るイタリアの車

慣れない外国での運転ですが、苦労した点を3つほど。

1つ目が右側通行の左ハンドル。頭では分かっていても、体が慣れません。

特に怖かったのは曲がり角。

曲がる際についつい左車線に入りそうになるのですが、そこに対向車がやってくるのでヒヤヒヤです。

結局、最後まで慣れませんでした。

2つ目はイタリア人の運転スピード。とにかく、細い一般道でもビュンビュン飛ばします

こちらが時速50キロ程度で走っていて、バックミラーに後続車が見えたかと思うと、ぐんぐん近ずいて距離を詰めてくるではありませんか。

そして、あっという間に追い越して、道の彼方に消えていくという次第です。

問題なのは片側1車線の道路や一本道。後ろにピッタリつかれると、こちらも気が気でありません。

ただ、決してあおられるようなことはなく、もくもくと後ろを付いてきます。

追い越し可能な場所に出たら、速やかにウインカーを出して道を譲るのですが、何台の車に道を譲ったか数えきれませんでした。

そして3つ目に苦労したのがターンアラウンド。いわゆる「ロータリー」ですが、ヨーロッパでよく見かけます。

交差点には信号機がなく、グルグル回りながら自分の行きたい道へ曲がるのです。

(C)google

これまた慣れませんでしたが、幸いオルチャ渓谷周辺のロータリーは小さなものが多く、通行量も少ないのでゆっくり曲がることができました。

これが都市部の大きなロータリーだったらと思うと、ゾッとします。

なお、交通標識は比較的日本と似ているので問題ありませんが、念のため交通標識のサイトです。(イタリア語)

http://www.dbverona.it

 

6.給油はガソリンとディーゼルに注意

給油の際にまず気をつけないといけないのがオイルの種類

日本でいうガソリンは、イタリア語で「ベンジーナbenzina」。一方、日本でいうディーゼルは、イタリア語で「ガゾーリオgasolio」

ややこしいですが、ガソリンとディーゼルを間違えたら一大事。

自分のレンタカーがガソリン車なのかディーゼル車なのか、よく確認が必要です。

ガソリンスタンドでは、セルフとスタッフがありましたが、操作を間違えるといけないのでスタッフにお願いしました。

ちなみに、給油口を開けるボタンがなかなか見つからず焦っていたら、なんと手で直接開けるタイプなのでした。

前述のサイドミラーといい給油口といい、意外とアナログなので思わず笑ってしまいました。

 

7.難解な保険加入に四苦八苦

さて、レンタカー編の最後は車の保険です。

海外で事故を起こしたらそれこそ一大事。万が一に備えて保険もしっかりかけておきたいところ。

ただ、レンタカーの経験も少なく、イマイチ保険もよく分からないのが正直なところ。四苦八苦しながら保険書類を読みました。

 

基本となる保険は3種類

まず、基本パッケージに含まれていたのが以下の保険。

・損害補償 CDW:免責€1,220
・盗難補償 TW:免責€2,318
・第三者損害補償 TP:金額の記載なし

損害補償(CDW:Collision Damage Weaver)はレンタカーの車両を損傷した時の保険。盗難補償(TW:Theft Weaver)はレンタカーそのものが盗難にあった時の保険。第三者損害補償(TP:Third Party)は、第三者に損害を与えた時の保険、とのこと。

で、ここでの問題は「免責金額」。これは保険対象となる事故を起こした時の自己負担額のことです。

たとえば損害補償CDWでは、全損害額のうちまず€1,220を自分で支払い、それ以上を保険がカバーしてくれるということ。盗難補償TWなら€2,318が自己負担額

つまり、日本円で15万円とか30万円が自己負担となるのです。

これはかなりの大金ですし、旅行を中断して手続きをしなければならず、想像しただけで大変。そのため、こうした免責額を「ゼロ」にしておくのがベターというわけです。

そのためには、現地で手続きする際にこれらの免責額を「ゼロ」にしてほしいと申し込みが必要です。

また、損害補償CDWではタイヤやガラスの損傷は補償されません。そのためオプションで窓ガラス等の補償を申し込むことになります。日本のレンタカーも同じだと思いますが念のため。

そのようなわけで、今回は次のようなオプションを申し込みました。

・特別損害補償(SDW:Super Damage Weaver)保険料€61.31
・特別盗難補償(STW:Super Theft Weaver)保険料€54.90
・窓ガラス補償(WP:Windscreen Protection)保険料€10.76

3日間合計で€126.97の保険料が追加料金として発生しますが、日本円で約16,500円。これで15万円とか30万円という自己負担額や窓ガラス代がゼロになるのです。

また、免責額をゼロにしておくと、車を返却する際に車両の損傷確認が不要になります。ガソリンの満タン確認をしてキーを返したらそれで手続き完了。そのまま帰ることができます。

結果的に事故もなく無事に帰ってきましたが、それこそ安心のための保険料ということです。

 

対人対物保険は強制保険

ところで、上記の損害補償CDWと特別損害補償SDWですが、当初は日本でいう「対人対物保険」かと思っていました。

しかしながら保険書類をよく読んでみると、どうやら「自分の車両の損傷」のみが対象で、対人対物保険ではない様子。

それでは、対人対物保険はどうなっているかと書類を読むと、「第三者損害保険TP」がそれに該当する模様。とはいえ、上記の通り補償金額などの記載がないので、どの程度の金額を補償してくれるのか疑問でした。

帰国後に調べてみたところ、ヨーロッパではこの第三者損害保険が 対人対物保険に相当し、なおかつ日本の自賠責保険と同じ「強制保険」となっていることが分かりました。

そして、その補償限度額は国ごとに法で定められているとのこと。たまたま見つけたAvisのサイトによるとイタリアは上限€250万。日本円だと約3億円になる計算です。

日本のように補償額が「無制限」ではないようですが、かなりの金額なのであまり心配はいらない、との記事もありました。

そうであれば、書類にもそう書いてほしいところですが、法で定められた強制保険のため、あらためて記載されないことが多いとの情報もあり驚きました。

 

未舗装の道路の事故は保険適用外?

最後に2点ほど補足です。

1つは今回申し込んだ保険には「搭乗者傷害保険」がありませんでした。事故で運転者や同乗者が怪我したときに補償される保険です。ただ、海外旅行保険に別途加入していればカバーされるので、二重で申し込む必要はありません。

2つ目は、当然ながら規則違反などで事故を起こした時は、これらの保険は適用されません。が、いくつかのサイトを読むと、「未舗装の道路」で事故が起きた時も保険の対象外になるので注意、と書かれていました。これにはびっくりですが、今回の保険書類の中に記載はなく、疑問は解消されないままでした。

今回、山の砂利道に何度も迷い込んで苦労しましたが、保険が効かなければ一大事。後になってヒヤリとしたところです。

いずれにしても、レンタカーはオルチャ渓谷訪問の生命線。しっかり予約してしっかり保険をかけましょう。

さて、次回は「生活編」。オルチャ渓谷訪問時に知っておきたい気候をはじめ、お買い物・食事などの情報をご紹介いたします。

つづく


 


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朝晩ヒンヤリの一週間。ベコガーデンは絶体絶命だべこ!

2019年09月21日 | ベコガーデン2019

朝晩もめっきり涼しくなって、今週は寒いくらいでした。

季節が急に進み始めたようです。

そんななか、ベコガーデンもちょっとヒンヤリ。

ベコ 「あっ!」

なんと、菜の花くんが壊滅状態ではありませんか!

ひえー、これは無惨!

完全に虫喰いです!

一夜にしてすっかり食べ尽くされた模様です。

いやー、これはショックですね。

わずかに開花している花びらも残りわずか。

絶体絶命の菜の花くんなのです。

一方こちらは苔玉くん。

ベコ 「お、折りたたまれてるべこ!」

先週、折りたたまれた苔玉くん。

いったん復活したのですが、再び折りたたまれてしまいました。

しかも、葉っぱはヨレヨレ。

完全に生気を失ってます。

原因が分かりませんが、完全に絶体絶命です!

いやー、本当にショックが大きいです…。

そして、こちらはひまわりくん。

予想を裏切る首なしひまわりくん。

ガッカリでしたが、とりあえず開花してくれました。

そして最後はサマーウエーブ。

葉っぱは青々してますが枝はスカスカ。

あと、どのくらい青い葉っぱを楽しめるのでしょうか?

いやー、それにしても今週は菜の花くんと苔玉くんが大打撃。

目が離せない状況になってきました。

ベコガーデンは厳重警戒です!

つづく


 


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オルチャ渓谷ドライブ情報(2)撮影編

2019年09月15日 | ベコのイタリア紀行2019

Ⅱ.撮影編

<目次>
1.撮影ポイントはここに!
2. 撮影スポットの混雑ぐあいはまずまず
3. 日の出、日の入の時間は?
4. 雨が降ると地面は粘土地獄に?

※長文にご注意下さい。所要約10分です。

    

1. 撮影ポイントはここに!

オルチャ渓谷でもっとも気になるのが撮影ポイント情報

「どこを切り取っても絵になる風景」とはいうものの、やはりベストショットを撮るためにはそれなりの撮影スポットがあるようです。

そうした意味で、事前情報として今回とても役に立ったのは、前回ご紹介した『オルチャ渓谷で絶景ドライブ』『Hill Towns of Central Italy』の2冊。

これがなければ、絶景を探してぐるぐる走り回らないといけないところでした。

そんな訳で、今回は実際に立ち寄った撮影ポイントを写真付きでご紹介します。

ちなみに、撮影場所の道路の写真はGoogleマップからの借用です。(冬の景色なのでちょっと寒々してます)

さて、どのポイントもこのような道路脇の退避スペースに車を停めて撮影します。

(C)google

道路を走っていると路肩にこのようなスペースがあるので、ここに車を停めて撮影するのです。

有名な絶景スポットの路肩には何台も車が止まっているのですぐに分かります。

ただ、一般道なのに車がもの凄いスピードで走っていくので、駐車する際や車から降りる時は要注意です。

なお、以下にご紹介するポイントはすべて舗装された道路なので運転も楽。後日あらためて述べますが、未舗装の道路はかなり大変なので、できれば避けるのがベターです。

 

SP146号線

SP146はオルチャ渓谷のまさにメイン道路。サン・クイリコ・ドルチァからピエンツァ、モンテプルチャーノなどをつなぐ絶景ルートの1つです。

そんなSP146では、サン・クイリコ・ドルチァとピエンツァを結ぶ区間のうち、サンクイリコ寄りが絶景エリア高台からアミアータ山までを一望でき、素晴らしい景観を堪能できます。

ここで撮影したのが、これらの風景。

中でも定番の風景がヴィタレッタ教会。丘の上に立つ教会で、糸杉と並んだ風景は非常に有名です。

そして、この写真を撮影したのはこの場所。

(C)google

小さな門の前にちょっと広めの空き地がありますが、ここにたくさんの車が停まって撮影しているのですぐに分かります。

また、この門から小道を通って教会まで歩いていけるので、時間があれば訪れてみたいところ。教会の先もウォーキングコースが続いているので、そのまま丘の上を歩いていけます。

なお、少しピエンツァ寄りに移動して別の路肩で撮影したのがこれ。

ここだと手前の茂みが邪魔ですね。

いろいろ場所を変えてみましたが、ヴィタレッタ教会の撮影には、丘の上のウォーキングコースを歩いて探すのが良さそうです。

なお、SP146は道路脇の路肩もちょこちょこあるので、気に入ったところで車を停めて撮影できるのでかなり助かります。

糸杉と宿の牧歌的な風景がここかしこにあり、シャッターを押す指が止まらなくなる場所です。

 

ピエンツァ

SP146を走ってピエンツァの町に入ります。

この町の絶景ポイントはもっとも有名なカステッロ通り

ドーモの裏手にあり、城壁越しにオルチャ渓谷の全景が見える絶景ポイントです。

時間の経過や流れる雲によって時事刻々と雰囲気が変わり、ずっと眺めていても飽きません。

ここからの風景をじっくり見たいなら、ピエンツァの宿に宿泊する価値ありです。

ドーモに隣接するピッコロミーニ宮の2階からもオルチャ渓谷の絶景が望めるそうです。残念ながら今回は開館時間に間に合わず見れませんでした。

一方、ピエンツァのふもとにコルシニャーノ教会があり、その敷地から絶景が見れるらしく、Googleマップにも撮影スポットのマークがあります。

ところが実際に行ってみると鬱蒼とした林に囲まれており、ほとんど風景は見えずじまい。

おかしいなと思いつつ、教会の周囲をウロウロしたのですが結局断念しました。

ちなみに、このコルシニャーノ教会へ行くには、SP146からわき道に入るのですが、とても細くて急な坂道を下ります。対向車が来たらアウトですのでご注意ください。

 

SP18号線

ピエンツァを出たらSP18を南下します。

高台から渓谷を見下ろすSP146とは対照的に、このSP18は渓谷の谷あいを走ります。

そのため、道路の両側に広がる緑の丘陵地を見上げる形になるのですがこれがまた感動的。

丘と丘の合間からは、オルチャ渓谷が望めます。

車を停められる路肩の数が少なめなのはちょっと残念でしたが、SP146と比べて観光客も少ないので、気兼ねなく車を停められます

そんななか、今回撮影した場所のひとつがここ。

(C)google

ここは三叉路になっている広めの空き地。ちょっとひらけた場所なので、オルチャ渓谷が見渡せます。

また、後ろを振り返るとちょうどピエンツァの町が見えるのですが、なんと手前にはゴミ箱が整列。

どうやらここはゴミの収集ステーションだったようです。

もう少し南下したあたりの路肩から撮影したのがこの風景。

 

で、これを撮影したのはこの路肩。

(C)google

ちょうどアミアータ山まで見渡せる場所で、オルチャ渓谷独特のうねるような緑がよく見えます。

道路の反対側は小高い丘になっており、丘の上には木立と納屋の風景が印象的でした。

 

SP88号線

ちなみに、このSP18の途中から分岐するSP88という道路があります。

これは、モンテキエッロという小さな町に通じる坂道です。

急な坂道を登るのですが、その坂道からもオルチャ渓谷が見渡せます。

これが意外と絶景なのですが、坂道ということもあってちょうど良い路肩が見つからず、残念ながら撮影できませんでした。

そんなSP88ですが、日本に帰国してから重大なことが分かりました。

このSP88でモンテキエッロに到着する少し手前の脇道から、なんと糸杉のクネクネ道が見えるのだそうです!

(C)google

拡大するとこの通り。

(C)google

そう、ラフオッチェ庭園から見たあの風景と同じような景色がここにもあったのです。つまり、オルチャ渓谷に糸杉のクネクネ道は2つあるのです!

Googleマップには「Photo Spot Toscana」とのマークがあります。

いやー、そうと知っていればなんとか車を停めたのにと、残念無念です。事前の調査不足を反省しました。

 

SP40号線とラ・フオッチェ庭園

さて、再びSP18を南下するとSP53にぶつかるので、そこを東に曲がるとSP40に入ります。

SP40は山越えルートのため、オルチャ渓谷はあまりよく見えません。

そんな中で唯一の絶景がこれ。

ブログでご紹介したSP40からのクネクネ道です。

これは道路沿いにあるDopolavoro La Foceというレストランの駐車場からの風景。

(C)google

ただ、すでにブログでご紹介した通り、この駐車場よりもラ・フオッチェ庭園からのこちらの風景がベスト。

 

ちょうど良いアングルで撮影できるので、レストランの駐車場よりもラ・フオッチェ庭園にお立ち寄りください。

それにしても、クネクネ道が2つあるとはまったく想定外。返す返すも事前の調査不足を反省しました。

 

SP53号線

さて、来た道を再び戻り、こんどはSP53に入ります。

これはオルチャ川に並走する道路で、SP18と同様、丘陵地を見上げながら走る絶景コース

この道路は路肩以外にも農道やウォーキングコースなどがあるため、駐車しやすいルートです。

その中でもここはかなりの絶景。

そして、これを撮影したのはこの路肩。

(C)google

前回ご紹介したウォーキングコースの入口で、ピエンツァまで続く砂利道です。

この砂利道を歩いていくと、広大な草原の中に入っていけます。

小高い丘に糸杉がポツンと立っており、風になびく緑の草がとても印象的な場所です。

一方、道路の反対側はオルチャ川が流れています。川そのものは見えませんが、川沿いに並んでいる木立とロッカ・ドルチャの要塞が見えます。

ここも観光客がまったくいないため車を停めやすく、撮影しやすいポイントでした。

 

SR2号線

SP53を西に向かって進むと、SR2に突き当たります。

これはもともとローマからフィレンツェを結ぶ中部イタリアの幹線道路。カッシア街道と呼ばれ、オルチャ渓谷の西端を走るルートです。

このSR2を少しだけ南下すると見えるのがこの風景。

アグリツーリズモに糸杉という典型的なオルチャ渓谷の風景です。

そして、この風景を撮影するにはこの路肩がベスト。

(C)google

ただ、スペースが狭いうえ、SR2から分岐するSP323との交差点が近いので車の通行にご注意下さい。

ちょっとだけSR2を南下してこの宿に近づくと、周辺の路肩はこんな感じ。

(C)google

入口付近に広めのスペースがあるため、たくさんの車が停まって撮影の観光客がたむろしていました。

糸杉の木立はとても大きく、見た目もインパクトあり。一見の価値ありです。

さて、このSR2を北上すると、サン・クイリコ・ドルチァを過ぎたあたりから素晴らしい渓谷の緑が広がります。

道路幅も広くなって爽快なドライブになります。そして丘陵の谷間を抜けると、今回の旅行で最大の絶景ポイントである糸杉のサークルが見えてきます。

実は、糸杉のサークルそのものが素晴らしいというよりも、周囲に広がる緑と黄色の丘陵地が絶景なのです。オルチャ渓谷でベストスリーに入る絶景ポイントです。

ただ、困るのは路肩での駐車。退避スペースがそれほど広くありません。

(C)google

そのため停車する車でいっぱいになるのです。

しかも、SR2はまるで高速道路のようで、車がもの凄いスピードで走っていきます。少しでも路肩からはみ出すのは非常に危険。

今回は路肩が満車状態だったため、スペースに空きができるまで何度もSR2を行ったり来たりして、ようやく駐車できました。

当日の様子がこの写真。

しかし、それだけしても見る価値のあるポイントですので、ぜひ立ち寄られることをオススメします。

 

2. 撮影ポイントの混雑ぐあいはまずまず

オルチャ渓谷の撮影ポイントをご紹介してきました。各ポイントの路肩や空き地は決して広くないのですが、実際は次の理由からそれほど混雑していません

1)そもそも観光客がそれほど多くありません。多い時でもひとつのスポットで10人程度
2)その観光客も、撮影が終わればすぐに立ち去ってしまう

というわけです。

今回立ち寄った撮影ポイントの中でもっとも苦労したのが、前述のSR2沿いにある糸杉サークルの路肩

最大の理由は、ここがけっこう広い丘の上にあるため、観光客の滞在時間が長くなるためです。

他の撮影ポイントのように、パシャと撮影してサッと立ち去るということにはならないのが最大のネック。

そのため、いったん車を降りたら20〜30分はかかると思います。

結局、路肩に駐車できるまで、SR2を行ったり来たりの繰り返し。ここを除けば、車の駐車で苦労するポイントはありませんでした。

ちなみに、観光客が多かった撮影ポイントは次の3ヶ所でした。
 
1)SR2沿いの糸杉のサークル
2)SR2沿いのアグリツーリズモ
3)SP146沿いのヴイタレッタ教会

 

3. 日の出、日の入の時間は?

オルチャ渓谷は朝日や夕日の風景も大変美しく、見逃せないとのこと。

GWの時期は、だいたい日の出が朝の6時半日の入が夜の8時頃です。

ところが、朝の6時半はまだ寝てる時間ですし、夕方(夜?)の8時はちょうど夕食時に当たることから、今回は撮影タイミングを逃しました。

うまく時間を合わせて撮影しないといけません。

なお、ヨーロッパは日本よりも日没が遅く、夕方の6時を過ぎる頃からようやく日が傾いていく感じ。そのため、かなり遅くまで撮影できることになるので、ついつい撮影に没頭してしまいます。

 

4. 雨が降ると地面は粘土地獄に?

オルチャ渓谷で雨が降るとかなり大変だそうです。

今回の訪問で雨に降られたのは2日目の午後だけ。ちょうどその時間帯はラ・フオッチェ庭園にいたため、渓谷の中の状態は分かりませんでした。

しかし、多くの情報を見ると、雨が降ると地面がぬかるんで足元がかなり悪くなるそうです。

オルチャ渓谷はもともと粘土質の土壌を開墾して整備した土地。地面は普通の土ではなくて、粘土のかたまりです。

そのため、雨が降ってぬかるんでしまうと、あたり一面が粘土地獄となって足を取られてしまうのです。

ネット上の旅行記などでは、粘土がこびりついた靴や車のタイヤの無惨な写真などがあり、震撼させられます。もはやこれでは撮影どころではありません

そのため今回の訪問では、雨に備えて長靴を持参したのですが、結果的には利用することもなくラッキーでした。

長靴でなくとも、100均で売っている雨用の靴カバーなども役立つと思います。ビニール手袋なども持参すると、靴やタイヤの粘土を落とすのに役立つかも。オルチャ渓谷へ行かれる際はぜひ携行されてはと思います。

一方、粘土質の土壌のため、晴れて乾燥すると白い石灰のような地面になります。そのため、未舗装の地面を歩くと靴や車も石灰のような砂で真っ白になるので、念のためご注意下さい。

さて、次回は「レンタカー編」。オルチャ渓谷での重要な移動手段についてご紹介します。

つづく 


 


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