残照日記

晩節を孤芳に生きる。

名よりも実

2011-08-13 18:17:07 | 日記
【ユダヤの格言】
≪一生に一度アヒルとニワトリをたらふく食べて、ほかの日は飢えているよりも、一生タマネギだけ食べていたほうがよい。≫

≪中国高速鉄道、世界最速譲る こだわり捨て安全へ減速 ──中国がこだわってきた高速鉄道「世界最速」の座を明け渡すことになった。16日から、最高速度350キロの全線で300キロに引き下げるため、320キロで走る独ICEと仏TGVが世界一となる。浙江省温州市の高速鉄道追突・死亡事故を受け、中国政府が安全強化に取り組む姿勢を内外に示す狙いがある。 鉄道省は、6月末に開業した北京―上海線の最高時速を、予定していた350キロから300キロに引き下げた。これに合わせて、広州―武漢なども同様の措置をとったが、安全対策ではなく、環境や費用削減のため、と説明してきた。 この時も、北京―天津、上海―杭州線は350キロを維持して「世界最速」を死守。だが、中国政府が10日、開業時の減速など安全対策の強化を打ち出し、既存の路線も減速に踏み切った。380キロ仕様で作られた「CRH380BL」に故障が続出、回収に追い込まれたことも背景にあるとみられる。≫(8/13朝日新聞)

≪中国ユニバーシアード開幕 国威発揚 中国市民あきあき?──中国広東省深セン市で12日夜、第26回ユニバーシアード夏季大会が開幕した。オリンピックに勝るとも劣らない施設整備を進め、万全の受け入れ態勢を誇る。だが、すでに中国の各都市で国際競技大会の開催が相次ぎ、市民には熱狂どころかしらけムードも漂う。 今大会は150余の国と地域から選手や関係者ら約1万2千人が参加し、過去最大規模になる。2万人収容の新設スタジアム「春繭」での開幕式には胡錦濤国家主席が出席。…2001年の北京大会でも江沢民国家主席(当時)が出席しており、政府が五輪に匹敵する重要な大会と位置づけていることを示した。 大会のために投じられた資金は、社会基盤整備を含め1800億元(約2兆1600億円)以上で、広州アジア大会の1200億元(1兆4400億円)を超える。ガラス張りの外観が特徴のメーン会場「ダイヤモンド館」をはじめ22の競技場や体育館を新設。155キロに及ぶ地下鉄や300キロの道路も整備した。≫(同上 朝日新聞)

∇“世界最速”だとか“国威発揚”だとか、国家を挙げて世界一を目指す威勢のよさも結構だが、内実が伴わなくては何の意味もない。十分な安全対策をとらず大事故が発生すれば慌てて隠蔽する。国民が批判しようものなら「統制」が始まる。ユニバシアード夏季大会でも治安維持の名目で8万人もの「危険人物」を市内から追放したそうだ。≪だが、市民の反応はおしなべて冷ややかだ。≫という。何故なら08年の北京五輪、10年の広州アジア大会と大きな国際大会が相次ぎ、国威発揚の機会としての感動や意義は薄れた≫。もと/\ユダヤの民に劣らぬ現実主義志向の中国民だ。≪開幕式の会場近くの漢方医の女性(20)は「治療費を惜しんで病院に通えない人が大勢いるのに、政府は実のある仕事をすべきだ。私たちの世代の多くはそう感じている」と話した。 「税金の使い方として大いに疑問」(34歳弁護士)といった声は増える一方だ。≫と、中央政府を非難する動向がこゝ最近目だってきている中国である。以て“他山の石”とすべし。人生須らく“名を捨てゝ実を取る”ことの方が大切だ。暑い、暑い。