バカ犬

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2016年・東京オリンピックの落選

2009-10-05 | Weblog
先のコペンハーゲンでのIOC総会で2016年のオリンピックの開催地が決まった。
結果はご存知のとおりリオ・デジャネイロ
東京は全体で3位になり落選した。

僕はリオの開催はとてもいい決定だったと思うし、東京の落選をよかったと思っている。
どこに東京でオリンピックを開催する必要が本当にあるのかと思っていた。
新しい国立競技場を作ったり、選手村を作っても全く都民のためにならない。
ハコ物作りの典型ではないか。一度作ればその維持費だけでも大変。
決してそこから東京の将来の豊かさを描くことなどできない。
いかににコンパクトに作ろうが、ハコ物であるには変わりはない。

石原さんが、「東京のプレゼンテーションが、誰が聞いてもいちばんだった…」なんていっているけど、かなり国民、都民感情からはなれている。

スポーツ界にも落胆の意見もあるようだが、全く何を考えているか分からない。
オリンピックは、どこでやってもオリンピックだ。種目にチャレンジして他の選手達と競技するのに、サッカーのアウエー、ホームではあるまいし、どこでやってもその選手の目的は変わらないはずだ。

金をかけるなら他の選択肢がいっぱいある。重要度もいっぱいある。
東京は唯一、国からの地方交付金がない、いや必要としない豊かな自治体だから、その税金をどう自分達のために、東京のために使ってもいいという議論はない。

オリンピックで、今の若い人に元気を与えたいなんて時代錯誤だ。
それなら、もっともっと人材の育成に金をかけたらどうだ。
世界中で通用する国際人を育成することを考えたっていいわけだ。

再生産に向かうなら、東京を世界の観光地にするなんて考えもある。
これはオリンピックの開催で結果として狙っていたことかもしれない。

最近の世界の経済情勢を見ていると、もう今までのように、製造業を中心とする対外依存の、貿易立国は成立しない。
やるとすれば、東京の「いろんなものがごちゃ混ぜの文化」を逆手にとって、世界中の人が一度は訪れてみたい観光センターにするほうがはるかに将来性がある。
パリやロンドン、ニューヨークやサンフランシスコ、香港くらい外国人を魅了する街にしていけばいい。
その中心は、人だ。文化だ。

オリンピック招致の今までの費用だけで、100億円がつぎ込まれたそうだ。
もったいない。これも、行政の経営責任だといっておきたい。
予定どうり東京オリンピックをやったら、さらに1000億はかかると言われている。
そんな金の使い方は間違っていると思う。
東京といえども、それほどゆたかな街ではない。

街の人のインタビューで、「残念でした」っていっている人がたくさんいた。
「おい、本当かよ」っていいたくなる。
自分達の税金の使い道を上のほうの意志で決められているのに、なんとも間の抜けた感想だ。

これでは、地方の誰も走らない高速を「2車線から4車線に拡幅する」って言っているのを批判なんてできっこない。

ここには、全く同じレベルの感覚が存在しているからだ。