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生まれてくる赤ん坊を救えなかった社会

2007-09-05 | Weblog
生まれてくる赤ん坊を救えなかった社会

またしても奈良で、救われるべき赤ん坊が救急車の中で流産するという事件が起きた。
医療の救急態勢が本当には機能してなかったわけだ。

昨年も、残念ながら、分娩中の緊急事態に対応できなくて、大阪まで病院を捜すうちに奈良の妊婦がなくなった。この教訓も生かされなかったわけだ。

すぐさま、「緊急体制の見直しを隣接府県との協力を得て進める」とのコメントを奈良県知事が出した。

しかし、これは事件の本質から見れば、単なる矮小化した対症療法でしかない。

本質は、少子化対策の遅れの顕著な現われだと思う。少子化担当相を置いた入りして見せ掛けの対応をしていることに起因する。

本当は、
・安心して子供を産める社会環境造成
地域社会の相互援助、夫や本人の働く会社のコミットメント、本人の社会復帰の保障など
・地方と都市圏における医師の偏在の解消
・産婦人科医の確保、育成
過酷さゆえ、産婦人科医がドンドン減少しているが国は何一つ対策を打ってはいない
・子供を安心して生める地域医療機関、制度の基本的設計と実行
・出産後のお母さんを援助する具体的な補助、支援制度
地域の保育園の確保(近所のおじいさん、おばあさんたちでもいいのだ)、養育費の補助
・夫や復帰先の会社、職場における保育園の確保、残業の制限
・地方でも安心して子供を育てられるセイフティーネットの設立
などが考えられる。

こうした動きがないまま、児童手当を涙金で増やしても、「日本に生まれてよかった、安心して子供を育てられる」という安心感を若い夫婦たちは持てるだろうかといぶかる。

これらの繰り返される悲しいニュースを矮小化して、小手先で済ませようとすることを押しとどめるには、やはり政治を動かさなければならないと思う。