バカ犬

ちょっとバカ犬になって、本音を言ってみたいと思いませんか?

トヨタ問題の捉え方

2010-02-18 | Weblog
トヨタが、後手後手に回って、いろんな側面から、みんなに非難されている。
何故こんなに対応がのろいのか、全く危機管理ができていない会社だとよく分かった。
こんなんだったら、トヨタ株なんて、持っているんじゃなかった、と思っても、もう遅い。
JALのように、単なる紙くずにはならないだろうが、一瞬にして資産価値が下がった。

こんな中で強く感じることは、「もちは餅屋に」、といういうような細分化された組織、意思決定の矮小化があるのではないかと思う。

先ず、プリウスのブレーキの問題が起きたとき、品質管理担当の専務か副社長が出てきて、メディアの前で、運転者のブレーキの感じ方が問題で、車の設計には問題はないと断言した時、大切な客と、自分の会社との乖離を自分で引き起こしていることに全く気がついていなかった。

ここにこそ問題の本質があると思う。
即ち、トヨタがトヨタとして、アメリカ、ヨーロッパ、アジアという全世界のユーザー、および、見込み客、そしてステークホルダーである株主に対して、自分のブランドをどう、誰がマネージしていくのかという観点が全く欠落しているのだ。

今回の問題を、アメリカ・トヨタの問題、ちょっとしたブレーキの材質の問題、もしくはプログラムの不具合と受け取って、品質問題として個別に対応しているようなら、トヨタというブランドが大きく崩れていく。
これに対して、誰が責任の持って立て直す意図がるのかを、トヨタはこれまで外に見える形では行動していない。

これこそ、社長直属で、しかも権限を持って、組織を横断して、トヨタ・ブランド全体の建て直しに専念する人間を明確にアサインすべきだ。

コチョ、コチョと社長が出てきて、メディアに対応するような現状では、こうした崩壊しつつあるトヨタ・ブランドの信頼を回復することは不可能だ。

アメリカは、本音では色の黄色い日本人に、自動車大国、アメリカを席巻して欲しくはなかったのだ。しかし、環境問題、オイルの値段の高騰、景気不況の影響などで、小型車のトヨタを選ばざるを得なかったのだ。本音では、大きく、力強く、何百マイルもゆったりと運転できる自分達の車に対する、熱い欲求があったのだ。


今、アメリカでは、時の運と捕らえて、トヨタをスケープゴートに仕立て、GMやフォードが売り上げを伸ばしている。その裏には、ホワイトハウス、連邦議会、アメリカ行政の機関、金融関係が、全て連携して動いているのは明白だ。

対する日本はどうかというと、トヨタの中でも、外でも、そうしたアメリカの意図に気づいて、対応を考えている人がいないように見える。

鳩山さんの頭の片隅にも、トヨタ問題は、自分の問題でもあるという認識はないと思う。ちっちゃな、政治と金の話に明け暮れている。
方や、トヨタは矮小化した問題解決を、それと知らずに、局所的に行おうとしている。これでは、トヨタ・ブランドは回復しそうにもない。

「子供店長」みたいな、人を小ばかにしたコマーシャルは即刻打ち切って、トヨタ・ブランドの再構築に向けたメッセージを戦略的に打って出る必要があるのだ。

そのための支援は、政府も、同業他社も、金融機関も、こぞって早急に展開しなければならないと思う。

でなければ、トヨタの問題は「トヨタの問題」ではなく、「日本の問題」に必ず発展していくと思う。