やられちまったね、民主党！

ものの見事にやられちまったね、民主党。
参院選で勝利して二大政党政治に向う素地ができたと喜んだ国民は、これでその可能性がなくなったと知った。

それにしてもすごい策士が自民党かその裏にいるのだと驚いた。

参院選に負けて、いわゆる「ねじれ国会」となって、日本の政治がまったく前に進まない。この状況を打破するには、「民主党の参院での勢力を削ぐしかない」とその人は考えたのだと思う。

もともと、民主党は、モザイクのようにいろんなグループの集合体だ。それに衝撃を与えれば、分裂する可能が高いとその人は、ふんだのだと思う。
そして衝撃の元となる小さなダイナマイトを仕掛けるターゲットに、なんと小沢さんを選んだわけだ。
小沢さんは、そのわなに気づくこともなく、政策協議とか連立とか、福田さんとのまじめな議論に入り込んだ。

その結果を提案として持ち帰ったら、トロイの木馬のごとく、民主党は大激震に見舞われた。結果、小沢さんも収拾できずにし代表投げ出した。あわてたのは民主党。結果としては、民主党は機能不全に陥ったわけだ。

拝み倒して、続行ということになったようだが、もう前のような求心力もなく、自民党の対抗軸としての民主党ではありえない。事実上、機能不全で、その力は期待できない。

しかけた策士は、にんまりしながら、右往左往する民主党の人たちを見ているに違いない。あわよくばと思った「分裂」とまでは今はいっていないが、策略は大成功だ。参院で、もう民主党はイニシアチブをとれない。他の野党がもう乗ってはくれないからだ。国民のバックアップも期待できない。

もうひとつ明らかになったことは、やはり民主党にはリーダーシップを取れる政治家が育っていないという事実だ。自民公明に取って代わる政権は、今のままの民主党では作れそうもないと国民には見えてしまったのだと思う。

参院選での民主党への国民の期待は、今回の一連の出来事で淡雪のように消えていった。一方、自民の旧来型の政治で、日本はもつのかという危惧は依然としてあるのだが…。

選択肢がない世界は実に情けない。