施政方針演説を聞いていて、笑いだしてしまった。
キーワードは、「多様性」という言葉だ。吹き出してしまった。
新安倍政権になってから、教育の方向は、荻生田さんを文部科学大臣に任命したことからも分かるように、歴史修正主義の実行にまっしぐら。教育勅語まで持ち出して、日本国民を均質化した、横並びの国民を作ることに邁進しているからだ。最近では、トリエンナーレへの補助金を切るという手荒な行動をやってのけた。どこに表現の自由、多様性の尊重があるというのだろうか。
教育勅語には、一見当たり前のいいことが書いてあるようにみえるが、よく読んでいくと、最後のほうに、「緊急の事態簿場合には、正義心と勇気をもって、皇室を守り抜くために、国民はすべてをかけて行動しろ!」とある。ここで要求されていることは、己をささげて、天皇を守れと締めくくっているのをご存知だろうか。
安倍政権のうしろには、有名な極右団体「日本会議」がいて、まさに、「戦前の日本を取り返そう」と躍起になっている。そこで求められることは、多様性なんぞではなく、日本の製造業を中心とした産業構造に合わせた、同質労働者を育ててきているのが実績だ。号令一下、皆が同じ方向に向かってもらわなくてはならないのだ。同調圧力がお好きなようで、メディアを使い、教育を通じて、国民を均質化に向かわせている安倍さんからは、多様性という言葉は空々しい。
(ちなみに、安倍さんも荻生田さんも、菅さん、麻生さんも、みんなこの「日本会議」のメンバー)
どれだけ同調圧力が蔓延しているかは、就職活動の大学生の服装を見れば、一目瞭然だ。いわゆるリクルートスーツを皆で着て、そうでなければ合格できないという説が、現実化している。これは均一化の象徴だろう。
若い年代の人たちには、こういう問題を考えて、どうやって自分の独自性を持つかを考えてもらいたい。将来の日本のために。