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B-scale fan's log

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最近は映画の感想がメインですが、
元は戦車模型のblogでした。

トゥモロー・ワールド

2009年06月30日 | 海外映画 評価4
2006年 アルフォンソ・キュアロン監督
    クライヴ・オーウェン主演
    出演 ジュリアン・ムーア、マイケル・ケイン、
    クレア=ホープ・アシティ
『2027年。人類は18年間に渡って子どもが生まれない
 事態が続いており、人類滅亡は時間の問題だった。
 荒廃した世界のため町は戒厳令で移動もままならない。
 そんな中、官僚のある男性は別れた妻から、
 ある女性を海辺の町に連れて行く手助けを頼まれる。』

新評価 4.0 (分からないかな)

劇場で見逃した作品。原題は「CHILDREN OF MEN」。
18年ぶりに妊娠した女性を安全な場所に送り届けるため、
今は怠惰な官僚で元活動家の男が元妻に巻き込まれる。
政府と反政府組織との争い。反政府組織の内紛。
そのために身近な人を何人も失いながらも、
懸命に海辺まで妊婦を送り届けようとする。

けっしてこの官僚は自ら銃を握ることなく、
丸腰で妊婦を守ろうとするのは何のためなのか?
人類の未来を守るためか、元妻との約束か。
少子化や最近のインフルエンザを思うと、
あながちSFの話とは思えず、
なかなかにリアルな恐ろしい話です。

最後の政府軍と反政府軍の市街戦の中での
脱出シーンも迫力があって怖いですね。
市民(避難民)が街に大勢居る中での戦い。
長回しのカメラで緊迫感溢れていました。
本当に高速ライフル弾が飛んできそう。

この監督の作品に興味がわいてきました。
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」も
見てみようか。
ちゃんとハリポタは見た事が無いけど・・・。

ターミネーター4

2009年06月25日 | 海外映画 評価4
公開中 マックG監督
    クリスチャン・ベイル主演
    出演 サム・ワーシントン、
    アントン・イェルチン 他

新評価 4.0 (続編成功)

いろいろ有って後回しになっていましたが、
ようやく鑑賞。

止められなかった「審判の日」から10年。
母の残したカセット・メッセージを道標に、
仲間と最前線で機械軍と戦うジョン・コナー。
自分の父となる少年とはまだ出会っていない。

そんな背景をベースに絡んでくる男と少年。
中盤は彼らが主役不在で画面に出てくるので、
誰が主役なのか怪しくなってきますが、
続編が有ると聞いて納得。
そういう彼らのエピソードなんですね。

人間軍の司令部は勝利のために正確に、
まるで機械のように従うことを要求し、
一方には心をもつ改造人間が、
機械軍の命令に反発し死んで?いく。

人間とは何か?生きるとは何か?
という問いとしては面白く作られた
作品だと思います。
でも映画の続編シリーズ化って多いけど、
いい加減どうなのかなぁ?

本当にシュワちゃんの登場も有ります。

パンズ・ラビリンス

2009年06月24日 | 海外映画 評価4
2006年 ギレルモ・デル・トロ監督
    イバナ・バケロ主演
    出演 セルジ・ロペス、マリベル・ベルドゥ
『1944年のスペイン。内戦で実父を亡くした少女は、
 政府軍の大尉と再婚した母と一緒に、
 政府軍と共産勢力の残党と戦う地域に移り住むが、
 義父は残酷な男で少女は自分の想像の世界に逃げ込む。』

新評価 4.0 (残酷)

ダーク・ファンタジーというジャンルらしいですが、
ファンタジーの部分以外にも、
ダークで残酷な戦争のシーンがちらほら。
内戦と言うのは捕虜を捕らないのですね。
敵の負傷者は戦場で即射殺。
捕るのは情報収集の尋問(拷問)のときだけ。

戦場やそれ以外でも勇敢さを発揮する大尉。
それは冷酷さと紙一重で母娘に訪れる不幸。
物語もなんとも悲しく残酷な結末ですが、
少女の想像が本物かどうかは別にして、
あの終わりは少女にすればハッピーエンド。
それだけは救いとなります。

映画の広告にあるような豪華な場面は、
エンディング直前だけで、
映画の演出上は素晴らしく、
見たほうは少し騙された気分です。

サン・ジャックへの道

2009年06月08日 | 海外映画 評価4
2005年 コリーヌ・セロー監督
    出演 ミュリエル・ロバン、
    アルチュス・ドゥ・パンゲルン
    ジャン=ピエール・ダルッサン
『3人の子供を持つ資産家の女性が亡くなった。
 遺産相続の条件は今は疎遠になっている3人が一緒に、
 1500キロ先の聖地へ徒歩で巡礼をすることだった。
 会社社長の長男、教師の長女、無職の末っ子の中年3人は
 団体ツアーの6人と共に巡礼の旅に・・・』

新評価 4.0 (深い)

これも映画祭の上映目録でみて気になっていた作品。
3ヶ月も仕事を休んで巡礼の旅が出来るとは、
フランスは素晴らしい。いや簡単じゃないみたいです。
簡単でないのは1500キロを歩ききることもそう。
1日17キロなら毎日6時間位は歩くことになります。

毎日それだけ歩いて、簡易宿泊地に泊まるためには、
それだけの装備が必要か?
さすがに無職の弟みたいに手ぶらは無理ですが、
贅沢を望まなきゃ、結構、物って要らないですよね。
でも装備の重さは体重の20%が目安とは知りませんでした。

最初は3人だけの巡礼の旅かと思ったのですが、
そこにガイドを含め9人の老若男女で旅をすることで、
物語の幅が広がっています。
でも、いい年をこいて意地悪な人間が、
苦労を味わうことで素直な人間になるのか?

そこはまぁ、やはりそうはならないのですけど、
それぞれが健全な方向に少しは戻り、
特に兄弟の間のかたくなな関係は解れた様子。
そんな気持ちの良い終わり方は好感です。

デイズ・オブ・グローリー

2009年06月07日 | 海外映画 評価4
2006年 ラシッド・ブシャール監督
    出演 ジャメル・ドゥブーズ、サミー・ナセリ
    ロシュディ・ゼム
『ナチスドイツに破れ、祖国を追われた自由フランス政府は、
 アフリカの植民地で現地人を招集し祖国奪還に備えていた。
 フランスを祖国と信じ、自由の合い言葉を信じて参加した
 イスラムの兵士達。しかし差別の壁が立ちはだかり・・・。』

新評価 4.0 (良作)

フランスで大ヒットしたらしい映画です。
この手の映画はこの時代の知識がないと、
正しく評価・鑑賞・理解が出来ないので、
残念にも日本では劇場公開されませんでしたが、
数年前に国内の映画祭で紹介されていたので、
興味を持ち見る機会を待っていました。

フランスの名誉と愛国心から立ち上がった、
植民地の人たちは多くの人種や宗教からなり、
白人と共に戦う戦友なのに休暇はなし、
昇進もなし、食事の質も区別され冷遇されます。
任務もどちらかと言うと危険な雰囲気。
しかも戦後は植民地が独立したので恩給も凍結。

そんなフランスの歴史の恥に光を当てた、
この映画の国内でのヒットによって、
彼らの名誉と恩給については改善されたとか。
日本はその辺りの清算は済んでいるのか?と、
ふと疑問に。ときどき新聞記事で出ますね・・・。
まぁ同じ意味合いの編成はないのですが。

戦闘シーンは小規模ながらリアル系で、
映画「プライベートライアン」を彷彿とさせます。
特筆はドイツ軍が“パンツァーシュレック”を装備し、
家屋への攻撃に有効に使っていますが、
そんな運用のシーンは初めて見ました。
普通は“パンツァーファウスト”ですけどね。

セブンティーン・アゲイン

2009年05月25日 | 海外映画 評価4
公開中 バー・スティアーズ監督
    ザック・エフロン主演
    出演 レスリー・マン、トーマス・レノン

新評価 4.0 (安心作)

「ハイスクール・ミュージカル」のザック・エフロン主演作。
と言うわけ見に行った訳ではなく、興行成績11位以下ながら、
某映画掲示板の評価では高評価なので、
少し離れた映画館でしたが見に行ってきました。

物語は離婚で家族を失いかけた37歳の男が、
守護天使?の計らいで17歳に若返り、
親友の息子として高校に入り込み、
疎遠だった娘や息子の窮地を救って妻とも・・・。

ニューラインシネマの作品ながら、
なんともベタなラブ(or ファミリー)コメディで、
ディズニー映画?と思ってしまいましたが、
対象は子供のいるような大人向けで地味な良作。

作りが映画の原則からひとつも外していないので、
わざとらしさや、嫌らしいところがすくない。
話題の映画を見ていまいちだと思っているような、
映画好き向きの映画かな?

親友と女校長の恋のサイドストーリーも面白くて、
LOR以外で“エルフ語”なんてはじめて聞きました。
“クリンゴン語”じゃ台無しだ。

題名のない子守唄

2009年05月22日 | 海外映画 評価4
2006年 ジュゼッペ・トルナトーレ監督
    クセニア・ラパポルト主演
    出演 ミケーレ・プラチド、クラウディア・ジェリーニ
『北イタリアのトリエステにやって来た白人女性。
 彼女はある家族の向かいの部屋を借り、
 その家族を観察し彼らに近づける職を探している。
 やがて家政婦として家に入り込むと・・・。』

新評価 4.0 (切ない)

もし自分が恵まれていないと思っているなら、
この作品はぜひ見るべき。と言っても、
架空の不幸話で現状がマシになる訳で無いけれど、
それくらいの悲しい物語。

主人公の今と昔を織り交ぜながら徐々に分かる事実。
だんだん彼女に肩入れしたところで明かされる、
どうしようもなく悲しい真実。
検察も司法も同情するが罪には変わらず刑務所へ。

追い詰められた彼女の、犯した罪を受け入れられるかで、
この作品の評価は変わるでしょうね。
でも彼女が有罪になったのは、どの罪なんでしょ?

エリザベスタウン

2009年05月18日 | 海外映画 評価4
2005年 キャメロン・クロウ監督
    オーランド・ブルーム主演
    出演 キルステン・ダンスト、スーザン・サランドン
『若くして成功したスポーツシューズのデザイナー。
 しかし新作は大失敗作で会社に多額の損失を与え、
 将来を悲観し自殺を図るが、直前に携帯電話がなり、
 父親が出先(故郷)で亡くなったことを知る。
 彼を引き取りに向かった飛行機の中で・・・』

新評価 4.0 (良作)

劇場公開時から興味を持っていましたが、ようやく鑑賞。
図らずも2作連続で父親が無くなる映画でした。
某掲示板では標準的な評価でしたが、いい映画でしたよ。
配役のバランスが少し凸凹ですけど。

「無難なものだけを求めるものに、本当の大失敗は起こらない。」
と映画の中で言いますが、会社が傾くような損害を与え、
死ぬほど思いつめる主人公を米南部の濃厚な親戚と、
美しくポジティブな女性が応援。それなら立ち直れるかも。
今が一番最悪と思うなと言うことですね。

後半のドライブは流れの中で無理やり感が有りますが、
その内容自体は父との関係を見つめさせる秀逸な映像。
そしてそのまま女性との再会までの良いアプローチ。
あんな特別な地図帳が欲しいです。

余談ながら最近は新しい高速道路が開通して、
目的地まで早く快適に到着できるのですが、
その道に思い出が無いので走っていて楽しくない。
今では遠回りになった道に思い出があるのですよ。

椿山課長の七日間

2009年04月22日 | 海外映画 評価4
2006年 河野圭太監督 西田敏行主演
    出演 伊東美咲、成宮寛貴、和久井映見、
    市毛良枝、桂小金治、須賀健太、志田未来、
    渡辺典子、沢村一樹、綿引勝彦、余貴美子、
    國村隼
『勤務先のデパートで突然気を失った椿山課長が、
 次に気がついたのは「あの世」の入り口で、
 そこで自分が突然死したことを教えられる。
 現世に未練を残し死んでも死にきれない椿山は、
 天使にお願いして3日間だけ現世に戻ることに。』

新評価 4.0 (良作)

はからずも死をテーマにした映画が2本続きますが、
こちらは重くないコメディタッチの作品。
多数の役者が軽快に絡み合う、
まさに日本映画のいい部分が捉えられた映画でした。

突然死んでしまった働き盛りの男性。
伝えたいことも片付けておきたい事も有ったと、
美女に生まれ変わって?この世に舞い戻るが、
次々に知りたくない真実を知ってしまう。

だけど残った人たちの幸せを望んで、
明るく死んでいく?姿はすばらしく、
特に主人公が自分の人生の間違いに気づきながらも、
自分の人生に満足してしまうラストはすがすがしかった。

ボルベール <帰郷>

2009年03月22日 | 海外映画 評価4
2006年 ペドロ・アルモドバル監督
    ペネロペ・クルス主演
    出演 カルメン・マウラ、ロラ・ドゥエニャス、
    ブランカ・ポルティージョ、ヨアンナ・コボ、
    チュス・ランプレアベ
『子供の頃に両親を火事で亡くした姉妹は、
 今は大きな街で別々に暮らしていた。
 妹は失業中の夫と娘のために忙しく働いていたが、
 ある日、娘が夫を殺してしまう事件がおこり、
 妹が夫の死をなんとか隠そうと奔走中に、
 姉は叔母さんの葬式で母親の亡霊に出会う。』

新評価 4.0 (良作)

スペインと言う馴染みの無い国の話なので、
物語の突拍子のなさもただ肯定せざるを得ず、
まさに「人生は驚きに満ち溢れている」状態。
どこの国でも女性はたくましいのです。

この監督の作品を見るのは2作目ですが、
どの映画を見ても出てくるスペイン男性は
どうしようもない男が多いですね。
スペインでもそういう地区の話なのか?