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B-scale fan's log

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最近は映画の感想がメインですが、
元は戦車模型のblogでした。

最後の忠臣蔵

2012年06月25日 | 日本映画 評価5
2010年 杉田成道監督
    出演 役所広司、佐藤浩市、桜庭ななみ、
    安田成美、伊武雅刀、笈田ヨシ、山本耕史 他
『赤穂浪士の討ち入り後、大石内蔵助の命を受けて、
 生き残った2人の浪士。
 互いの存在を知らずに偶然出会った京の町で、
 2人はあらためて大石の大きさを知ることになる。』

新評価 5.0

これは映画館で見なくてよかった。
今回は家のテレビで見ていたので、
雰囲気にどっぷり浸かることなく見たのですが、
これは映画館で見ていたら完泣きでしたね。

まず映画を覆う美しい京都の町外れを舞台に、
世間を忍んで生きる姫様と家臣の、
父と娘のような、男と女でもあるような儚さ。
桜庭ななみの京都弁ですでに少し涙ぐみます。

そして大事に育てた娘を嫁に出すような心境の男。
この家に嫁いでも大丈夫だろうか。
嫁がすことで自分の使命を終える男と、
父のような男との別れを惜しむ姫様の悲しさ。

最後の花嫁行列のくだりはもうねぇ・・・。
大石内蔵助ゆかりの赤穂浪士が次々に集まり、
最初は1人だった付き添いが最後は百人単位に。
「大石はんは武家の鏡」の言葉がよう分かります。

そして赤穂浪士にとってのハッピーエンド。
そうなるとは途中から分かっていても、
止める気にはならない武家の美学。
映画の題名の意味が最後に分かりました。

まわりが騒がしくて助かった・・・。

モテキ

2011年10月07日 | 日本映画 評価5
公開中 大根仁監督
    森山未來主演
    出演 長澤まさみ、麻生久美子、仲里依紗、
    真木よう子、リリー・フランキー 他

新評価 5.0

最近は出張中なのですが進捗が思わしくないので、
ここで気分転換のために川崎109に行って、
明るく楽しそうで評価が高い作品をチョイス。
個人的に大はまりでした。

でも違う気分で見れば4.0が妥当かも。

原作漫画も、TVシリーズも見ておらず、
サブカル系の草食男子が“モテ期”にはまり、
美女4人とイチャイチャする話と思っていましたが、
それは違いましたね。

みんな、あの予告ではそう思うはず。

そもそもサブカル系の定義が分からないのですが、
映画の主人公の男子(いや31歳なら男子ではない)。
その彼の趣味(部屋の本や音楽、ポスター等)を見ると、
結構シンクロしていて“お前は俺か?”状態。

まぁ、部屋の汚さとTENGAは無いとして。

しかも昨晩は上手くいかない仕事の帰りに、
ipodで橘いずみの“失格”を久しぶりに聞いていた。
そんな偶然も重なって、もう主人公に共感してしまった。
じゃあ私もサブカル系なのか!?

じゃあじゃあTwitter始めるか?そんな気もないけど。

前半は主人公の「アメリ」的な脳内妄想が爆発しており、
バカな映画だなぁと笑って見ていられます。
ガードの甘い長澤まさみを草食主人公が襲わない。
何やってんだよ、しょうがね~な~と。

最近、長澤まさみは低迷から脱出かな。

ところが後半の麻生久美子の32歳のアラサー女子(?)の、
描写が丁寧になる辺りから物語は重くなりますが、
結構、見せる映画・物語に変わってきます。
彼女の演技も上手いですからね。

朝から吉牛を2杯は食えませんで、前の晩なにされたの?

で、仲里依紗、真木よう子は恋には絡みません。
サブカル男子の興味の対象外ということで納得かな?
代わりに目立つのがリリー・フランキー。
このおっさん、ワルいよな~。

しかも“俺のsex正確でしょ?”ってどういうこと?

とにかく皆、iPhoneを使いMacのパソコンでお仕事。
と言うことで故スティーブ・ジョブズ氏の冥福を祈ります。
Macのパソコンは苦手なままですが、
iPod、iPhone、iPadの発明?は神業です。

私の“モテ期”はいつだったのか。

必死剣鳥刺し

2010年08月01日 | 日本映画 評価5
公開中 平山秀幸監督
    出演 豊川悦司、池脇千鶴、吉川晃司、
    戸田菜穂、村上淳、関めぐみ、岸部一徳

新評価 5.0

藤沢周五原作の時代劇を川崎109で鑑賞。
藩政を狂わす藩主の側室を覚悟で害した藩士。
過った行いを正そうとする男の物語。
私好みの物語じゃないですかと。

そもそも家臣たちは根性無しで不満を陰で言うばかり。
知らない聞かないふりは男じゃないです。
ところが彼の処分は寛大なうえに数年後には出世まで。
この上司が岸部一徳。こいつは悪い奴に違いない(笑)。

今の社会でも過去に失敗した人を出世させるのは、
上にひと腹持っているケースが多いですからね。
まぁ恩義を感じて下に無茶する場合もあるのですが、
彼の場合は不請不請に藩に忠実たろうとします。

ところが使い捨てにする為に出世させる場合も。
お役目で殿様の領民思いの弟に間違いを犯した彼。
最後の殺陣のシーンは壮絶の一言です。
サラリーマン諸氏。腹黒い上司にご注意ですよ。

必死剣は今の世も必要ですよ。

ボックス!

2010年05月25日 | 日本映画 評価5
公開中 李闘士男監督
    出演 市原隼人、高良健吾、谷村美月、
    清水美沙、宝生舞、香椎由宇、筧利夫 他

新評価 5.0

最近、いいと思う映画に当たってなかったので、
映画掲示板を見て点数の高い本作を選んで鑑賞。
たしか小説の原作者も映画を評価していたし。
って当然、悪口を言わないでしょうけどね。

ボクシングの知識はないのですが、
階級とか減量とか緩くないか?と思いつつも、
男の子の成長物語としてかなり面白い。
才能とか努力とかいろいろ考えさせてくれます。

天才ボクサーを演じる市原隼人。
彼の演技でこの映画の評判が上がった気がしますが、
初めて見た高良健吾もいい表情だったし、
途中でいなくなる谷村美月も印象に残る子でした。

嘘のような大阪のどこかの町の描写も良かったですね。
あれを映画の演出と思う人もいるでしょうけど、
8割は真実です。宝生舞みたいなおばちゃんも居ます。
頑張り屋と“やんちゃ”が同居している街です。

スポーツで芽の出なかった自分としては、
クラブの先輩の才能の無い人たちに大いに同情。
試合では弱い相手と当たって勝ち上がりたいですよね。
なのに、いきなり優勝候補とは・・・部長かわいそう。

宝生舞はこの作品が引退作のようです。
ええ感じになってたのに惜しいなぁ。

今度は愛妻家

2010年01月27日 | 日本映画 評価5
公開中 行定勲監督
    出演 豊川悦司、薬師丸ひろ子、
    水川あさみ、濱田岳、石橋蓮司 他

新評価 5.0

昨日見た映画より高得点をつけないと。
久しぶりに泣かされる映画を見たな~と。

物語はスランプで撮れなくなった写真家と、
その旦那に愛想を尽かして出て行きそうな嫁。
彼を懇意に自宅に通うゲイバーのママと、
写真家の弟子とその恋人?もどき。

ほぼ写真家の自宅兼事務所で5人芝居です。
そうオリジナルは舞台作品なのです。
中谷まゆみの原作がいいのかもしれませんが、
今回も脚本伊藤ちひろが良いお仕事です。

みんな小さな頃から「今度はちゃんとしよう」と、
反省することが何度か有ったと思いますが、
それが「今度は愛妻家」になろうと言う物語。
終止符のまえにその決意が間に合うかどうか・・・。

間に合わないからドラマになるのですが、
後から追いかけて間に合わせられるのか?
豊川・薬師丸夫婦の掛け合いが可笑しく、
その反動で後半は余計に悲しくなります。

話が急展開してからの物語が長くも感じましたし、
弟子のカップルの話も少々邪魔にも見えましたが、
行定監督ってこんな映画の作り方も出来たのかと、
新しい発見と今後への期待が持てました。

ところで豊川悦司さん。
なぜネルシャツをそんなに格好良く着れるの?

Dolls ドールズ

2009年12月11日 | 日本映画 評価5
2002年 北野武監督
    出演 菅野美穂、西島秀俊、三橋達也、
    松原智恵子、深田恭子、武重勉 他
『恋人と熱愛のすえ婚約を結んだある男性会社員。
 しかし自分の会社の社長令嬢にみそめられ、
 両親の説得で婚約者を捨てて逆玉に乗ることに。
 そして令嬢と結婚式を挙げようとした日、
 元婚約者が自殺を図り記憶障害になったことを知る。
 男は式場から飛び出し病院に向かうが・・・。』

新評価 5.0

初めて北野監督で理解の出来たかもしれない作品。
男の純真さと弱さ、そして贖罪を描いた物語。
そして男の気持ちが女に届いたかと、
思われたときに訪れる悲劇で終わる純愛。

物語のはじまりは菅野と西島で恐ろしく殺伐と美しく。
めずらしくバイオレンスがないと思いながらも、
物語に退屈になってきたところで出てくるヤクザ者。
やはりここで出てきましたが、これも悲恋。

そして場違いに現れるアイドル歌手役の深キョン。
いつもの北野組の役者さんも登場して、
ようやく役者は揃いますが、これまた悲恋。
男たちの三者三様の格好の悪い結末。

結局、ノスタルジックな男は死んで、
女性は強く生き残るわけですよね?

天然コケッコー

2009年02月11日 | 日本映画 評価5
2007年 山下敦弘監督 夏帆主演
    出演 岡田将生、夏川結衣、佐藤浩市
『小中学生が6人しかいない日本海に近い農村に、
 東京から転校生の男子が両親の離婚でやってきた。
 初めての同級生に女子中生はとまどい、
 ぶっきらぼうな彼にときめいたり、幻滅したり・・・』

新評価 5.0 (良作)

会社の同僚にお勧めされていたのを、
ようやく鑑賞。

人の噂話や、昨日のTV以外に大して話題の無い、
何も起こらない小さく静かな村。
四季がめぐり祭りや、海水浴、バレンタイン、
進級がおおきなイベント。

そんな村でも誰かと誰かが恋をして、
子供は成長し少しずつ大きくなる。
ただそれだけの映画なんですけど、
特にラスト30分が何だか良かったのです。

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

2009年01月23日 | 日本映画 評価5
2007年 松岡錠司監督 オダギリジョー主演
    出演 樹木希林、内田也哉子、
    小林薫、松たか子、勝地涼
『1960年代。オカンは酒癖の悪いオトンと別居して、
 3歳のボクはオカンの筑豊の実家に行くことに。
 高校からオカンの元を離れ、大学は東京で過ごし、
 伸びきったボクはオカンの仕送りに頼っていた。』

新評価 5.0

略すればぐうたらで無職な息子が、
母親の病気で一念発起で才能を開花させ、
お金を稼ぎ孝行息子に変身するお話。
そんな白々しい話と敬遠していました。

しかもリリー・フランキー原作で松尾スズキ脚本。
悪口じゃないですけど、
あんな馬鹿話ばっかのエロ親父の話に・・・、
・・・やはり感動してしてしまいました。

ベタな話なんですが、子供とか出来てくると、
父母の優しさとか老いなどの物語は、
グッと来ますね。
寂しいけど悲しくない終わり方も良かったです。

転々

2008年11月21日 | 日本映画 評価5
2007年 三木聡監督 オダギリジョー主演
    出演 三浦友和、小泉今日子、吉高由里子、
    岩松了、ふせえり、松重豊、岸部一徳
『74万の借金を抱え返済を3日後に控えた大学生が、
 借金取りから100万円の謝礼と引き換えに、
 吉祥寺から霞か関までの散歩に付き合うことになった。』

新評価 5.0 (傑作)

いつも小ネタでくすぐりを入れる三木作品。
前半は借金取りの三浦友和と大学生オダギリとの、
「ちい散歩」的な雰囲気の中で、
普通の映画じゃ取り上げないような、
行先不明の小さな笑いをちりばめています。
個人的にはマレー海戦の油絵のくだりで大爆笑。

ところが後半は小泉今日子を交えての
擬似家族のホームドラマに変貌。
前半の小ネタがここのネタ振りだったと分かる収束感。
意外にも最後はしんみり感動させられて、
いままでの三木作品にない展開。

「時効警察」は見てないけど、三日月しずか(麻生久美子)の
ちょい役出演が嬉しかったりして。
町で岸部一徳を見たら良い事が有るらしいですよ!?。

パコと魔法の絵本

2008年09月17日 | 日本映画 評価5
公開中 中島哲也監督 役所広司主演
    出演 アヤカ・ウィルソン
    妻夫木聡、土屋アンナ、阿部サダヲ、
    加瀬亮、小池栄子、劇団ひとり、
    山内圭哉、國村隼、上川隆也

新評価 5.0

「下妻物語」でツボにハマった中島監督作品。
前作「嫌われ松子の一生」がちょっと外していたのと、
予告編がいまいちで本作は見ないつもりでしたが、
あまりにも映画評が良いので急遽鑑賞。

どんなジャンルの映画なのか良く知りませんでしたが、
大人も子供も楽しめる明るく悲しい映画ですね。
簡単に言うと「クソじじぃ」が善人になって往生するという、
本来であれば私が最も嫌うたぐいのストーリー。
「クソじじぃ」は改心しないから「クソじじぃ」なのです。

しかし彩色鮮やかに、豪華キャストがやり過ぎ気味の演出で、
予想もつかないオチに持っていくという
もっとも私が好む展開。

パコ役の女の子が完璧な可愛さでしたが、
他の出演者はメイク過剰で誰だか分かりにくい中で、
(特に妻夫木聡と小池栄子)
中島作品にかかせない土屋アンナは
分かりやすいナース姿で「蛍の光」を、
♪ハラワタえぐって鍋で煮込む♪と歌うとは・・・、
やっぱり好いな~。

あまりにも素晴らしいので数日後に再度鑑賞。
劇場で2回も見た映画ははじめてですが、
劇場で嗚咽のように泣いている人も初めて見ました。
こりゃDVDは買いですが、とりあえず小説を買いました。