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B-scale fan's log

Since 2004.4.16

最近は映画の感想がメインですが、
元は戦車模型のblogでした。

トウキョウソナタ

2010年02月28日 | 日本映画 評価3
2008年 黒沢清監督
    出演 香川照之、小泉今日子、小柳友、
    役所広司 他
『東京に暮らす、ごく普通に見える4人家族。
 しかし父親は突然に会社をリストラされ、
 その事を家族に言えず職安に通う日々。
 大学と小学校に通う息子も悩みを抱え・・・』

新評価 3.0

ごく有りがちな家族の崩壊の物語。
夫は総務課長として日々を頑張っていたが、
会社からあっさり首を切られてしまえば、
社会にアピールできる技能なんてなく、
職を選ぶ自由なんて全く無い事に気づく。

一方、子供ながらに社会に揉まれ、
大人の理不尽さに振り回される子供たち。
長男は理屈をコネながら破壊の象徴の軍隊に、
次男は偶然見つかったピアノの才能を開花させ、
社会の荒波に漕ぎ出していく。

妻は淡々と母親役を「演じて」おり、
うすうす周りが歪んで来たことに気づくが、
抜け出す術など思いつきもしない。
家に入った強盗と一時的に家から逃げ出すが、
翌日には母親として帰宅してくる。

結構リアルな家庭崩壊の物語でしたが、
かなり良いテーマを見つけた割には、
これといった主張がみえない作品。
役者は別として完成度が低く、
最後のソナタに「救い」をみせれたのか?

クライマーズ・ハイ

2010年01月13日 | 日本映画 評価3
2008年 原田眞人監督 堤真一主演
    出演 堺雅人、尾野真千子、高嶋政宏、
    山崎努、遠藤憲一、田口トモロヲ、
    マギー、でんでん、野波麻帆 他
『1985年夏、日航機123便が524名を乗せ群馬県に墜落した、
 地元の地方新聞社は中央紙を抜くスクープを目論み、
 社の敏腕記者を編集の全権デスクに任命するが、
 上層部のブレた方針や社内の軋轢に翻弄される。』

新評価 3.0

この映画を見ていて何かの映画で見た台詞の、
「新聞はインテリが作り、ヤクザが売る」を思い出しました。
お互い真剣だからこその衝突でしょうが、
販売側はかなりの悪相の役者さんでしたね。
まぁ私が見る新聞勧誘員もたいがいですけど。

そしてダブルチェックが信条の熱い男の全権デスク。
「憶測で間違ったことを報道してならない」
よその報道機関にも聞いてほしいもんです。
松本サリンの報道なんて本当にひどかった。
政治信条で情報を操作するマスコミもひどいですが。

熱い全権デスクの新聞作りにかける意気込みや、
仲間との連携など上手く見せてもらいましたが、
親友の死や、社長のセクハラや、部長との和解や、
我が子との軋轢なんて片鱗を見せながら、
映画の時間が長い割には描写はさっぱりだったな~。

カット数が多いのは臨場感を高めたつもりなのか?
やりすぎでしょう。やたら多すぎに感じましたが、
やたら熱い男のドラマを見れたので良しとします。

事故の真相?公式発表以外知りませんよ。

秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE II ~私を愛した黒烏龍茶~

2010年01月12日 | 日本映画 評価3
2008年 FROGMAN監督
『世界征服を企む秘密結社「鷹の爪団」。
 今回はインターネットから世界を占拠しようと、
 ネット世界にアバター化して入り込むが、
 逆にMr.Aを名乗る人物から攻撃を受け・・・。』

新評価 3.0

前作がバカバカしいお笑いだったのに対し、
今回は映画というものを意識した作りこみ。
本来のFlashアニメの持ち味を失ってはいますが、
こちらの方が好みに合いました。

裁判員制度、ハゲタカファンドから
アバター、ネットサイバー社会まで、
昨今の時代にからめたシュールだけれど、
ややステレオタイプで先が読める良い笑いでした。

ゆえにMr.Aのリアルな正体も予想通りでしたが、
総統もしょんぼりした彼の自己正当化の論理、
要旨「俺のことを非難できるほど君は立派なのか?
君が俺のことを嫌っても、俺には味方が居るのだ。」

私もどこかでそんな事を言われてしょんぼりした気が。
じゃあ正しいとか正しくないとはどうでもいいのか。
実際に世界を買い尽くそうとして大損こいたのは、
私の上司の世代ですが懲りない人の理屈ですよね。

それにしても総統の世界制服の目的が、
子供の幸福のためとは知らなかった。
あっ、うちのIMEも“制服”と変換した・・・。
やはりワープロソフトはATOKなのか?

花よりもなほ

2009年12月30日 | 日本映画 評価3
2006年 是枝裕和監督
    岡田准一主演
    出演 宮沢りえ、古田新太、浅野忠信、
    香川照之、加瀬亮、國村隼 他
『父の仇を探し出して討つために江戸の貧乏長屋に
 住み着いた青年侍。
 故郷を離れ早3年がたつが未だに手がかりが無く、
 生活のために寺子屋をひらく侍だったが・・・。』

新評価 3.0

明らかに今時の価値観で見てしまうとおかしい時代劇。
この青年侍はのちに仇の居場所を知ったものの、
長屋で町民の人情に触れて人の命の重さや、
愛する者を失う悲しさに気づいたからあだ討ちを躊躇した。

と言いたいようですが、人間は何かをする理由より、
なにもしない理由を見つけるほうが簡単。
この青年侍は自分の腕では相手に勝てないことや、
失うには惜しいものが出来、あだ討ちをしたくないだけ。

もののふとは本来そんなものでは無く何よりも名誉が大事。
「命惜しむな名を惜しめ」その筈ですが?
変な策略であだ討ちをしたことにした青年侍。
この後の人生は悔いたり悔やまなかったりかも。

魅力的な役者を多数揃え丁寧に町民の生活を描いたため、
武家の窮屈さがよく見えなかったですね。
やりたくない、馬鹿馬鹿しいと内心思っていても、
やらねばならない事は今の世の中でも有るのにね。

そんな意味で同じ長屋に赤穂浪士が居た設定は面白い。

天国はまだ遠く

2009年12月06日 | 日本映画 評価3
2008年 長澤雅彦監督
    出演 加藤ローサ、徳井義実、宮川大助、
    河原さぶ、板東英二 他
『名も知らない夜の駅に降りタクシーに乗った女性。
 人のいない場所に行ってほしいと告げ、
 山の中にある民宿たむらに案内された彼女は、
 その晩に大量の睡眠薬を服用し自殺を図る。』

新評価 3.0

全体的に“元気”とか“天真爛漫”のキャラが似合う、 
加藤ローサは当たり役でしたが、
序盤の自殺を思いつめている演技はNG。
お腹が空いたの?くらいにしか見えなかった。

死に損なった女性が生まれ変わったつもりか、
心機一転のポジティブシンキング。
まぁリアルな物語としたら難しいですが、
物語としては有って欲しい展開ですよね。

ラストまで予定調和が過ぎますが嫌味に見えず、
逆に気持ちよく決まっていくのは上手いですね。
しかも登場人物たちが持つ謎を、
余韻が残る程度に残しておくのも良かったです。

この2人はこの後どうなったのかなぁ?と、
思わせるエンディングも悪くないです。

タナカヒロシのすべて

2009年12月05日 | 日本映画 評価3
2004年 田中誠監督 鳥肌実主演
    出演 ユンソナ、高橋克実、
    宮迫博之、加賀まりこ 他
『かつら工場で働く男性32歳は独身で両親と同居、
 無趣味で会社で同僚とも話さない変わり者。
 ある日、おみくじで大凶をひいた時から、
 彼の周りに不幸が・・・』

新評価 3.0 (微妙)

え~主役の鳥肌実はご存知でしょうか?
右翼ネタを持ち芸とする興味深い芸人なのですが、
そんなキャラとは関係なく普通の人物を演じています。
普通?普通って何でしょうね?

彼はさしずめ今風の表現なら「草食男子」ですかね。
恋愛に興味が薄い、喜怒哀楽も薄い。趣味がない。
今の会社にも若い社員で何人か居ますよ。
「趣味は音楽を聴くことです」それって趣味?

そんな主人公が直面する数々の不幸。
短期間にあんなに来られるとキツイですよね。
見ていてだんだん苦しくなってきますが、
何故か最後はハッピーエンド風仕上げ。

いや何も事態は好転していないのですけど、
「なんとかなりますよ」と言う言葉に、
説得力が有るのか無いのか?
無いと思いますけど、その気持ちは大事だよね。

たみおのしあわせ

2009年11月29日 | 日本映画 評価3
2007年 岩松了監督
    出演 オダギリジョー、麻生久美子、
    小林薫、原田芳雄、大竹しのぶ、
    石田えり、忌野清志郎 他
『父と暮らす服のセンスの悪い青年は未だに独身。
 一方、父は子供を理由に再婚も出世も断ってきた。
 ある日、父の上司の紹介の見合いが上手くいき、
 ついに青年は結婚することになった。』

新評価 3.0 (たぶん)

たまに善人しか居ない、つまらない映画がありますが、
驚いたことに、これは出てくる人のほとんどが悪い人。
と言っても警察が絡むような人たちではなく、
これくらいの根性・性格が悪いのは普通に居るような。
でも人情劇では、ちょっと人数が多すぎて苦笑いです。

最初は煮え切らない息子や、子離れしない父親に、
違和感やイライラを感じながら笑えるのですが、
彼らの周りに居る人が少し変なのです。
例えば・・・

息子の結婚式の日取りを早くさせようとする仲人。
もてもてな父親に嫉妬して嫌味をいう同僚。
居酒屋で同席の同僚をおいて携帯で話し続ける男。
囲碁店で初心者にあからさまに嫌な顔をする店員。

父親の恋人と義理の弟はすこしワルですが、
それ以外は飛び切り悪人ではなく、
普通に周りで有りそうなケースで。
そこの部分だけ取り上げるから変なだけで・・・。
でも、そこでだけ接触していると嫌な人ですよね。

私の周りにも居ますよ。誰か書かないけど(笑)。
私自身がそうでもあるでしょうし。

それ故にラストは衝撃の展開。
でもバスに乗るまでは納得できます。
その後で畑の中に入るのは・・・。
ちょっと意味がわからなかったな~。

蛇にピアス

2009年11月28日 | 日本映画 評価3
2008年 蜷川幸雄監督
    出演 吉高由里子、高良健吾、ARATA 他
『偶然入ったクラブで知り合った割れた舌のパンク男。
 その世界に興味を持って男と付き合いだすが、
 やがてピアスだけではなく刺青にも興味を持ち、
 男の紹介の彫り師とも関係を持ち始める。』

新評価 3.0

芥川賞を受賞した金原ひとみの小説が原作。
何故かどこかで読んだことがあるのですが、
さすが蜷川幸雄監督。
原作のイメージ通りに映像化されています。

「青の炎」から久しぶりの監督作ですが、
どこか鬱屈した青春劇が好きな監督ですね。
今回も日本のどこかには確実にある、
アンダーワールドな青春。

キャッチーな若い役者を見つけるのも上手く、
今回は吉高由里子で過激なフル・ヌード。
そこだけに引かれて見てしまうと、
かなりエロ・グロなんで嫌悪感がでるかも。

とりあえず毛色の変わった青春映画なのですが、
どこかおっさんのエロも入っていて、
それがこの監督ゆえか、
原作の雰囲気からなのか微妙なところです。

純喫茶磯辺

2009年11月25日 | 日本映画 評価3
2008年 吉田恵輔監督
    出演 宮迫博之、仲里依紗、濱田マリ、
    麻生久美子、近藤春菜、ダンカン 他
『転がり込んだ遺産を元に、何となく喫茶店を始めた
 バツイチのダメ親父と思春期の娘。
 アルバイトの女性と何となく良いムードになった
 親父に娘は面白くない。』

新評価 3.0

麻生久美子が見たくてレンタルしましたが、
プクプクした仲里依紗の存在感もなかなか。
とか思いながらも宮迫博之。
お笑いなのに、なかなかの役者ですよね。

最近この手の何も起こらない映画を見てますが、
これも本当にラストまで大事件は起こらず・・・。
まぁ現実でも日々に喜怒哀楽はあっても、
殺人とか、爆発とか無いですもんね。

そんな中で出会うちょっと変な人たち。
だけど自分もどこか変な人。
あまりカリカリせずに、
相性が合わないと思ったらほっときましょう。

ゼロの焦点

2009年11月20日 | 日本映画 評価3
公開中 犬童一心監督
    出演 広末涼子、中谷美紀、木村多江、
    西島秀俊、杉本哲太、鹿賀丈史 他

新評価 3.0

見合い結婚まもなく出張で金沢に向かった夫。
しかし帰宅予定日に東京に戻らず、
心配した新妻が向かった金沢で起こる、
3人の殺人と2人の自殺者の謎と秘密・・・。

原作は松本清張の推理小説なのですが、
映画は別物なのか推理の謎解きシーンが無く、
最後に新妻が金沢にむかう列車のなかで、
彼女の想像の中での謎解き。
それが他人の回想なのか真実なのか曖昧。

推理映画なので冒頭からがっつりと見て、
学徒出陣の記録映像や夫の昔の戦友などが、
重要なキーワードなのか気になりましたが、
そこは全く事件には関係なしの肩透かし、
そもそも今、昭和32年が想像しづらい。

もはや戦後ではないと言われた昭和30年代。
しかし戦中戦後のトラウマがまだ残る時代を、
今の時代の人たちが理解できるのか?
パンパンの過去を隠すための連続殺人なんて、
今や元キャバ嬢が議員先生になる時代ですよ。

生誕100周年かもしれませんが、
ちょっと今やるにはかび臭い内容だったかも。
ノスタルジック感を煽られてもね・・・。
でもサスペンスはなぜ崖なのか、
原点がよく分かりました

監督は女優を美しく撮る犬童監督。今回は3人も!?
と思ってみていたら、とにかく中谷美紀が圧倒。
他の2人は霞んでしまうくらい。
とくに広末は演技の幅が狭くてアウトレンジでした。