浪々を選びて候

2010-05-02 | literature
岩井三四二著、講談社、2003年刊を読む。この著者の短編集を2冊読み、これまであまり目にしなかった美濃稲葉山城攻防戦をとりあげていて面白いと思ったので、他も読んでみようという気になって、今日図書館から借りて読んだもの。先に読んだ短編集については、完成度の点でやや不満があったが、この小説は文句なく面白かった。完成度も十分高い。

斎藤道三で有名な美濃斎藤家の勇将・日根野弘就三が主人公。稲葉山城落城後、信長に屈するを潔しとせず、信長に対抗する今川、浅井、本願寺に次々に属していく。先の短編集がそうであったが、この著者は、負けて逃げ追われる侍たちの描写が得意なようだ。スリルがある。政権から転落した自民党や、これから転落しそうな民主党の描写などお手のものではないか。

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