鳥海山近郷夜話

最近、ちっとも登らなくなった鳥海山。そこでの出来事、出会った人々について書き残しておこうと思います。

今日もちょっと散歩 その1

2020年03月18日 | 兎糞録
 気になったことがあったのでいつものコース、散歩に行ってきました。
 鮭上人の即身仏、今日は勢ぞろい。
 やはりこの建物気になります。酒田商工会議所の「酒田まち歩き」の中、下図(小さくて見ずらいですが)の⑪「はら宅」がそれです。

 以前にも書いたとおり、この建物は昭和八年にでき、当初は原防水布という会社の倉庫だったようです。今日はちょうどその近くに近所の方がいらっしゃったので気になっていたことを伺ったところ、やはりここはその後、「割烹はら」として営業したという事がわかりました。この建物は洋食部だったようです。昭和十年に移設された母屋はかなり広く、中には大きな庭もあり、盛時は結婚式も行われていたという事です。現在も住んでいらっしゃるようですが、さすがに直接アポもなしで尋ねるのは失礼なのでいずれ機会があったら詳しいことをおたずねしてみたいです。

 裏側から見たところですが、文化財にも指定されていないので、保全は全くされていません。本当にこの辺りには昭和初期の建物がたくさんあります。
 「旧割烹小幡」 の裏です。この建物は近い将来修復されて新しい観光施設になります。
  
 これは「旧割烹小幡」 洋館の外壁ですが、石を模した鉄板張りです。これも保存されるのでしょうか。
 現在は工事車両用の駐車場整備の状態。二億六千万ほどかかるそうです。解体はすべて手バラシ、その後柱、梁を鉄骨で補強して組立をするようです。観光を度外視して、歴史を保全するためにほかの建築物も保護修復に行政が力をさしのべることが出来たら、観光などという事は度外視して、いい都市になるのでしょうが。まっ、無理でしょう。
 こういう建物もあります。


 旧市内にはこういった建物がまだまだあったのですけれど、今では何の変哲もない商業ビルに変わってしまいました。すべて経済的事情がらみの様でしたが。なんにしても残念なことです。


またしても物欲に負けてしまったのでありました。

2020年03月17日 | 兎糞録
 話は鳥海山からあらぬ方向へとどんどん脱線していきます。
   本好きな人にはわかっていただけると思うのですが。
 また買ってしまいました、二葉亭四迷全集。
 日本の古本屋のサイトはしょっちゅう本を探すのに利用しているのですが、先日、格安で販売しているのを見つけ、購入してしまいました。通常の古書価格の四分の一ほどです。
 大学の図書館の除籍本なのですね。今の大学生は本を読まないので、図書館で購入蔵書にしても読む人なし、読んだ形跡はみじんもありません。大学のシールが小さく貼ってあるくらいで中身は、図書館だけあって保存状態もよし、とてもきれいです。ちなみに都内の某ある程度有名私立大学のシールが貼ってありました。

 先日購入したサントリーの社史も図書館の除籍本でとてもきれいでした、しかもとても安い。姉崎岩蔵氏の「鳥海山史」もかつて除籍本で入手しました。探求書のある方には除籍本を探してみるのもおすすめです。

 ついでに言うと、この二葉亭四迷全集、他にも蔵書しています。一つは、昭和十二年の岩波版全八巻。昔、神保町で捜し歩きました。外箱はボロボロですけれど、中身は綺麗です。このころの本作りは紙質もよかったのですね。
 もう一つが、やはり岩波の新書サイズの全九冊。こちらは上の写真のものに比べると、それほど紙質はよくありません。箱に入っているので何とか綺麗な状態を保たれています。煙草はとっくにやめたので本の痛みは進行が遅いです。
 義兄も本大好きで、屋上にプレハブで書庫をつくっていたくらいでした。
 先日、だいぶ古い本を資源ごみとして処分したのですけれど、お金もないくせに購入癖は生涯治りそうもありません。

 あっ、もちろん飾っておくんじゃないですよ、読むんですよ。

将軍様の珈琲

2020年03月16日 | 兎糞録
 と言っても、隣国の将軍様ではありません。
 先日亡くなられた、徳川最後の将軍、徳川慶喜の曾孫、徳川慶朝さんが焙煎に携わった珈琲豆です。徳川慶朝さんが書いた本を読んで一度飲んでみたいと思っていました。
 泡立ちよし、香りよし。美味いコーヒーは泡立ちから違います。ドリップ時、湯面があらわれるような珈琲は美味しくないです。

 東京にいたときは、日珈販の珈琲を飲んでいましたが、その後販売しているところも少なくなり、当時日本で出始めたスターバックスの珈琲豆に替えたのですが、これからはこの豆にしようかと思います。

 スターバックスではお店の方が淹れても、それほどおいしく感じないんですよね。自分で淹れた方が美味しい。豆は質が安定しているので間違いはないですが。店で他のものを頼んでもやたら甘いものばかりですし、ケーキも頼むと千円もかかる、ちと高いですね。それにスタバではこれ見よがしにパソコンを開いて仕事をする?方もいらっしゃる。豆買ったらさっさと帰ることにしています。

 と言ったところで、この徳川将軍珈琲、Amazonで注文すると(プライム会員なので)翌日には届きます。値段もスタバで購入するのとさほど違いません。
 また楽しみが一つ増えました。

ラーメン屋さんを始めるためには

2020年03月16日 | 兎糞録
 ラーメン屋さんを始めるのはなかなか大変なようです。
 
 同級生のM君は東京の大学をでてからこちらへ帰ってきて、今は無い書店で営業として働きました。今にしてみれば倒産するような書店ですから、やはりその頃から経営状態は良くなかったのでしょう。外回りで契約をとっても、支払われるべき歩合を知らぬふりで支払ってもらえなかったそうです。
 
 何がきっかけかはわかりませんがM君は一念発起。ラーメン屋さんに弟子入りしました。この辺だけの当時のしきたりなのかもしれませんが、弟子入りするには三百万円という授業料が必要でした。
 知り合いの他のラーメン屋さんからも同様のことを聞きましたし、教える側のラーメン屋さんからも自分の店で修行するには授業料は何百万だとかいう話も聞きましたので弟子入りするには結構なお金が必要だったというのは間違い無いようです。
 
 小さな店から始めた彼の店はやがて場所を変え、繁盛店となりました。
 彼の店で大盛りラーメンを頼むと480gもありました。完食すると晩ご飯も食べられないほど。ラーメン大盛りに餃子を頼むと、カウンターの中から、
 「それみんな食えるようなら長生きするぞ」
と声をかけてくるのでした。
 そんな声をかけられたのが最後に会った時でしたから、思えばその頃から体調がすぐれなかったのでしょうか。ほどなく店に出なくなるようになったと思ったらあっという間に彼岸へと旅立ってしまいました。今も店はあとを継いだ方がやっていますが、なんとなく行く気にはなれないで今に至っています。
 
 
 彼の店の半ちゃんラーメンに餃子、美味しかったなあ。