鳥海山近郷夜話

最近、ちっとも登らなくなった鳥海山。そこでの出来事、出会った人々について書き残しておこうと思います。

ラーメン屋さんを始めるためには

2020年03月16日 | 兎糞録
 ラーメン屋さんを始めるのはなかなか大変なようです。
 
 同級生のM君は東京の大学をでてからこちらへ帰ってきて、今は無い書店で営業として働きました。今にしてみれば倒産するような書店ですから、やはりその頃から経営状態は良くなかったのでしょう。外回りで契約をとっても、支払われるべき歩合を知らぬふりで支払ってもらえなかったそうです。
 
 何がきっかけかはわかりませんがM君は一念発起。ラーメン屋さんに弟子入りしました。この辺だけの当時のしきたりなのかもしれませんが、弟子入りするには三百万円という授業料が必要でした。
 知り合いの他のラーメン屋さんからも同様のことを聞きましたし、教える側のラーメン屋さんからも自分の店で修行するには授業料は何百万だとかいう話も聞きましたので弟子入りするには結構なお金が必要だったというのは間違い無いようです。
 
 小さな店から始めた彼の店はやがて場所を変え、繁盛店となりました。
 彼の店で大盛りラーメンを頼むと480gもありました。完食すると晩ご飯も食べられないほど。ラーメン大盛りに餃子を頼むと、カウンターの中から、
 「それみんな食えるようなら長生きするぞ」
と声をかけてくるのでした。
 そんな声をかけられたのが最後に会った時でしたから、思えばその頃から体調がすぐれなかったのでしょうか。ほどなく店に出なくなるようになったと思ったらあっという間に彼岸へと旅立ってしまいました。今も店はあとを継いだ方がやっていますが、なんとなく行く気にはなれないで今に至っています。
 
 
 彼の店の半ちゃんラーメンに餃子、美味しかったなあ。

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