ボル中

~ボルダリング中毒~

一撃必殺。

2011-12-27 23:00:00 | 川井
 疲れが抜けきっていないが、今日は天気が良すぎる。

 もったいないので近場の川井へ。

 近場と行っても二時間かかってしまった。12時に対岸の駐車場に到着。

 梅澤橋が台風の影響で使えなくなっていた・・・迷ったが遠回りして川井ボルダーに到着。



 いつもシケシケで滲みだしの多い川井のボルダーが・・・

 ベストコンディションだった。



 岩の手前にある池は全面的に凍結していたが、それほど寒くない。今日はチャンスだと胸が高鳴った・・・。第一、今日も貸切である。

 狙いはモロヘイヤ・初段。身体は温まっていたので、ホールドをチェックしてすぐに取りつく。余りの岩の乾きように、一撃必殺の予感さえした。そして1トライ目・・・

 落ちた ⇒ 岩に血がついてる ⇒ 左の親指から血が噴き出してきた

 半月経った今も完治しない瑞牆での傷よりマシだとしても、また血だらけになった・・・

 一撃必殺の予感は当たったが、自分の指のことだったとは

 これで帰るのは精神衛生上よくない。キツめにバンドエイドとテーピングを巻いて止血。その間にベッケンバウアー・1級をチェックした。

 こちらもバッチリ乾いている。だがこの課題も確か指皮に危険なホールドを配置していると記憶している。

 年末の城ヶ崎ボルダーにこれ以上差し支える行為は慎みたい。3トライまでと決めて挑んだ2トライ目・・・

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        ベッケンバウアー・1級

 滲みだしのない岩に感謝である。後は緊張なく登って、早々に帰ることにした。

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            雨桶左・3級

 結構高い・・・。余裕をかまして足が滑り、何気に一度落下したのをしれっと忘れてすぐ横の二級にトライ。

 不意には落ちたくない下地なので思い切った動きが中々難しい。

 そして連続3トライ目・・・

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             I’ve・2級

 バテた・・・。なぜならヒールをそれほど駆使せず、手のパワーを使って身体をなるべく垂直に保ち安全な落下に備えたからだ(笑)。マットやスポッターに不自由しないのであれば、もっと身体を倒してヒールを駆使した方が良い気がする。これにて本日は撤収。

 初めて状態の良い川井ボルダーを見た。川井好きなら今がチャンスだと思う。

 ただし超遠回りは避けられない。



 

 
 

瑞牆 と金山沢に終始一人。

2011-12-22 22:00:00 | 金山沢
 もう時期的に暖かいエリアでやりたい。だが城ヶ崎や湯河原は天気予報が芳しくない為、陽射しが期待できそうな瑞牆へ行くことにした。

 そして8:40到着。-2度。曇り。

 陽射しがないなら山梨くんだりまで来た意味がないではないか・・・とりあえず好転を期待しながら阿修羅岩へ。

 その手前の童子岩の3級でウォーミングアップを図った。

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          穴契約社員・3級

 クリス・シャーマはスペインの岩場でこう言ったという。
『気温がマイナス2度でもノープロブレム。陽がたっぷり当たっていたからね。焼き石をチョークバッグに入れておけば、トライ中に手が凍えることもないし。』

 

 岩なんか触っている場合ではない。寒い。曇ってる。 だから誰もいないのだ。陽が射す気配もないし石なんか焼く余裕はないので、撤収を決意。

 3kmちょっとで着く金山沢に移動を決めた。少しは気温が上がるだろう。

 11時に金山沢ボルダー入口到着。

 1度、曇り。

 早めの昼食を取った後、半ばヤケクソでマットを担ぎ登山道へ。



 道中何度か増富の湯で長湯をして帰る自分を想像したが、無事にアッパーエリアに到着。



 ちなみに瑞牆周辺に足を踏み入れてからここまで、車にも人にもすれ違った記憶はない。

 プリムスのヒーターに点火しつつ、狙いの逆トラマン・初段のムーヴ作りに入る。フリクションを活かした登りでないとトップアウトは無理だと感じた。例えばこの岩が御岳の様なチャートだったら私には無理だ。

 無駄打ちは避けたい・・・岩の冷たさで手が悴む上に、指皮を消耗するホールドばかりだ。入念に解析をし、その2トライ目・・

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           逆トラマン・初段

 最初から一人で組み立てて完登するのは最高の気分だ。この興奮状態を保ち、寒さを忘れながら隣の初段・鷲は舞い降りたを触ってみた。

 全く出来る気がしない。離陸もままならない。左上におそらくキーホールドであろう2本指ポケットがあるが、取れない。ちなみに1手目である。

 指皮の痛さを我慢し何とか取れたが、そのムーヴは右手で取りに行くというもので次に繋がらない・・・。左で取るムーヴに変えるしかない。無理と思われたが、スタートホールドを左右とも変え、左のヒールを旧スタートホールドにかけ、左手を上に飛ばすことにしたら惜しくなってきた。ちなみに右は1本指ポケット、左は甘いフリクション系カチ、右足はガバから少し左にずらしたところがバランスがよい気がした。

 手を十分に温めて臨んだ、ムーヴ変更後2トライ目・・・

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          鷲は舞い降りた・初段

 ムーヴを一人で読み解いて課題を足元にする、こんな快感はそうない。岩の上ではホントに寒さを忘れた。帰り際になって射し始めた忌々しい陽射しのせいかもしれないが。

 寒さと指皮薄々の為、本日の修行はこれで終了。パキり指の悪化はないが、極寒の中でのトライはたまに手のひら部分に違和感を感じる。あと早くエグった指の傷を治さなければならない。未だに体液だか膿みだかが出続けている状態だ。ただその部分を岩に当てたりしなければ痛みはないので、今日も岩場にいた。

 相変わらず大自然に終始一人という贅沢なシチュエーションだった。ただこの時期にこれを味わうには・・

 -2~-4度の中、雪を踏みしめながら一人で山に入っていくという根性を必要とする。



 

 

 


一人スラブ講習

2011-12-19 23:00:00 | 神宮川
 晴れ間が数日続いている為、良いコンディションを期待して神宮川ボルダーに出発。

 朝8時30分に八間岩に到着。気温は0℃ 陽当たり、生き物の気配・・全くなし。
 クソ寒い。指先が細かいホールドを拒否していた為、ガバそうな課題に取り付く。

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            夏寒・4級

 岩が冷たすぎて、トップアウトする頃には手の感覚がなくなってしまう。少しも身体は温まらないが、次は2級の直上課題へ。摩擦熱に期待して、情熱のブラッシング。
 中々スタートがキツい・・・
 寒すぎて出来ないのか、元々ホールドが悪いのか判別が出来ないほど、体感温度は低かった。

 手が言うことを聞かないので無理矢理足を使った。

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            ダイヤ・2級

 厳しすぎるアップを終えて、本日のメインである『白州ドリームタイム』へ。

 移動の為八間岩から山道を少しだけ登ると、通称;上の岩が見えてきた。


               上の岩

 2級があるので寄り道してトライ。一撃するはずだったが、何故か左上のガバに気が付かず、厳しいマントルを繰り返すハメになった。数回落下したが、ガバを掴みにいったそのトライで完登。

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          いぶし銀・2級

 これはオススメだ。スラブに立ちこんで斜めのバンドにデッド。超ガバでもなく身体が弓矢のようにしなって、左足が浮いている為バランスが悪い。上部はやや自然に返りつつあるのでマントルは注意が必要である。

 これらのウォーミングアップで疲れ果てたので休憩・・・



 白州という地名通りの白砂が美しい。陽が当たればさらに快適なのだが・・・









 そして白州ドリームタイムがあるアイガー岩に到着。案外近い。


          アイガー岩

綺麗な岩で見るだけでそそられるものがある。
が、寒いたまに雪もパラつく厳しさだ。

 身体と気持ちを温める為に、車に戻り焚き火台を搬送。流木がそこらじゅうに転がっていたので薪には困らなかった。



 だが、登れなかった・・・



 トラバースが厳しい・・・暖かくなったらまたやる事にしてその場を離れた。もちろん焚き火の痕跡なんぞ残していない。

 再度八間岩へ。前腕が家に帰りたがっていたので、スラブ面で『足の』修行を始めることにした。



 ・・・そういや、スラブオンリーの課題なんてロクにクリアしたことがない。スラブ技術の知識もない。

 数年後に『ドッかぶりもいいけど、外はスラブが登れんとな』と言えるようになる為にも、真面目に取り組むことにした。

 ちょっとでもクライミングシューズを履いたままだと、冷たさで足先の感覚がなくなってしまうので、登る時以外は全てSORELのカリブーに足を突っ込み、クライミングシューズは懐に入れて温めた。
 細かいフットホールドに乗りこんで立ち上がる際は、特にインサイドを押しあてて重心を移す。膝を外に向けながら反対足を切り、手で僅かなホールドにすがりながらソ~っと立つ。

 一人スラブ講習開催である。

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             ヒマラヤ・3級


</object>
             パタゴニア・3級

 この課題は上部のバンドを使わないと3級になるらしいので、使わずに登った。

 そして一人講習の最終課題は、スラブの1級アラスカ。上部で左にあるバンドを使わなければ1級となるらしい。気のきいたホールドなど一つもない。足先と加重に神経を集中していないと、出だしでさえ滑り落ちてしまう。

 なんとか講習の成果を発揮し、中間までは解決。リップ?に突入するも、そこからもかかるホールドが全くなく、三度ほど滑り落ちた。

 手だけに頼っている場合ではない・・・万が一の場合は胸・腹のフリクションを使ってマントルを返すしかない。

 上着を投げ捨てた。投げ捨てたのはいいが、雪がパラついてきた(笑) スラブ面故に、細かい凹みに雪が競って入ってくる。

 ちなみに気温は2℃、水溜まりは凍っていた。客観的に、スラブ講習から寒さ・一人我慢大会になってしまう前に完登した。

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             アラスカ・1級

 スラブのホールドは実際に乗ってみないと、利くかどうか分からない。見た目は良く見えても乗れなかったりした。
 最大の収穫は二点で、

   ・ホールド(凹み・出っ張り)を足先で掴むイメージを捉えた
   ・スラブ面の上部から落ちるのが意外に快適と知った


 である。これにて本日の一人スラブ講習を終了した。・・・帰りは中村牧場に寄り、甲州地鶏卵を購入するという任務をペンギンから授かっていた。

 ~講習と言えば~


 ペンギンは豪勢に吉田スクールで
  ・達人・吉田和正と他講習生4人でワイワイ
  ・皆で助け合う環境 安心感
  ・陽当たり良好
  ・格好:長袖Tシャツ

 私は一人スラブ講習で
  ・終始一人 獣が出そう
  ・獣が攻撃してくるかも
  ・陽当り一度もなし 雪ならアリ
  ・格好:裸

 かなり内容で劣るが、こちらは無料である。

 
 


ペンギン、吉田スクール入門

2011-12-17 23:00:00 | 昇仙峡
 ~ 獅子は子を千尋の谷へ突き落とし、
          生き残った子だけを育てるという ~


 吉田和正のボルダリングスクールに、ペンギンを一人で行かせた(笑)

 なんとペンギンは、喜んであっさり『行く』という。だがその顔は一人旅行気分の顔だ。

 そんなワケなかろう。千尋の谷行きである。


 ちなみに私はボルダリング・クライミングに関しては自己流、若しくは独学でここまできた。ネットサーフィンし情報を得て、一人で岩場に向かうというスタイルだ。サーファー兼クライマーと言っていいだろう。

 岩場での昼寝職人から脱出しようとしているペンギンには、ちゃんとしたクライマーに一度は学ばせたい。達人・吉田和正なら登り方だけでなく、怪我防止の為の身体のケアも深く学べるはずだ。

 ペンギンが一人で吉田スクール・・・考えただけで爆笑である。
 
 朝6:30・・・私は出勤、ペンギンは入門しにそれぞれ家を発つ。

 若い男性3名、ボルダリングエリアガイド作成者の本庄さん、ペンギン、というメンバー構成だったらしい。

 出発の前日・・・私はペンギンの為に、車の整備・荷物積み込み・カメラ充電・現金引き出し(講習料手渡しの為)を全て行った。そして念を押しておいた。以下を尋ねた方がいいよ、もしくはやってと。

 ① スラブ上達のポイント、及びパワーがない人の被った壁の攻略法
 ② マッサージ法、身体ケア
 ③ 知らないエリアだけに、写真撮影
 ④ 1級、若しくは初段以上の課題を二つ位は聞いてきて・・・

 ~ 一つも達成してこなかった ~

 第一カメラを車に忘れたらしい・・・相変わらず手強い・・・

 全てを忘れ楽しく過ごしてしまったらしい。いつもと違った環境で岩と向かうことは、とても良い刺激になったようだ。


千尋の谷から這い上がるペンギン









 珍しくペンギンは指皮を減らしてきた。達人に『ハイ登って』と言われ、顔を上げると初対面の方々の視線と応援を受ける・・・

 昼寝職人には戻れない環境だ(笑) こいつはいい

 そしてさらにおかしかったのが、講習生メンバーの中で一番強かったという方から、『ペンギンさんですか』と言われたということだ。
 きっと怠け者風な面もみせたのだろう・・・すいません、お世話かけました・・・御一緒することがありましたら、よろしくお願いいたします!
 また一人で行かせますので。
【注;獅子は子を千尋の谷へ突き落としまくる。】

 吉田スクールのおかげで、ペンギンはさらにボルダリングが楽しくなってきたようだ。私としてもとても嬉しい。

 だが、非公開エリア・昇仙峡の情報収集には失敗した。
 
 

 




 

美しき瑞牆山・・・

2011-12-11 23:00:00 | 瑞牆
 三日目も好天。
 ROCK & SNOW №54が発売されたおかげで、百鬼夜行の岩にとうとう会えた。



 素晴らしい・・・圧倒される・・だが寒い

 一番クリアしたい課題である高野聖・・・。スタートのアンダーホールドを保持し、両足を浮かせてみる。

 キツい、寒い。

 この気温で厳しい課題はパキり指にはよくない、ということで憧れの課題をあっさり見限り太陽を求めて移動。

 倶利伽羅の岩へ到着。常識的な体感温度である。

 カラクリをトライ。左手のオープン持ちがなさそうで初段、かつ日当たり良好ということで選ばない理由がなかった。裏には竜王という1級もある。



 出来ない・・。気合を入れようが独り言を繰り返そうが、右手がリップまで届かない。諦めて裏の1級を見に行ったが、こちらはスタートがよく分からない。

 強烈な視線を感じ始めた為、昼食の準備へ。



 コンビニでよく見かけるコラボ系こだわりカップラーメンに、中村牧場で購入しておいた煮卵を入れて食している絵である。人のウェアまで必要以上にバッチリ着こんでいる。さすがペンギン、やることなすこと隙がない・・・。

 そして昼食後にこれまた日当たり良好な百里眼・1級へ。簡単そうに見えるが、やってみるとそうでもない・・・。隣の二段のランジ課題である千里眼を意識して、ランジ解決を図った。



 飛んだ瞬間に右手のカチが剥がれ、岩肌に超・猫パンチ。指三本の甲側を深くえぐってしまった・・・血だらけである。特に中指が酷い為直接圧迫法で止血、もう登るのは無理となった。

 ここでひたすら防寒と飲食に努めてきたペンギンが登ると言いだした。最近絶好調なペンギンが選んだ課題は夜岩の『スーパークーロワール・7級』

 自分でホールドをチェックしさっそくトライ。考えながらスムーズに上部へ。



 だが半泣きで降りてきた(笑) 



 飛び降りれる精神状態ではなかった為、必死に降りてくるペンギンをなるべく早く高い位置でキャッチした。
 上部の抜口でムーブにつまり、恐怖を感じてしまったらしい。『難度的に落ちないはずだけど、落ちたらやべーな』というある意味ボルダリングの隠れ醍醐味を楽しめないペンギンは、即座にクライムダウンを選択した。

 ~二人して何も登れなかった~


 ・ブリザック・REVO GZを装着していても滑るほど、凍結していた山道を苦労して上がってきた。



 ・ゲートは昨日から閉鎖(期間は12/10~翌4/25)されたらしく、そこから高野聖までは45分は歩いた。



 何も登れず指を深くえぐりました。

 だが瑞牆山は美しかった。





 この景色を見ながら歩けた、というだけで満足すべきだろう。無理ですけど。

 そういや昨晩は皆既日食だった。たまにテレビで騒いでいるのは知っているが、実際によく観察したことはない。

 マイナス10℃の中、カメラを装備して外に出た。月はいきなり消えたり赤く光ったりする。SONYのα‐55でこの不思議な現象を見事撮影したい。



 微妙な結果だった・・・。