リハビリ（妄想）

　今日で受傷してから１２日。痛みらしいものはないが、寝起き等長いこと動かない状態でいると浮腫むようで軽い鈍痛が起こる。
　『仕事もせずにのんびり暮らす』という誰もが願う夢が叶ったワケだが、ロクに歩けないのでは意味がない。受傷時から続けてきたハイハイのせいで膝が痛いので、ここ二日はキャスター付きの椅子を使い家の中を移動している。

　ギブスが取り外し可能なので風呂には入れる。以下に医師の指示を記す。
『臭くなるからギブス取って風呂に入って』

　ギブスが取れた後の事を考える・・・。杖なしでいきなり歩けるだろうか。まだ左足を地につけるのを止めてから二週間も経っていないのに、どうやら両足歩行を忘れた感がある。ハイハイやキャスター付き椅子での移動技術ばかり進歩する。

　そしてボルダリングだ。登り慣れた課題でリハビリ、といきたいところだが再登を重ねた課題というものがあまりない。しいて言えば忍者返しとデッドエンドが５回位、エイハブ船長が３回位である。ムーブが凝縮された下部と簡単な上部で構成されるデッドエンドがよさそうだ。

　ちなみに去年の８月に完登した。ズボンが汗で足全体に張り付く位暑く、フリクション云々を言えば良いわけはなかったが、冬とは違い身体のエンジンがかかるのが早く二時間位で解決出来た。

　デッドエンド・１級

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　左踵が不調のまま、あのスローパーに乗り込むことが出来るか謎である。デッドで上の左ポケットを取りにいっているが、左手のサイドカチをもう少し上にあるサイドカチに飛ばすとさらに左足が乗り込めるので、スタティックにポケットが取れる。

　と妄想により脳内でデッドエンドをたった今クリアした。

　早く日が経つのを願うばかりである・・・。

今期絶望。

左踵骨亀裂骨折。

　３／１６　受傷

　外岩は自粛していたのにアホな理由で左足の踵の骨を折ってしまった。肋間筋がよくなってきたと思ったら今度は骨折。しかも大震災が起きて世間が混乱している最中に・・・

　そして受傷時はそれほど気にならなかった右足首も、段々と痛みだしてきたので自らバンテージで固定。家の中の移動手段は松葉杖から『ハイハイ』に変更した。両足首を浮かせながら床をハイハイするとなると、怪我とは関係なく４歩目位から膝に激痛が走り武者修行のようになるので、バレーボール用の膝サポーターを装着。



さすがに快適ではないが、これならトイレや台所に行くにも武者修行とまではいかない。

　さて、これからどうするか・・・。

　ヤケクソになるか、地道に復帰を早める努力をしていくか・・・

　圧倒的に前者が楽であり魅力的である。ゲームでも買うか・・・
　だがダメだ。私が人生で楽しいと感じたゲームはペンゴとディグダグであり、今時のゲームからは既に見放されている。
やはりボルダリングしかない。

　仕事にも行けない状態から回復する為に、まずは両足には負担をかけないこと。これは『ハイハイ』で解決。歩けない状態から機動力が増し、先ほどは雑巾がけを実施出来たほどである。

　あとはカルシウムや各ビタミンの摂取。しかし食べるのが大変だ。いや、食べ物を用意するのが大変だ。冷蔵庫まで這って行き、冷凍ご飯をレンジでチンする。電気ケトルで湯を沸かし、素をふりかけて茶漬けの完成。

　ビタミンを摂取するにはリンゴを剥かねばならなかった。例え床上に這っているとはいえ、台所などガバなリップなので膝でマントルを返し流し台に腰掛けられた。そしてリンゴとバナナ付きで茶漬けを食す。食後にカルシウムの錠剤も摂取。豊かな食事もボルダリング技術のおかげである。

　足に関してはリハビリの段階が来るまではひたすら安静である。なのでそれまでは如何に上半身の筋力、特に指力を落とさないかに集中出来る。家の中を見渡せばドアの縁などカチだらけである。ハイハイから便座に座る時などは、ドアの縁にレイバックして便座に『手にケツ』である。『手に足』ではない。

　いくら安静主体とはいえ、これだけ上半身が健康なのに寝ているばかりでいるワケにはいかない。不自由故にペンギンが仕事から返ってくるのを心待ちにしているのは事実だが、

ハイハイで出来る限りの事はやろう。
　

　

　

休業・・

　左胸が痛くなった。最初は違和感から始まったのだが、受傷した心当たりもないし気のせいということして、ストーンマジックに軽く登りに行った。だが痛すぎて壁など登ってる場合ではないことに３分で気が付いた。いきなり引き揚げるのも何か心配されそうなので、ジムに備え付けの漫画を片っ端から読み、ある程度時間をつぶした。
　そしてペンギンがうるさいのでclimb on!のリップを購入して帰った。天然成分100％ということで前から目をつけていたらしい。

Climb On!　Lip Lube 0.15oz　￥598(税込)

　ちなみに今朝ペンギンに『ストマジに行くかも』と断っておいたのだが、返ってきた言葉が『いってらっしゃい』ではなく、『リップ！』であった。

　そして二日後の今日。動かなければ平気だが、深呼吸や特にくしゃみ等したら激痛である。起き上がったり寝っ転がる時も苦しい。ボルダリング等到底無理な状態だ。ネットで色々調べたがどうやら肋間筋損傷のようで、バンド等で肋骨を固定し安静にしていれば二三週間で治るようなことが書いてあった。ただ二三週間も怪我の回復を待てるワケがない。一日でも早く全快し岩場に行かなければならない(笑)。あとは安心を買う為だ。どうせ大したことないのは分かってはいるが近くの大きい病院に行った。

　レントゲン・心電図を終え医師の診察へ。『全く異常は認められませんね、そんなに痛いですかぁ？』

　痛いし治したいから来ているに決まっておろうがこのヤブ医者め・・・等と思ってはいけない。レントゲンにも写らない細かい筋肉の怪我で済んだのだからよかったのだ。医者がマジになるような傷病など私にはまだ早い。そして予想通り胸を固定するバンドを貰い湿布と痛み止めをテキトーに出され、病院を後にした。診断名は強いて言うなら『肋間筋損傷疑い』だ。そういや三週間程経っても軽快しないようなら内科に行けと、テキトーな感じで最後に言われた。

　これまでも小さい怪我なら繰り返してきた。膝・肘・肩・踵・つま先・・・やや深刻に思えた膝の時も病院に行ったが、ロクに相手にされず、ヒアルロン酸をテキトーに膝の中に打たれた覚えがある・・・不思議と痛めてないのが指と手首。痛くても完全に休養する程ではなく、痛みを堪えて騙しだまし登ってこれる程度だった。

　だが今回は痛みが強すぎるので休まざるを得ない。果たしてきちんと休めるのだろうか？無理な気がする・・・。
　
　『じゃあ次の連休は岩のないとこに行ってゆっくり観光しよーよ★』

とナメた事をヌかしたペンギンの思惑をひっくり返し、厳しい初春のボルダリングをいち早く展開していかなければならない。

　必ず来週末には復活する！雨は今の内に降ってくれ！と思ってばかりの日が続くだろう・・・