「本日も読書」

読書と映画の感想。ジャンル無関係、コミック多いけどたまに活字も。

岩佐又兵衛―浮世絵をつくった男の謎

2012年07月26日 | book
NHKのBSかなにかで岩佐又兵衛の特集をやっていて
面白かったので興味をもって買ってみた。

武将・荒木村重の子で、村重は信長に反逆して
一族皆殺しにされるんだが、
又兵衛はなんとか逃れて、一介の絵師になって過ごしていく。

このバックボーンがもう凄まじいんだけど、
絵師としても、不思議な魅力があって。

陰惨な絵もあれば、とてもひょうきんな絵もあって。
とにかく表情がうまいというか。
たくさんの街の人を描いた屏風絵とか出てくるんだが
とにかく見ていて面白い。

なんで絵師なの?
なんでこういう絵なの?
否定的でなく、純粋に疑問がわいてくる。
それくらい謎な感じ。
雰囲気としてなんだか今っぽい部分があるというか。

なんか初めて何も知らずにこの人の絵を見たら
「これ贋作でしょう?」とか「現代の作品ですよね?」って思っちゃう。
そんな戦国~江戸時代に描いたのに、むしろ今の人が昔の題材をテーマに
描いたかのような印象がある。

この新書は絵の話を詳しく一般向けに解説していて分かりやすい。
又兵衛の生涯も同時に話しているので、個人的にはそちらのほうが
もっと知りたかったが、ただの絵師になると深くは分からない面も
あるのでしょうねえ。

機会があったら本物の絵を見に行きたいなあ。



岩佐又兵衛―浮世絵をつくった男の謎 (文春新書)
クリエーター情報なし
文藝春秋

最新の画像もっと見る

コメントを投稿