「本日も読書」

読書と映画の感想。ジャンル無関係、コミック多いけどたまに活字も。

腹を割って話した(未知との遭遇)

2014年06月24日 | book
水曜どうでしょうの藤村さんと嬉野さんの対談集2巻目。
1巻目は相当面白かったんだけど、2巻目はこれアフリカの前後の
話だよなあ。

前半は相当愚痴めいたことが多くて、ちょっとガッカリ、というか
うーんといろいろ思ってしまった。

というか、アフリカ編って、ちょっと評価が分かれるというか。
「あれ?」というのがあったと思うんですよ。
Webでも検索すると感想がいろいろ出てきますけど。

いつもより参加者が多くて。
寝るときも皆バラバラで。
無理をしているようでしてないようにも見えて。
面白いけど、冗長だな、と感じることもあって。

だから見終わった当初は「うーん」って思ってたんですよね。

だけど今、この2巻目や、DVDの副音声とか見聞きして、さらに大泉洋さんの話題が水曜どうでしょう以外で出たときの、水どうファンの反応を見たときにね、ちょっと考え方が変わってきたというか。

結局、水どうって、もうシリーズが凄まじい長さになってきて。
するといろんな層の人がいるわけで。

最初から道内で見ている人、何度も何度も見ている人もいれば、
逆にクラシックしか見てない、とかサイコロの旅しか見てない、という人もいるんですよね。

私は学生時代に見始めたから10数年?

でね、「サイコロの旅」ってわりと人気があるみたいなんですけど、
あれ本当にシリーズのなかで面白いですかね?
っていうのがあって。

まあ私もサイコロから入ったんですけど。

だけどうーん、今では「甘いもの対決」とか「四国八十八箇所」「ユーコン」とかサイコロよりも旅寄りのほうが好きなんですよねえ。
原付きもいいし。
一番好きなのは、アラスカかなあ。

だけどなんか、世間的には「またサイコロやって」みたいな話が出るんだけど。

うーん、私の場合、アラスカとかオーストラリアとかもう一度やってみたらどうかな?
とか思うんですけどね。

それは置いとくとして、ただ何度も見たり、ディレクター陣の言葉とか聴いているうちに、この感覚も結構変化していくのかな、という。

昔「ザ・ホワイトハウス」を何度も見ていたら、最初はゴールデン・グローブ賞とかいっぱいとっている1~3シリーズが名作って思っていたんだけど、何度も見ていると第4シリーズ以降のほうが深いって思うようになって。
むしろ第1シリーズなんてキレイ事ばかりのご都合主義に見えてきて。
良いのって吹き替えの声優くらいじゃない?とか。
それすら第4シリーズ以降変わっていくと、これまた違う感覚になってきて。


この本を読むと、D陣は、アフリカ編が今までで一番おもしろい、と思っているんですよね。

これにちょっと驚いたというか、面白いなって思って。
で、DVDの副音声とか前巻とか聞いたり読んでいると、なるほどって思うんだけど。

本当に初期の頃の作品って、大泉さんが全然活きてないw
ミスターに遠慮しまくってるし。
その距離感の話をD陣がしていて。
なるほどって思うんですよ。

そしていかに面白いシーンが無かったかって話があって。
だからたぶん今の大泉さんを使えば、オーストラリア編なんて
すごい大作作れると思うんですよ。

だけど当時の大泉さんの力量ではそこが難しかった、と。
私達は編集後の完成品しか見てないから、切られた部分がわからないですからね。

そしてだんだんDVDも巻が増える毎に副音声でぶっちゃけ話が増えてきて。
一生どうでしょうなんてできねえよ、ってぶっちゃけてるんですけどw
だけどできるかぎりやりたい、みたいな話もしていて。

そして、何度もD陣はこういうこと書いたり言ったりしているんだけど、
もうこの4人が健在であれば、ある程度のファンが面白いと思う作品ってこれからもいろいろ作れるわけですよ。

ただそのとき、新しいことをしなければならないか?というと違うわけで。
これもD陣が言っているけど、新しいことは、実は全然無いんだと。
どうでしょうはまったく新しいわけではないんだと。

ただもうサイコロや深夜バスみたいな無理はできないし、本人たちが面白いか?というと、これも違うらしいんです。
言われてみれば、公共交通機関を使うと、トークの機会は減り、使える映像も減るわけで。

となるとレンタカーやカブになるわけで。

彼ら4人が苦しんでいるのが面白いのか?というと違うわけですよ。
サイコロのときは苦しんでいる彼らが面白かったかもしれない。

だけど今シリーズを見続けてきた人間なら、誰もが思うわけですよ。
この4人のトーク、雰囲気が好きなわけで。
苦しんだとしても、そのあとの彼らの罵詈雑言と責任の押し付け合いのトークが面白いわけで。楽しみなわけで。

その間をじっくりとるには、ゆったりした食事、そして酔っぱらい、適度な苦しみが必要で。

そしてたぶんその必要な「間」というのは年齢によって違うのではないかと。

D陣がアフリカ編を面白い、と思い、視聴者の一部が「サイコロ編」をやたら熱望しているのは、たぶん「水曜どうでしょう」の面白さを感じる間の時間の差にあるのではないかと。

端的に言ってサイコロ編を求めるのは「若いな」ということで。
ケツの青い若造ファンである、とw
もっとシリーズ読み込みなさい、という壁である、と。
まさにファンがアンチを作る!www

と言わないにしても、サイコロ編を求めている人は、もしかしたら他のシリーズをあまり見てないかもしれない。
サイコロ編って一番クラシックの放送が多いだろうし。

そして「アフリカ編」を面白いと感じるのは「高齢化」ということでw
もはやベテランの域なのではないか、と。

だからもしかしたら「アフリカ編」は、コアな、もっとも長く見てきた人ほど肯定的に評価するのではないか、と思うわけです。

これまでのシリーズを見返したりすると、海外へ行くときの世界地図で、大泉さんが次の場所を予測するときに「アフリカは無いよね!?」みたいな、話を結構しているんです。
これは壮大な前フリだったのではないかとww

これを思い出せると、アフリカ編はニヤリとしてしまう。
過去、ブンブンで野生動物に会えず、アラスカでは遠目で見るばかり、ケツァールではバズーカを振り回すという彼らを見てきた私達に、野生動物の楽園が本当に現れた彼らを見せる。

これこそ長い年月をかけた真の前フリwww

というか、水曜どうでしょうの過去作品を見返すと、意外と以降のシリーズへの前フリじゃないか、と思うセリフがあったり。

いや、まあ、偶然というかただの感覚的な話ですが。
あるいは私的にはアフリカ編は壮大な前フリで、次回作へを爆笑させるための心の準備だったのかもしれない、と後から思う可能性すらある、と。

あと前フリというか、ときどきかつては安田さんやリーダーが現れてたりしていたわけですが。
というよりも、ミスターがラジオで全然出てこない、とかあったわけですよ。
あるいはガイドが面白かったり。

たぶん間や空気がたまに変わるくらいがちょうどいいんでしょうね。
だから4人にこだわる必要も実は無い。

そういえば最初安田さんが出てきたとき、「この人誰!?」って本当に思ったよなあ。道民じゃないからナックスの存在もまったく知らずで。
だけど今思えばそれも味で。
ほんと最初のなんだっけ、拉致されたとき?
安田さんがどうすれば分からなくて、ワゴンの後部座席から「ものすごい素」の表情で2人を背後から黙って「俺関係ない」的に見てるのは、もう激しく怖かったw
あれ放送事故だろって思うほど怖かった。

それも今思えばすごい味で。
若き日の酒飲みで貧乏な安田さんのエピソードを、30時間テレビとかでミスターさんや大泉さんが触れるたびに、それがまた面白くて。



だから、その場の感想とは別に、自分が見続けること、ファンでい続けること
、製作者の声を聞くことで、まったく別の見方や感想にある日切り替わる、ということはある、という当たり前の話を。

まあ、それも今、人気シリーズとして確立したからこそだけどね。
これが最初のほうでポシャっていたら、誰も語るものなどいないのだから。


腹を割って話した(未知との遭遇)
クリエーター情報なし
イースト・プレス

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