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変人型社会

2005-09-19 07:00:48 | 時事問題
一昨日の毎日新聞に、中曽根前首相の発言で”小泉首相は昔から変人だと思っていたが、今は日本自体が変人型社会になっている”というコメント掲載していた。その理由として、今は大半が無党派層になり、テレビ、携帯電話、インタ-ネットにより個別的な独立人が増えた事を上げていた。現役時代の中曽根氏は、世論の風を読む事に関しては卓抜した才能があった。永田町でも風見鶏と言われたくらい、常に勢いのある派閥に摺り寄り、悪い意味では政治家としての節操がないと言われ、いい意味では、常に政治の流れの中で権力に一番近い位置を確保していた。それゆえに、自民党の力とか派閥の力を維持する重要性を認識していた。小泉首相が自民党をぶっ壊すとか、派閥で言えば森派に所属しながら、派閥の代表である森氏の言う事も聞かないという事に関して、中曽根氏から見れば信じられない行動であり、立派な”変人”にしか見えない。今回の選挙で、中曽根氏は自民党が大敗すると思っていたフシがある。なぜなら、自民党議員である息子も法案に反対していたし、彼の政治経験からして、国民の意識のバランス能力が働けば、どうみても変人の小泉首相にNOと言う人が多いと読んでいたはずである。結果として、中曽根親子の予想を裏切り野党の大敗という民意の結果が出たので、日本自体が変人型社会と言い切らないと、中曽根氏のような古い政治体質では理解しずらいのかも知れない。

しかし、選挙結果から考えると、時代は変わっている事を完全に理解できていないのが労働組合の支援を受けている野党だったかも知れない。古い組織型選挙にいつまでもこだわった結果、労働組合に気を使いすぎて、主張に一貫性がなかった。小泉首相が郵政民営化賛成か反対かを国民に真意を問うという明快なテ-マを出しているのに、同じ自民党の一部造反議員は、民営化には賛成だが小泉法案に反対と、まるで野党と同じ主張をするし、本物の野党が郵政民営化反対だけを主張すればもっと違いを判りやすくできたのに、次期国会で取り上げれば良い年金問題とか増税問題とかまで言及し、有権者に対して党派による考えの違いを明確に示す責任を自ら放棄してしまったのは残念である。

現在、フリ-タ-と呼ばれる人は、昔なら貧しい失業者の中に当てはまるはずだが、今は職業選択の自由度が大きく、企業で我慢して働いていても終身雇用でもなければ、定年後に年金生活が確保されている時代ではない。言い換えれば定職=安定した生活という図式が存在しない。マルクスレ-ニン主義の影響を受けた、年を召された組合関係者が、つい最近まで”労働者の皆さん、おはようございます”と呼びかけている言葉自体がすでに時代錯誤である。今は勤労者の皆さんと言葉を変えて呼びかけている。組織に完全に依存して生きて行くという考え方だけに固執せず、個人の事は個人でという個別的な独立精神は、今の若者の方がよほどシッカリ持っているように思える。従来型の派閥のドンだとか、政治家の黒幕的存在等と呼ばれる古い体質や運営方法を認めない小泉氏は、変人でなく本当の永田町の改革者のように見えてくる。、むしろ、それを批判している評論家や老政治家が、時代に付いて行けない変人かも知れないと中曽根氏のコメントを読んで、そう思ってしまった。